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『しのゼミ』

日常で出会った「気付き・笑い・学び」を綴っています

メトロポリタン美術館にて,
ピカソの絵に倒れかかって破損した人がいる。

ピカソと言えば,あの不世出なる天才画家。

ほとんど美術に興味がない自分でも,
ゴッホと辛うじて区別がつく程度には知っている。

その天才が残した,
時価100億円弱と言われるかけがえのない遺産。

アクシデントとはいえ,
これを破損するとはドえらいこっちゃ。

これが日本なら,
美術館館長をはじめ関係者総出で深々と頭を下げて陳謝→
破損者の家族や友人による「(破損者って)高校時代はおとなしい優等生だったのに,こんなことになるなんて・・・残念です」的なコメントが世間を賑わし→
今後は再発防止のためピカソの絵から半径2メートル以内には近づかないなどの内規作成・・・
などというよくある流れになるかもしれん。

このニュースに対する米国での反応を知るほどに詳しくはないが,
壊れた絵を修復する際の問題点に焦点を当てているNYタイムズの記事を読むと,
やっぱ米国やなぁ~と感じる。

日米文化の違いが見えておもしろい。



貴重なものを壊して,
どーしようもない立場に陥ることがある。

自分の場合もこれまでにいろいろ壊してきたが,
真っ先に思い出すことがある。

それは今から十年ほど前。

某大学で開かれた講習会にて,
細胞診の検鏡をしていた時のことだ。

20台ほどの顕微鏡が並んでいて,
それぞれに向かって受講者が座っている。

受講者それぞれに,
細胞診のプレパラートがまず一例ずつ手渡される,

プレパラートには,
教育的で貴重なる病原体とか癌細胞が乗っている。

それを3分間検鏡する。

へぇ~これがその細胞かぁ・・・と感じ入る間もなく,
「ハイ,次」と言われると,
プレパラートを右横のヒトに手渡さねばならぬ。

そうして新たなるプレパラートが左横のヒトからやってくる。

それを20回繰り返すと,
3分間検鏡X20例=1時間のセッションが終わる。

そんな1時間のセッションをほとんどぶっ続けで5つくらいこなす・・・・・

一日中顕微鏡見っぱなしの,けっこうヘビーな講習会だった。



講習会も半ば,
自分のところにやってきたプレパラートには珍しい虫が乗っていた。

滅多にお目にかからない代物だ。

へぇ~って感心してプレパラートを眺める自分。

プレパラートは二枚組だったので,
一枚を見終えてもう一枚のスライドに移った時にそれは起こった。

二枚目のプレパラートを見ていて,
ちょっと考え事をしていた時。

「ポキッ」

右肘から乾いて籠った音がした。

ん~っ?

音がした方を見遣った自分は,
そこにある光景に呼吸が4秒ほど停止した。

なんと,
プレパラート一枚目が真っ二つに割れている。

なんでおまえ割れてんねん!

ウソーなんでやねんなんでやねんなんでやねん・・・・・
はぁ~ワケ分からんし,
分かりたくもないし,
ハウカムハウカムなぜでしょう?

貴重なる細胞オン・ザ・プレパラートがブロークダウンという現実にパニクる自分。



エルボードロップにて稀少例標本を破損する。

顕微鏡右横に広げていたノートの上に,
一枚目のプレパラートを置いたのが悪かった。

二枚目の検鏡に集中するあまり,
ノートに片肘付いてしまったワケだ。

セッションが終わって担当の先生に謝りに行く。

取り返しのつかない失敗をなんとか挽回しようとする謝罪行為。

「いいよいいよ」と仰る担当先生の眼は,
少し哀しそうだ。

謝ったところで貴重例のプレパラートは戻ってこない。

ならば米国流にと,
破損プレパラートの修復法としてはA法とB法があり・・・
などといきなり言い出しても,
多分「謝れ!」と一喝のうえブン殴られるのがオチだろう。



形あるものが壊れるのは必定。

少しは,
ピカソの絵を傷つける不注意をも受容する寛容さを見習うべきかもしれない。

一方で,
メトロポリタン美術館でのアクシデントの後,
「うわっしまったぁゴメンな」
「こんなところに置いておいたのが悪かったのかもなぁ」
というような関係者たちのやりとりがあったかどうか,
興味がある(まぁ無いやろナ)。


先日の週末はセンター試験の監督業務に駆り出される。

所属部局に割り振られる3枠を5名で分担するので,
高い確率で担当せねばならぬ。

ここ数年,
この業務はほとんど年中行事のようになってきた気がする。

ところで,
このセンター試験のマスコミ報道に関して,
ずっと気になっていることがある。

それはICプレーヤー。

英語のリスニング試験で使用するICプレーヤーに不具合が発生する。

そのため受験生が再試験などの処置を受けることがある。

今年はICプレーヤーの不具合などで200名が再試験となり・・・
などという報道は誰しも耳にしたことだろう。

この報道も年中行事のようだ。



試験に不具合などあってはならぬことだが,
事情を考えれば無理からぬことに思える。

日本人の英語下手(特にリスニングや会話)は問題だ。

大学入試の英語にリスニング問題を取り入れることで,
日本の英語教育をもう少し会話あるいはリスニング重視にする。

ここまでは,
多くのヒトが総論賛成だろう。

そのために,
大学センター試験で2006年からリスニング問題が行われるようになった。

リスニング問題を出すには,
ネイティブがしゃべる英語を受験者に聞かせねばならぬ。

その方法としては,
我が国が採用したのがICプレーヤーだ。

iPodのようなイヤホン付きICプレーヤーが受験者各自に配られて,
録音された英語を聞きとらせる・・・という前代未聞なる方法。

考えてみれば,
ICプレーヤーってほとんど使い捨て同然なのでもったいない話だし,
運悪いと手渡されたICプレーヤーの電池が切れてそうな気がする。

けれども,
試験における不利益は少なそうだ。

学生時代に聞いた,
たとえば校内放送とか,
たとえば先生持参のカセットデッキ(古っ!)で流す英語は,
音が籠って聞き取りにくかった。

それにこんな昔ながらの方法だと,
教室の後ろの方は音が聞こえにくいとか,
隣のヒトのくしゃみのせいで聞き取りにくいとか,
なにかと不利益が生じやすい。

誰しも似た経験はあろうし,
想像に難くないだろう。

ICプレーヤーとはそんな不利益を最小限にする,
おそらく理想に近い方法なんだろう。

なので,
少ない確率で起こる不具合には目をつぶるべきと思うんだが・・・・・
どうなんだろう。

ってことで,
しのゼミでは街の声を聞いてみた(空耳で)。



▼教育ママの正論

あたくし,
リスニングの再試験なんて許しません!

不具合なんてアホ抜かすのも,
金輪際無しにしといてもらわんと困ります!

そもそも,
ICプレーヤーを試験会場に運び込み,
受験生各自に配り,
袋から取り出せだのボタンを押せだの問題に答えろだのいちいち指示するのは,
試験監督の先生でしょ?

だったら,
トラブった時も監督者からしっかりとその回避法を指示してもらわんと,
意味無いヮ。

トラブルの時の解決法は,
マニュアルにしっかり載ってるでしょ?

それをちゃーんと熟読して,
ちゃーんと理解して,
ちゃーんと暗記して,
ちゃーんと指示してもらえば,
再試験なんてありえんって思うけど。

単にマニュアルを読むだけなら,
ハッキリ言ってウチらでもできる!

裁判員制度ならぬ,
国民参加の「監督員制度」でも立ち上げる?

ウチら,
監督員なら喜んでやらしてもらいます!

最近じゃ,
試験監督中に居眠りする監督先生も居らっしゃるって言うじゃない?

監督されてる大学の先生さんも「仕分け」されんよう,
リスニングの監督くらいつつがなくやって欲しいヮ,
ホンマに。



▼某試験監督者のボヤキ

「ICプレーヤーでトラブル続出」って言い方は,
ちょっと扇情的すぎん?

なら自分でやってみー?って言いたい!

ちょっと考えてもみーって。

ICプレーヤーは,
この受験日に全国で50万個以上が配られるワケでしょ?

しかも,たかだか2千円程度の機器。

見て触ってみれば分かるけど,
けっこう安っぽくて頼りないんよ,
これが。

当たり前やけど,
2千円程度のものは,
2千円程度のもの。

50万個あれば,
不良品の100個や200個は混じっているのが常識ちゃう?

こういう大量かつ安価なものを試験会場に持ち込んで,
「ハイ,今からICプレーヤーを配ります」とか
「じゃあ袋から取り出して」とか
「絶縁シートを引き抜いて」とか
「次にイヤホンを根元まで差し入れて」・・・
な~んてごちゃごちゃやってるワケ。

そりゃ不具合とか操作ミスが起こりまっせ,
ホンマに。

よくもまぁ2~300件程度の再試験で済んでるなぁ・・・
って思うけど。



▼元・官僚の回想

この報道は耳が痛いです。

チクチクいじめられてる気分です。

私が天下り先の大学入試センターで,
英語リスニング担当をしていました時・・・
そう,
あれは今からちょうど5年くらい前。

確かに業務上の小さなミスを犯しました。

当時,ICプレーヤー導入の是非に質問が及んだ時,

「メーカーが出荷前に一台ごとに振動検査を行い,電池も新品を入れているため,途中でICプレーヤーが動かなくなる事態は考えられません」

とか

「ICプレーヤーは腰の高さから落として動作を確認しており,故障はまずありません」

とか,

深い洞察無しに,
反射的に答弁が出てしまいました。

正直に言います。

ちょっと言い過ぎました・・・・・

50万個のICプレーヤーの不具合ゼロなんて,
そんなありえない状況を迂闊にも保証するかのような発言と取られてしまいました。

「例外はあるものの・・・」などの一文挿入を怠ってしまったワケです。

この件では,
当時の小坂文科相に謝罪までして頂き,
申し訳ない限りです。

国民の皆様は,
こんな経緯をもうほとんどお忘れかと思いますが・・・・・,
しかしマスコミさんはお忘れでないらしい。

仕方ありません。

霞ヶ関文学をまた一から学び直します。

そうして時間とともにこのミスが社会的に風化するのを耐えて待つ所存です。


昨年末の話だが,
長男いっ君(中一)の所属する吹奏楽部の(中高合同)演奏会が催された。

せっかくなので,
シノ家一同に加えて友人親子の総勢7名にて,
某コンサートホールに向かう。

いっ君の演奏を聴くのはこれが2回目。

前回は中学校説明会かなにかだったが,
ハッキリ言ってヒドイものだった。

ほとんど素人である一年生のみによる演奏。

あちこちでピーとかブーとか異音が聞こえる。

それにチューバという縁の下の力持ち的な楽器担当なため,
いっ君の出す音は目立たず姿も隠されがち。

果して今回はいかがなもんだろう?



▼このホールは・・・

初訪問になるが,
演奏する「場」としては最高の環境だ。

ホールの入口から玄関にかけては,
美術館かと見紛うほど洒落ている。

近日の行事日程を見ると,
地元の団体や高校・大学の演奏会に混じって,
有名どころのクラシック演奏も予定されている。

ホールの中に入る。

中空で真っ四角な作り。

ステージから見て向こう正面2Fの2列目に席を陣取る。

空席が程なくして埋まり,
収容人数1000名程度のホールがほぼ満席な状態になる。

ちなみにホール内では携帯電話は圏外になる。

演奏が始まる。

最初の方の演目に,
パイプオルガンの演奏が入っている。

真正面ステージ後方上段に据えられた,
バカでっかい鍵盤楽器。

実は生パイプオルガンを聞くのは,
これが初めてだ。

それにしても,なんと贅沢な楽器なのだろう。

たった一台の楽器があんなに大きいなんて・・・・・
過剰なる大らかさ?。

自分的には,
宇宙戦艦ヤマトの彗星帝国のテーマを弾いてみたい・・・
と思う。

演奏会途中で退席してトイレに行く。

すると,
暗くなった足元を係員のおねーさんが照らしてくれる。

席に戻ろうとすると,
演奏中にはそのおねーさんがホール内に入れてくれない。

・・・これらはクラシックコンサートでは当たり前かもしれないが,
いっ君コンサートには過剰包装的にも映る。

しかし,
何事も「形」が大事。

バナナを食するんだけれどナイフ&フォークを使うような,
近くのコンビニに買い出しに行くんだけれど着飾るような・・・・・

そういう「形」や「場」にこだわることが,
ヒトを一段と高めてくれることがある。



▼真打登場・・・

隣に座るちーとみーは,
最初の頃は珍しがって演奏を聴いているが,
直に飽きてくる。

兄の姿を探すが,
なかなかステージには現れない。

兄の出番は演奏される十数曲中たった二回とのことで,
しかも後の方。

しばらくすると,
我慢が足りなくなる。

演奏が終わるごとに
「ねぇ~,おにーちゃん,まだ?」
と聞いてくる。

小さな二人にとって,
吹奏楽は華やかだが興味は湧かないようだ。

とうとうチューバを抱いた兄が出てくる。

曲はコンクールで発表した演目であり,
前回の発表会では先輩たちが演奏していたもの。

いっ君が部屋でよく聞いている,
シノ家ではおなじみの曲だ。

顧問の先生の指揮で演奏が始まる。

演奏自体はまずまずの出来か。

大きなミスはなく,
高校の演奏よりも良かったとの意見も聞いた。

しかしよく見ていると,
先輩たちが吹いているのに,
いっ君は休んでいることが多い。

まだ完全にはマスターしていないと言うべきか,
不完全ながらもマスターしてると表現すべきか・・・・・

そんな今一歩で何かが足りない演奏会だった。


空手で検索して,たまたま見つけた動画。

シノ家みんなで,何度も笑いころげた。

特に「天井蹴り」とか「ピョコピョコ蹴り」などと呼びたくなるような蹴り技がキュートだ。

たとえばスーパー空手とでも名付けて,新競技として立ちあげたらどうだろう?

ちなみに武道が何たるかを少し教えてあげたいが・・・・・まぁこんなのも良かろう。





▼ たとえばコンピューター特にネット環境では,
本人確認を求められることが多い。

何かのサービスを受けたい場合,
まずログイン画面が出てくる。

そこで入力するID/パスワードに間違いなければ,
求める画面に移動することが許される。

この本人確認の方法に,
生体認証が取り入れられつつある。

あらかじめ登録した自分の体の一部を読み取って,
本人確認をする。

古くは指紋が知られているが,
今では指静脈による方法なども用いられる。



▼ もうすぐ病院の電子カルテシステムが更新になる。

今度のシステム更新では,
電子カルテにアクセスする際の認証方法が,
ID/パスワード法から指静脈による生体認証に変わる。

まず自分の指静脈を登録するため,
医療情報室に行ってみる。

医療情報の部屋の一角に設けられた登録所には,
更新後の新しい電子カルテ端末が置いてある。

そのコンピューターにマウスが付いているのは今まで通りだが,
ちょうどマウスと同じくらいの大きさで,
中空になっている装置が新たにつながっている。

どうやらこれが指静脈の読みとり機らしい。

「じゃあ中指を入れてください」

登録担当の職員さんの言うがままに,
その読みとり機に中指を突っ込む。

「ハイ,終わりました」

瞬時に指静脈の読み取りと登録が終わったらしい。

「じゃあ,新しい電子カルテでチェックしますね・・・・・
まずはログイン画面にIDを入力してください」

通常通りIDを入力する。

「次に,指を入れてください」

再び読みとり機に中指を入れる。

すると,
瞬時に反応して,
画面は電子カルテに移行する。

「ハイ,動作確認が終わりました,お疲れ様でした」

なんか新しいモノに触れてうれしくなる。



▼ 今度の生体認証システムは,
ログイン画面でIDを入れるまでは今までと同じだが,
その後が違う。

パスワード入力のタイミングで,
指静脈の認証を受ける。

ブッチャケ,
パスワード入力という一手間が,
指静脈読み取りに変わるというだけの話だ。

まぁそんなに大きく変わるワケではない。

う~~~~ん・・・・・・

生体認証はあったらあったでええんやろうし,
苦労されてる医療情報の関係者さんの手前,
無遠慮な発言は慎みたいが・・・・・

そこまでする?

と思ったりしてしまうが・・・・・
どうなんだろう?



▼ いまでは,
銀行のATMにおける本人確認にも導入され始めていると聞く。

個人的には,
クレジットカードの本人確認としての普及を望みたい。