前回までは、認知再構成法という認知療法の中でも代表的な技法を書かせていただきました。今回から
は、認知再構成法と一緒に用いたり、単独で行ったりする方法を何回かに分けてお伝えさせていただき
ます。
今回の方法は、日常活動スケジュール表という方法です。
日常活動スケジュール表(技法)
無気力な状態や落ち込んでいる時には、どうしても活動をしなくなってしまいます。
うつ状態の時というのは、集中力や記憶力が低下するために、認知の修正(認知再構成法など)を行うの
が難しい場合もあります。そのような時には、まずは、行動(日常の活動)を変えることから始め、集中
力などが改善するのを待って、認知の修正に取りかかっていただければと思います。
日常活動スケジュール表自体は、とても単純な方法ですが、これによって、どのような活動のときに、
快な気分になっているか又は、不快な気分になっているのかを客観的に知ることができます。それを知
ることで、快な気分になる行動を増やし、不快な気分の活動を減らすことに役立てることができます。
この活動スケジュール表には、いくつかのやり方がありますが、今回は3つのやり方を示します。あな
たに合ったやり方で行っていただければいいと思います。そして、最低でも1週間~2週間は続けるよ
うにしてください。
1、義務的な仕事(Mastery)、食事をする、仕事に行く、その他楽しみや喜び、嬉しさ等の活動(Pleasur
e)を活動記録の横のスペースに0から5の数字で評価を書き込んでいきます。義務的な仕事として、布
団から出るという簡単なことならM-1と記入します。また、申し送りをするなどの難しいことや症例発表
などの挑戦的なことはM-4、M-5と記入します。楽しみや喜びの活動にも同じようにして、レベルに応じ
て、P-1、P-3と記入していきます。
2、ネガティブな気持ちを評価する。1と同じように活動記録の横のスペースに、ネガティブになった
気持ちの強さを1から10の数字で評価を書き込んでいくようにします。例えば、活動記録欄には、起
床、ネガティブな欄には憂鬱が強い場合などでは、8、9と記入します。
3、左の欄に前日又はその日の朝に予定を書き込みます。そして、右の欄にはその日行った活動を記録
します。評価記入方法は、右の欄の横のスペースに、1又は2の方法で記入していきます。
3の方法では、仕事や遊びなどを含めた一日のスケジュールをバランス良く書くことで、実際に行う活
動の動機付けとなることがわかると思います。また、実際に活動したことと違う場合、その計画に無理
があったのであれば、よりご自分の状態にあって、尚且つ無理をしないで快をともなう活動を計画でき
ることでしょう。
ホームワーク
さて、ここからはあなたの番です。表を参考にこれから1週間~2週間の日常活動スケジュール表を作
成してください。
日常活動スケジュール表-記入例
月曜日 火曜日
時間 計画 実際 評価
午前 6時~ 7時 起床 起床 M-1
午前 7時~ 8時 朝食 朝食 M-1
午前 8時~ 9時 出勤 出勤 M-2
午前 9時~10時 仕事 仕事 M-2
午前10時~11時
午前11時~12時
午後 0時~ 1時 昼食 昼食 P-3
午後 1時~ 2時 仕事 仕事 M-2
午後 2時~ 3時
午後 3時~ 4時
午後 4時~ 5時
午後 5時~ 6時
午後 6時~ 7時 買い物 残業 M-4
午後 7時~ 8時
午後 8時~ 9時
午後 9時~10時
午後10時~11時
午後11時~12時