大興寺を出発して、冷たい風の中を、二人で歩いていると、料理人の銀二さんが、「讃岐に入ったんだから、あちこちでうどんだけは食べましょうね。」と、強く主張するので、私たちは、ふと、目についた、県道沿いのうどんやさんに入った。この店は、製麺所が本業のようだ。
店に入って、二人とも、慣れない風体で、うどんを頼み、自分でどんぶりを席まで運んで、彼も私も鼻水を気にしながら、うどんをすすった。寒っかたので、温かい湯気が嬉しい。
私は、蕎麦党なのだが、ここのうどんは、こぶだしがえらく効いていて、本当に美味かった。私が、
「プロの舌で、どう思う?。」と、聞いたら、彼は、
「生き物のようなぼこぼこの麺が、衝撃ですよ。」と、モゴモゴと嚙み締めていた。さすが讃岐のうどんだ。麺が少し透明で、ぼこぼこでなのだ。多分切れ端だろうと思う。ところが、そのめんにつゆが絡んでうまい。
その後、少し歩いて、
第六十番神恵院(本尊・阿弥陀如来・おん あみりた ていぜい からうん)大師堂(南無大師遍照金剛)をお参りして、同じ境内の、
第六十一番観音寺(本尊・観世音菩薩・おん あろりきゃ そわか)大師堂(南無大師遍照金剛)もお参りした。
それから、川沿いの道を歩いて、七十番札所の近くで、私は、ビジネスホテルに泊まることにした。板前の銀二さんは、携帯電話で予約をし、旅館に泊まることにしているみたいだ。
私は、今日、あまり御真言が唱えられなかったので、なんか物足りない気もしている。・・・つづく。
(すみません。用事が出来たので、明日は書けないかもしれません。よろしくお願い申し上げます。)