『しのゼミ』 -33ページ目

『しのゼミ』

日常で出会った「気付き・笑い・学び」を綴っています

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結論からいえば,残業を減らそうと考えているうちは,残業はなかなか減らない。
時間外労働の一割カットを目標に掲げても,強化月間がすぎれば旧に復する。
こういう習慣性の問題は,抜本策を講じなければ歯止めにならないのである。

抜本策とは<抜本塞源>のこと。
災いのもとを根元から塞ぐという意味だ。
つまり,残業そのものを無くすると考えるのが,この場合の抜本策にほかならない。

  本 「仕事に活かす<論理思考>」 本田 有明著  ちくま新書

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▼ 臭いモノ処理法

臭いモノがあったらどうするか?

フタをして隠す。

芳香剤の香りで誤魔化す。

臭わないフリをする。

みんな我慢してるから我慢しようと言う。

オレには関係ないと距離を取る。

・・・・・・

そんな枝葉や小手先で言い包め,抜本には目を瞑る。

われわれは,現実逃避の名人。



▼ 塞源するも実際は?

臭いモノを見つけ出し,容赦なく処分すればよい。

確かにそうだし,そうできればベストなのはわかる。

しかし,実際にやろうとするとまた話はややこしい。

あれやこれやと障害が立ち塞がる。

その臭うモノを誰が拾い上げるのか?

それを何に入れておくのか?

そしてどこに捨てるのか?

捨てるまでの責任は誰が持つのか?

その処分代は誰が払うのか?

・・・・・

そんな問題を作りだし,やろうという気を無くさせる。

われわれは,言い訳作りの名人。




「第2世代携帯電話サービス終了のお知らせ」

・・・・・第3世代携帯電話サービス対応の携帯電話機に機種変更を行っていただきたくお願い申し上げます。

このたびは,機種変更手数料を無料,携帯電話機も実質負担無料となるものをご用意させていただきました・・・・・・



っということで,Sバンク店頭に行ってきた。

こんなことでもないと,まず行かない場所と言っていい。

「そんなもん,いらんけど」と思いつつ,妻に諭され携帯電話を初めて手にしたのが2000年。

用途としては,緊急連絡用のみで,実際にはあまり使用しない。

仕事場である病理部は病院の中心部にあり,なんと「圏外」になってしまうという事情も大きい。

なので,メンテや機種変更などは必要最低限。

これで機種とすると三台目なので,一台を4~5年使い続けていることになる。

物持ちはいい性分というか・・・・・ケチなだけか?



来意を告げると,「もう機種はお決まりですか?」と問われる。

「何も機能が付いてないの,ください」と言ってみる。

「あまり在庫が無くって・・・今,ご用意できるのがこれです」

そう言われて薦められた機種には,それでもワケわかんない機能満載だ。

赤外線通信だとかS!アプリだとかS!ループだとか・・・・・

そんなもん使わんし,全部いらんわ!

それに,いつも唯一メールくれたあの「くーまん」がない?

何で付いてないねん?

そう自分勝手に大声で文句を言いつつ(もちろん心の中で),しょうがないので薦められたものにする。

ところで,今回の窓口対応は,気のせいか,サービスが良い。

自分の経験的には,これまでだったら細かい質問しても答えがすっと帰ってこないイメージがあったが・・・・・

それに,以前に窓口担当からできないと言われて,今回できたことがあった。

まぁ,以前は以前だし,過去に遡ってワザワザ腹立てても詮無いわ・・・

これでもけっこう我慢強い性分というか・・・・・勇気がないだけか?



自分にとっては,携帯電話はネクタイや腕時計と同じような存在になっている。

無いと淋しいし落ち着かないが・・・でも無くても別に困らない。

なので,自分としては電話のみの機能限定機種でええんちゃう?とも思う。

それこそデルコンピュータのような,必要スペックのみを選択できるようなサービスが早く生まれないかなぁ?



「急迫は事を敗り,寧耐は事を成す。」

『何事も急いでは失敗する。落ち着いて忍耐強く好機の至るを待っていれば,目的を達することができる。』

(「言志四録」佐藤一斎著/川上正光訳 講談社学術文庫)






<しの訳>

▼ 算数テスト攻略法

長女ちーの勉強机には,「計算力がつく三か条」が掲げてある。

この三か条は,ちーの通う塾のプリントに書いてあったものを抜き書きしたモノ。

曰く,

1)スピードと正確さを意識した練習
2)計算力は一日にしてならず
3)最大の敵は気のゆるみ

集中,継続,しっかり練習・・・・・

考えてみれば,これらは計算力のみの話ではない。

場合によっては,大人になってからの生活・仕事のいろんなケースにも当てはまる。



▼ 仕上げは寧耐

算数のテストで高得点を取ろうとすれば,粘りが大切だ。

全部を解き終わったからといって,のんびりしてたり机に突っ伏すのはダメ。

繰り返し確かめてみるのが大事。

あるいは,違うやり方で解いてみたり,自分の出した答えから逆算してみたりする。

そうして何度も繰り返して,過去の自分に問うてみる。

ホントにそれで正しいか?

別のやり方でもこの答えになるのか?

もっと違う考え方はないか?



▼ 最初は稚速で

しかし最初ッから寧耐でもいけない。

算数のテストでは,まずは全問にざっと目を通しておくのが良い。

全体を俯瞰するために,細部にはこだわらない。

なので,ちょっと考えてわからん問題は飛ばす。

当たり前だが,出来る問題はどんどんやっていく。

そうして俯瞰し終えたら,いろんなコトが見えてくる。

たとえば分からない問題に食い付く時間と,解けた問題の見直しに注ぐ時間を,残り時間から割り振ることができる。

わからん問題も,(知らないこと・苦手分野などで)全く解けそうにないのか,途中までは行けるか,解こうとすれば力づくで解けるが時間がかかるのかが,何となく感じられるようになる。



算数の道も人生に通じる・・・ということか?



「おはようございます」

病理部に新たに配属になったニューフェイス,テル先生の初出勤日。

「いろいろお世話になります」

現場のみんな一人一人への挨拶が清々しい。

「分からないことばっかなので教えてください」

その謙虚な姿勢ならば,みんなとうまくやっていける筈・・・・・

これで,この病院に常駐する病理医は,自分とアミ先生とテルさんの3名になる。

まぁようやく頭数がそろったというか体裁が整ったといえるか?

「これからよろしくお願いします」

手術検体の切り出しに立ち寄った外科医にも,挨拶に怠りないテルさん。

「うっひゃあ~~真面目ぇ」と思わず感想を漏らす某外科医クン。

確かに無愛想でぶっきらぼうな「シノ・アミ」コンビとは違う。

しっかり者のテル先生。



同じく病理部のニューフェイス,B技師。

定年後再雇用なので,実際にはオールドフェイスもいいとこだ。

故あってすったもんだの挙げ句に病理部配属になったため,一員としてうまく溶けこんでくれるかどうか・・・・・

なにしろ突っ張ったというか,とんがった所があるヒトなので,導入が肝心だ。

そのBさん,初日定刻になってもやって来ない。

主任さんに聞いてみると,「初日は休むらしい」とのこと。

連絡があったならええけど・・・・・ちょっと調子狂うなぁ。

そして一日遅れの初出勤。

朝ミーティングでの自己紹介が,Bさんの人柄をよく表している。

「隣(の検査部)に居ったモンです・・・・・知らんヒトばっかですが,以後お見知りおきを」

渡世人か?まったく・・・・・




シノ家の近くに動物病院が開業する。

すでに出来上がった看板には,でかでかと「年中無休」と書いてある。

なかなかやる気ありそうな病院だ。

その動物病院で思い出した,ずっと以前の大学院生時代の話。



検査会社からの病理標本を診断していた時のこと。

病理診断は乳ガンだと思うんだが,いつもの乳ガンと違って少し変わっている。

あまり診たことが無い腫瘍だった。

その患者さんは「鈴木チャーリー」というハーフのような名前。

なんと,年齢は4歳!

4歳にして乳ガンとは・・・・・あまりにも若すぎるし酷い!

ガンって残酷だ。

っと,人生の儚さに思いを馳せつつ,病院名を見てみると・・・

なんと!

「○○動物クリニック」

な~~んや・・・

ワンちゃんの乳ガンかよ。

どーりで見たこと無いわ。



では,この犬の乳ガン症例をして,我がラボ所属の病理の先生方は,どーゆーご診断をするんだろうか?

おもろいから,みんなに聞いてやれ・・・・・

っということで,近くの病理医の先生一人一人に標本を見せて,どう思うかと診断を聞いてまわった。

もちろん,犬であることは伏せてのことは言うまでもない。

すると・・・・・

「・・・ん~~,なんやこれ?」

「4歳の女児ですけど・・・」

「げっ?そんなに若いの?」

「そーなんです・・・難しすぎて自分にはわからんです」

・・・みんな,まんまと騙されて,あーだこーだと意見は出るモノの結論には至らない。



すると,その騒ぎを聞きつけた某えらい先生が,「ちょっと見せて」とお出ましだ。

これは想定外。

「マッズィ・・・」と思うも,いまさら引っ込みはつかぬ。

「どうぞ」と標本を手渡すと,「どれどれ」とか「ほー」とか「あーあれね」とか言いながら,熱心に標本をご覧になる大先生。

しばらくすると,「う~ん・・・この腫瘍は,AFIP(という英語の教科書)に書いてある○△×という腫瘍に似ていて,以前に診たことがある」と仰って,わざわざAFIPを紐解きながらの解説が始まった。

ちなみに,このAFIPはヒト腫瘍の教科書であり,犬猫の腫瘍は載っていない。

その解説を聞いている時間の長く感じられたこと!

「シノ君,結論出たら,症例報告でもしたらええよ。珍しいんじゃない?」と解説を締めくくる大先生。

・・・とーとー,これはヒトじゃなくって犬なんです,とは言い出せなかった。



病理診断をする際には,信頼できる臨床情報が不可欠だ。

コミュニケーションがしっかりしていないと,正しい判断が下せないのは,すべてのことに通じる。

その気になれば,簡単に誤診を誘導することが出来るのが怖いところ。