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ヨーロッパ中世を舞台にした小説を数多く発表している佐藤賢一の作品のなかでは、これが一番面白かった。
三銃士で有名なダルタニアン(彼は実在の人物である)のその後の物語に、歴史上の人物を絡めて、佐藤版「鉄仮面」とも言える内容を作り上げてます。
この作者の作品は、
主人公の一生を大河的に描く作品が多いけど、
ある事件を中心にした方が、登場人物の心理描写が丁寧で楽しめると思います。「王妃の離婚」など。
その点からも、
大人になった、人間臭いダルタニアンの一夏の冒険物語である本作は、お薦めです。
もう一人の主人公も秀逸。笑えます。