それを聞いて、私は、
「変な遍路が、人には我慢しろと言っているの?。」と聞くと、彼は、
「我慢とは、違うんですよ。要するに、心と体にエネルギー不足が起きないようにして、軽めの忍耐で、脳と体を活性化させるようなプログラムが必要なんですよ。」と言う。
私は、間違いではないと思ったが、とりあえず突っ込んでみた、
「心のバランスも体のバランスも、子供、一人一人、違うでしょう。親子の関係が複雑だったり、親の収入がなかったりで。」と言うと、彼は、
「そうなんですけど、脳と体を活性化して、生きている人間が、感じることのできる、「さわやかな気持ちの良さ」を、心に気づかせたり、確認させたりすることが先だと思うんですよ。そうすると、魂の喜びや、生命の幸せが分かるようになると思うんです。」と言う。・・・『こいつ、だてに、歩いていないな。』
私は、とりあえず、この妖怪に、もうひとつ、突っ込んでみた、
「あんた、言葉を上手に選ぶね。だけど、全部の子供が、気づけるとは、限らないでしょう。」と言うと、彼は、
「そうですけど、半分以上の子が、分かるようになると、他の子にもいい意味で伝染するでしょう。それでいいじゃないですかね。後は、ホローです。」などと、励まそうにも励ましようのないようなことを言う。
それでも、私は、彼の言うことの多くは当たっている、・・とは思う。
『だけどね、妖怪、・・物事には感性というものがあってね・・・、東大卒みたいなことを言われてもねぇ・・・・あれ?・・・賢い奴が、そんな恰好をして、遍路をしているんだ。』・・・つづく。