足摺岬の最南端の、

第三十八番金剛福寺(本尊・三面千手観音・おん ばざら たらま きりく)大師堂(南無大師遍照金剛)をお参りした。

 それから、土佐清水市から三原村へ、足摺岬を一周するようなコースを歩く。、夕方になっても、テントを張れるようなところが見つからなかった。

 そして今は、三原村の外れの山の真っただ中にいる。あたりはもう暗くなっている。もう足も体も気楽には動いてくれない。昨日、たおれるまで、走り続けていれば良かったのいに。そうすれば、終わっていたかも知れないのに。悔みながら、歩く。 結局、山の中の作道基地のそばにテントを張った。今夜は冷え込みそうだ。熊でもでるかー。

 あたりはもう暗くなって、遠くの杉林が影絵のように見える。カラスも鳴いている。

 予想はしていたが、真夜中になると、それは、それは、寒い。私は、とても寒く感じた。氷が夜空を突き抜けているような寒さだ。

 仕方がないので、種間寺のおばぁさんのように、「南無大師遍照金剛、寒いよー。」南無大師遍照金剛、南無大師遍照金剛と、唱えて、眠りについた。

 闇抜ける、晩秋山の、寒さかな。・・・つづく。


(明日はお盆ですので休みます。すみません。)