先日、ある本に「お金に限界効用逓減の法則は起きない。」という旨の事が書いてあるのを見ました。
本自体はビジネス書や自己啓発書を出版していて、その後に高額なセミナーや教材を用意している出版社の本でしたので特に詳しく説明する必要もないでしょう。
限界効用逓減の法則というのは説明すると「3杯目のビールは美味しくない。」とうことです。
あなたがお酒を飲まないとしても飲むという事で暫くお付き合いください。
夏の暑い日に1日中外回り営業で炎天下を歩き回ったとします。
仕事帰りにビアガーデンでビールを引っ掛けて行きましょう!
1杯目のビールの美味しいことこの上ない。
こんな美味いものがこの世にあるのか!
あっという間に飲み干してお代わりを頼みます。
1杯目程でないですが、美味しい。
それも、飲み干して3杯目。もう、ただのビールです。
限界効用とは1単位追加して消費することによる効用(財から得られるメリット)の増加分のこと。
限界効用逓減の法則とは、消費量をどんどん増やしても得られるメリットは最初ほどでないということです。
しかし、お金には、それはなくあればあるほどいいという事ですね。
多くの人が、そう感じているのでないかと思います。
しかし、私はこれに疑問を呈します。
以前に否定しましたが、お金を価値と交換できる引換券として考えてみましょう。
我々の生活というのはある程度も満ちたら、それで満足すると思われます。
生活が安定したら、金儲けなどとくだらないことやっていないので人生をもっと有効に活用した方がいい。
人間にはもっとするべきことがあるはずです。
しかし、何故、もっともっととお金を欲しがるか?
これは不安を煽られているからです。不安というのは、まだ起きていな恐怖を心配すること。つまり”メタ恐怖”です。
”今は良いですよ。でも老後は大丈夫ですか?”などとネットでもバナー広告に溢れています。
未来など心配したところで、どうなるか分からないというのが現実です。
そう言われたって投資なんて、まかり間違ってもしない方が良い。
だいたい投資でも儲かるならピーター・リンチの云う通り、
投資関連の人間は今頃カリブ海でラム酒を飲みながらカジキマグロでも釣っているはずだ。
しかし、彼等は今日もせっせとあなたの財産を巻き上げることに腐心している。
後は承認や所属への不安。
三種の神器(テレビ・冷蔵庫・洗濯機)もある。自家用車もある。今はテレビに変わってパソコン・スマホもある。
雨風をしのげる家も、暑さ寒さをしのぐ衣服もある。
十分ではないでしょうか?
いやいや、車は新型車でないと人からなんと言われるか。
隣がクラウンを、否!ベルファイアを買ったので、うちも負けてはおられません。
去年のコートなんて、みっともなくて着られないわ!
これは調査した訳でないので私の考えに過ぎませんが、
人間はある程度の健康・文化的な生活が満たされたらそれで満足するはずです。
そうして、出来た時間をもっと文化的なことに向けていくことが出来る。
しかし、不安を煽られることによって「もっとお金があればこの不安は解消される。」と思い込み、もっとお金を欲しがる。
お金に限界効用逓減の法則が働かないのではなく、我々は際限なく不安を煽られてお金があれば何とかなると思い込まされて、お金を欲しがっているに過ぎません。
なぜ、こんなシステムがまかり通っているのでしょうか?
それは、次回考えてみましょう。
ヒロ

