うつ病や社交不安障害・パニック障害などの不安障害、そして、人格障害(パーソナリティ障害)になられた方は、まずは精神科を受診するということは当たり前のことですが、精神科では薬物療法(抗うつ薬や抗不安薬)が中心で、多くのうつ病や不安障害の方々がよくなっております。
ただ、薬物療法だけでは良くならない方々も多くいるのもまた事実です。半年、一年と薬を飲んでもよくならない方やもっと長い方では五年、八年、十年以上とずっと通院をされている方、ある程度良くはなって仕事にも復帰は出来たが、薬は今もずっと飲み続けている方等、個々によって違いはありますが長く困られている方々も多くおられます。
どうしてお薬だけでよくなる方とよくならない方(長期にわたる)がいるのか。
これは、薬が国から承認されるために様々な研究を行うのですが、その時に限りなく患者さんの条件を絞って行います。もちろん、そのような方がたくさんおられるということでもあります。
ただ、うつ病や不安障害と診断はされていても、違った条件があったり、うつ病や不安障害になる前は、認知行動療法でいうところのスキーマといわれる自分の過去から続くネガティブな問題をコントロールできていたが、うつ病や不安になったことがきっかけで、その問題(スキーマ)をコントロールできなくなってしまった方等、とても過去から続く個人的問題が多くまたは強くあると長期にわたって病気が続いてしまう方々もおられます。
うつ病や不安障害になる前には、それほどのネガティブなスキーマが強くない場合や問題となっていない場合などでは、問題となった仕事のストレスや対人関係問題等、実際に問題となったことが解決をしたり、薬などでうつ病や不安障害などもよくなっていきます。
では、スキーマとは
乳幼児期から続く親子の相互関係や幼稚園、保育園、小学・中学・高校と続く成長過程の中での様々な人間関係や自分自身について強く考えたことなどの影響を受けて出来あがった「自分とは」「人とは」「世の中とは」など強く固まった考え方や捉え方。これは、常に乳幼児期からということではなく、小学校や中学校時代から出来ることもあったりもします。
スキーマには、人にはネガティブなスキーマ、ポジティブなスキーマ、適応的なスキーマがあり、問題となるのはネガティブなスキーマということになります。
上記にも書かせて頂きましたが、わりと強くネガティブなスキーマをお持ちの方でも、うつ病や不安障害になる前には、ご本人は辛いながらもネガティブなスキーマを、ポジティブなスキーマや適応的なスキーマでコントロールが出来ていて問題となることなくお過ごしの方がたくさんおられます。
ただ、うつ病や不安障害が長期化される方の中に、うつ病や不安障害になられたことで、ネガティブなスキーマが主導権を握ってしまって、コントロールできなくなってしまわれる方が相談をしていて多くおられます。
スキーマの問題は、国内外で研究、発表をされており、現段階では薬での変化は難しく、認知行動療法などの心理療法が適応であると言われております。もちろん、抑うつ気分や不安の軽減にはお薬は効果てきです。
さて、人格障害についてですが、人格障害はこのスキーマの問題が主になっている障害で、先ほども書かせて頂いたように、抑うつ気分や不安の軽減にお薬を使いながら認知行動療法や心理療法を中心に進めていくのが最も効果的だと思います。
ちなみに、人格障害は「性格が悪い」といった病気ではございません。
病気が長引くことの辛さを考えると、長期化しているうつ病や不安障害、人格障害などで困られている方は、担当医とご相談をして認知行動療法などの心理療法を受けることについての相談をされるのがいいのではないかと思います。
リスタ・カウンセリング・ルーム
千田 恵吾