今回は、循環器疾患(心不全)患者への認知行動療法の臨床応用というタイトルで発表をいただきました。
参加メンバーは、医師、臨床心理士、看護師、作業療法士、鍼灸師の7名でした。
さて、今回は大学病院での急性期病棟での身体疾患への認知行動療法の取り組みについてご発表をいただいたのですが、2週間と短い期間の中で「どのようなアプローチを行えばいいのか」「身体疾患に対してのアプローチ方法は」ということについて、発表後、参加者で討論を行いました。
身体疾患の認知行動療法については、慢性疼痛、がんをはじめそれぞれの疾患で認知行動療法が有効であるということが学会などで発表されております。
今回、私が提案させていただいたのは、身体疾患や手術後にうつ状態や不安状態が強い場合は、通常の認知行動療法が有効であろうと思います。
ただし、今回の発表ではリハビリを継続させ、再発を防ぐための行動を強化するには、どのような認知行動療法を行えばいいのか。それには、症状をよく理解させ、塩分制限をするのにも「6gしかだめです」ではなく「6gとっていいのだからどのように料理を工夫できますかね」と肯定的で、患者さんにどのような工夫ができるのかという動機付けも含めた表現を使用したり、塩分同様に患者さんに制限を掛けるのではなく、やりたいことリストを作成したり、メリット・ディメリットを使用したりまた、行動実験で、そのようにふるまっていただくリストを使用してふるまってみてどうであったかのフィードバックを行うなど、肯定的な側面を強化する認知行動療法を作成することで、目的が達成するのではないかということをお話させていただきました。
また、メンバーからも行動強化の方法などの説明もあり、身体疾患に対しては認知行動療法を変化させればやはり有効な方法のひとつであろうと考えます。
もう一つ、身体疾患でお困りの方に対しては、心理的とか精神的な問題があるので認知行動療法という有効な方法があります。などと野暮な説明をすると、患者さんは私は心の問題などありません。という方もおられると思うので「ちょっと考え方が」とか「どういう行動をいつもとっていますかね」と言えば、認知行動療法につなぎやすくなるとも思っております。
実際問題は、考え方と行動の問題なのだから。
さて、次回、第108回横浜認知行動療法研究会は、3月19日(日)に開催いたします。
興味をお持ちの医師、臨床心理士、看護師、作業療法士、その他医療・心理職の方や教諭、司法、福祉にお勤めの方はホームページをご参照いただき、お申込みいただければ幸いです。
横浜認知行動療法研究会
http://www.y-sinrisoudan.ne.jp/cognitive-r.htm