EX予約サービスのナゾな余計 その三 | 『しのゼミ』

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日常で出会った「気付き・笑い・学び」を綴っています

さて、新幹線乗車当日。

改札に辿り着くと、その横にEX予約専用発券機を発見する。

そういう目で見れば、この発券機はたくさん設置してある。

それに加えて、通常の券売機も、EX予約用発券(正確にはe特急券サービス)に利用できるようだ。

そういう目で見ると、それにしても・・・・・あり過ぎちゃう、発券機?

余計なことだが、需要と供給のバランスが崩れているのでは・・・と心配をしてしまうくらいの多さ、と言ったらいいか。

思い返しても、この専用発券機に列をなす光景は、あまり記憶にない(と言っても、東京の事情は知らんので、少なくともうちらの地域では、と付け加えておこう)。

これを、発券機が多すぎと見るか?使うヒトが少ないと見るか?悩むところだ。

とにかくこれは、今後このサービスで押していきたい!というJRグループの意気込みなのか?

あるいは、華々しかった花火の残像なのか?

いずれにせよ、この発券機の「見た目」的な多さも、ナゾの余計さに映る。



さていよいよEX-ICカードを右手に、多くのEX-IC発券機を後目に、改札に挑む。

初回はやはり、チケットレスを試すことにする。

少し緊張してEX-ICカードを改札機にかざす。

すると、カシャッと改札機の扉が反応し開く。

そして改札を通過し・・・・・

何ごとも起こらず通過完了。

お~

けっこうええやん!

っていい気になっていた瞬間、「お客さん!」と駅員から声がかかる。

「えっ、何かやらかした、オレ?」と後ろを振り返る。

すると駅員は、紙を片手にニコニコしている。

どうやら、改札時に「ご利用票」というのが出てくるんだが、それを取り忘れてしまったようだ。

案内で読み漏らしていたが、このサービスでは受け取ったご利用票で、車両や座席番号などを確認するシステムになっている。

考えてみれば当然だが、このままだと座席情報がわからない。

それを乗客に知らせるには、やはり改札で紙情報を渡すのがやりやすい。

乗務員による検札も、紙情報があったほうが都合が良い。

結局このサービス、カッコよくチケットレスを謳っても、チケットのような紙が必要になるってことなんだ!



ナルホド!って妙に納得しつつ、う~~ん?と首を傾げ、また混乱してしまう。

これって、チケットレスで入場して、チケットを受け取るってこと?

え~~~っと・・・・

そもそもこのサービス、何が目的なんだろう?

チケットレス?それともユーザーフレンドリー?

残念ながら、それらに成功しているようには見えない。

チケットはけっきょく要るんだし、システムが複合なため説明が難解すぎてついていけない。

キャッシュレスという点でははうまくいったが、JR側にとってそれが目的とは思えない。

それにユーザー側のみでなく、JR側にとってもメリットは少ない気がする。

発券機設置・維持費はバカにならないように思うし、紙代(チケット)などの消耗品費もそれほど減らないとなると、じゃあ人件費が浮くのか?

しかし、自分のような不馴れなものを改札で見張るヒトが必要になるため、けっきょく人件費もあまり変わらんような気がする。

っとすると、何のため?

ホワット パーパス?

・・・・・ワケが分からなくなる。

それに、これじゃあEX-ICカードの存在が揺らぐ気がする。

これって、チケットレスサービスのために、チケットをどうぞ、って言われてるようなもんでしょ?

苦労して立ち上げて工夫して付け加えて、結局振り出しに戻る、みたいだ。

何が気に入らないって、チケットレスサービスでは、チケットがあってはいけないんだ、自分的には!

それなら余計なコトせず、昔ながらのチケットのままにしとけば良かったやん!って思う。



あれこれ難癖をつけてJRグループに挑んだものの、やはりこれは可能性を秘めた先進的サービスだ。

しかし、今のままだとマズイように思う。

問題点を整理してみよう。

このEX-ICサービスでは、ネットでの予約に問題はない。

便利だし、席まで指定できるのも良い。

あまりお得感がないのはやる気の問題だし、ETCやe特急券サービスは問題の本質ではない。

問題だと思うのは、結局チケットレスになりきれていないコトだ。

現状では、EX-ICカードを使って、改札前にチケットを受け取るか、改札後にチケット「もどき」を受け取るか(ご利用票と名前を変えているが、これは紛れもないチケットそのものだ!)、というサービスになっている。

細かく見れば、このシステム技術はスゴイことなんだろうが、大きく見ると、乗車チケットを貰うためにややこしいことしてるだけ、とならないか?

うまく手を打たないと、このEX-ICサービスそのものがナゾな余計、という最悪の結論になってしまいそうな気がする。

では、どうすればいいか?

基本的に方略の問題だと思うんだが、サービスの方向が少し散漫なように個人的には感じる(あるいはまだ成熟途上、と見るべきなのか?)。

自分が考えるこのサービスの改善点は、まず、カード数は出来る限り少なく(やはり一枚に!)する。

それがIDカードのような役割を成して、改札はそのカードの通過を認識するようなシステムに変える。

そうすれば、どこへなりとも一枚のカードでチケットレスで行ける!

まぁこれはほとんど素人の夢物語なんだが、とにかくもっとチケットレスにこだわった改善をしてくれたらおもしろいのに、と思ってしまうが・・・・・どうだろう?