近くの市中病院で病理技師をしているノコさん。
先日の夕方にニコニコしながら我が病院病理部に遊びに来てくれた。
業務が終わって疲労漂う病理部に,
まるで頼んでいないサンタクロースのように現れたノコさん。
「・・・いろいろお世話になりました」
「・・・ゼッタイダメやんって思ってたけど」
「・・・ありがとうございました」
皆に笑顔を配って廻っている。
どうやら彼女,
細胞診スクリーナーの試験に受かったようだ。
一年に一回の細胞診スクリーナー試験。
これにパスして得られる細胞診スクリーナーの資格は,
病理技師なら多くのヒトが持っている「身分証明書」と言えるか。
この試験には皆が苦労する。
なにしろ仕事と勉強の両立が難しく,
取得に数年を費やしたり脱落したりするヒトも多い。
それを志したノコさん。
昨年は初挑戦で「一次合格,二次失敗」に終わった。
今年は二次試験の検鏡対策が大事になる。
試験前には,
仕事が終わってからワザワザ我が病院病理にまで足繁く通ってくる。
そして夜中まで検鏡・検鏡。
あるいは週末にも我が病理部にやって来る。
そして,検鏡・検鏡・検鏡だ。
並々ならぬ気合いが伝わってくる。
こんだけやってれば,まぁエエんちゃう?って思ったけれど。
余計なコトは言わず,はるか彼方から応援させてもらっていた。
「シノ先生,お世話になりました」
自分のところにも報告に来てくれる。
「受かりました~,良かったです」
「まぁこれからが大事やねん」
「ハイ」
「あんたはまだ自動車免許取り立てやから,
危なっかしくて見てられへんっちゅーことや」
「ハイ」
「独り立ちにはあと何年もかかるからな,
勉強これで終わりちゃうぞ」
ありきたりのメッセージを述べて,
彼女を送り出す。
必死になって一生懸命やれば,
いつかはパスすることができる。
資格試験なんてそんなもんだ。
一番大事なのは,
なりたいって思うこと。
この経験は,
今後の彼女の人生において,
大きな意味を持つに違いない。
よかったな,ノコさん。