リスタでは知的障害がない中学生以上 大人の「自閉スペクトラム症(Autism Spectrum Disorder 以下、ASDと記す)」と大学生・成人の「注意欠如・多動症(Attention-deficit/hyperactivity disorder 以下、ADHDと記す)」に対する認知行動療法を専門療法の一つとして行っております。
中学生の親子が合同で相談に来られている方もいれば、20代、30代以上の方が一人で相談に来られたり、結婚されている場合は夫婦(カサンドラ症候群状態の場合もある)で来られている方もおられます。
基本的な対象と相談の形(もちろん例外はごさいます)は、
ASDの場合、
中学生・高校生の場合、一人でのセッション又は親子合同セッション
大学生の場合、一人でのセッション
成人の場合は、一人でのセッション、結婚されている場合は、夫婦でのセッション
ADHDの場合、
大学生・成人の場合、一人でのセッション
必要に応じて、ペアレントトレーニングも行っております。
また、医師や公認心理師、看護師等の専門家が集まって月1回行っている勉強会「横浜認知行動療法研究会」の中でも「ASDやADHDの認知行動療法」のレクチャーを行うことでASDやADHDで困られている方に対して認知行動療法ができる専門家を増やしていきたいと考え行っております。
実際、うつ病や不安障害の認知行動療法を行える心理師や医師、看護師はそれなりにいるのですが、ASDとADHDに対して認知行動療法を行える治療者となるとまだまだ少ないのが現状です。
そして、もっと少ないと思われるのは、ASDの夫(妻)がいる夫婦(カサンドラ症候群を含む)に対する夫婦認知行動療法。
リスタでは、治療者を見つけるのが困難な地方や海外でも受けていただけるように、対面とあまり変わらないオンライン・カウンセリングも行っております。
ASDとADHDは、アメリカの診断マニュアルであるDSM-5(精神障害の診断・統計マニュアル第5版)では発達神経症群という項目の中に入っております。
日本では、法律用語の「発達障害」が定着していて、この言葉だけを聞くと「障害=病気」という考えになってしまうのも無理がないと思います。
そのため「ASDとADHDかな」とか「何となく生きづらい」と思っても、テストや診察を受けることに抵抗があるのも理解します。
が、自分の特性を知り、尚且つ、特性の「プラス面」と「マイナス面」を理解し、ストレス・マネジメントのようなコントロール方法を身に着けることと、環境調整の依頼ができるようになれれば「プラス面」を生かせると思うのです。
「ASDやADHDの認知行動療法」は、先ほどもストレス・マネジメントと書いたように、自身の特性をまずテストなどを使用してしっかり理解し、そのうえでコントロールする方法を学んでいくようなイメージを持っていただければと思います。
どうして特性を知りと書いたかというと、
わかりやすく説明をするために、ちょっと乱暴な表現かもしれませんが、左利きと右利きと同じようなものである。と考えております。
(ASDやADHDには、問題にならないレベルから重篤な問題のレベルまで様々であることも承知の上で説明のため簡単に書いております)
また、左利きの人は全体の約10%と言われており少数派に入るわけです。
発達神経症群も、診断まではつかないがASDとADHDの特性を持ち合わせている人を加えると人口の約10%(少数派に入るわけです)といるといわれております。
また、利き腕の決定も発達神経症群も「これが原因です」というのがまだ特定されていないところも同じなのです。
今、左利きの人を見つけるのってそんなにむつかしくないと思いませんか。
ASDとADHDの特性を持っている人も同じような数の方がおられるということです。
さて、田舎に住んでいた影響もあるかもしれませんが、私がまだ小さかったころ、すべての左利きと人とは申しませんが、多くの左利きの人は親や時に学校の先生に無理やり右利きに直したりしたものです。(60歳以上の年齢の方は理解していただけると思います)
ただ、完全に右利きにならないで、どっちつかずになってしまう場合や左利きの良さがつぶされてしまったり等も問題も多々あったようです。
今はどうでしょう。
例えば、私はテニスをしていたのですが、左利きの方が有利であったりします。
その特性の「強み」を生かせばいいだけなのです。
ASDとADHDの方も、その特性の「強み」を生かされて社会的に成功されている方もたくさんおられます。
まずは、ご自分を知るところから始めてみませんか。そして、マネジメントする方法を身に着けていきましょう。
千田 恵吾