コロンブスの卵・マイナビ1回戦中村ー矢内 少し古いが勉強になったので紹介する。四間飛車に対し△74歩を省略してハッチを閉めた局面。当然銀を出たいが…第1図以下▲75銀△42角▲58金左△43金▲46歩△35歩▲47金△31金▲26歩△85歩▲56歩△72飛▲27銀△74歩▲66銀△62飛(第2図)△72飛から銀をバックさせることで、通常の6筋転回に比べて後手が1手得をしている。△85歩を後回しにすることで▲86歩~▲88飛を防いでいるのも細心だ。ただし、四間飛車が銀を出てくれなければ何の効果もない。穴熊はいずれ桂を使うために△74歩を突かざるを得ず、実戦での出現頻度は少なそうだ。
何の変哲もない序盤に見えますが ここで中飛車が得をしにいく手がある。 普通に組むと先手が▲25歩を決めない限り、後手は△3三角を省略できる。36銀急戦を消せる分得だろう。先手が穴熊にすれば45を争点にできる分、中飛車に不満はないだろう。糸谷流右玉にすれば一局だが、逆に言えば先手の作戦が限定された意味がある。 ちなみに角が浮いているからと反発すると、以下の手順で後手優勢になる。第2図から▲56歩△同歩▲22角成△57歩成▲58銀△56歩▲11馬△33桂▲66角△58と▲同金左△57銀▲55香△同飛▲同角△52香(第3図) △42銀を指したのは県代表経験豊富なFさん。ちょっとした形の違いを見逃さないセンスはさすがである。
漢の闘い・マイナビ準々決勝中井ー斎田 棋界一、漢らしい将棋を見せてくれる中井広恵様と「燃える闘魂」斎田の一戦。大会屈指の好カードである。斎田は振り飛車党の中ではややクラシカルな形を好むようで、いわゆる「超速」志向に対し、第1図から△42銀と積極的に良さを求める。△56歩の阿久津流で十分ではないかと思うのだが、らしさを感じる。対する中井も美濃囲いに組まれる前にと第2図から▲35歩!まさに漢である。第3図から▲44角△19角成と香車を取らせたのがどうだったか。84に香車を据えられてからは実戦的に勝ちにくいだろう。以下は斎田の鋭い延髄切りが炸裂してしまった。里見、中井と連破した斎田の勢いは本物だろう。ここまできたらいっそのこと女王位を奪取してもらい、ブリブリのピンクドレスとあのアニメ声で就位式を盛り上げてほしいものだ。