ちょっと前に一緒に働いてたK子が,転勤先にて非常に微妙な立場にあると聞かされた。
具体的に言えば,あたしこの職場では自分の力が発揮できないと思います,そんなことシャーシャーと言われても困るんだなココにはココのやり方があるんだから・・・ってな感じ。
ある程度の忠誠と服従を求める中間管理職と,理解されないことに不満が募る労働者。
すでに,もー辞めさせてもらいます,どーぞどーぞ,という,ある意味「円満解決に向かってまっしぐら」フェーズに突入しているのかもしれん。
ここまで拗れるにはいろいろあったんだろうが,こんな手がつけられない状態にまでなるとは思いもしなかった。
確かに転勤する際に,転勤先の友人(今のK子の上司)に「K子ってどーやねん?」と聞かれて「まぁけっこうがんばるし良い子やと思うよ」と太鼓判のようなものを押した記憶がある。
与えられた仕事は,自分なりに工夫してこなす。
いちおう和の精神があり,組織の一員としてふるまう。
時と場合によっては,自分の考えを主張する。
・・・実際に自分たちと働いていた時には,こんなふうに普通に常識を備えた子だった。
そりゃ視野がちょっと狭いし,好き嫌いが目に付くし,それなりに強情なところがあるにはあった。
でも,それは人間やから無くて七癖やし,許容範囲というか個性と思っていた。
特に飛び抜けておかしー印象はなかったし,自分が評すればやっぱ「がんばる良い子」。
「シノって,ヒト見る目ねーんちゃう?」といきなり急所を一撃してくるその友人。
「いちおう頑張ってたように見えたけどなぁ,K子って」と平静を装いつつ,心中は穏やかではない自分。
「K子ってプライドは人一倍高いし,まったく素直やないし,ヒトの言うこと全然聞かへんし」
「そんなんじゃなかったけど・・・以前は」
「でもこれは今じゃ衆目の一致する意見やねん」
「そーかなぁ・・・」
「み~んながそう言ってんねん,あの子は計算高いっちゅーか腹黒いっちゅーか」
でもそれは職場環境が悪いんかもしれん・・・っと一つの可能性に言及してやろうかと思うが踏みとどまる。
これ以上,K子問題に悩む友人との関係を拗らせたくない。
よくよく思い出せば当時においても,自分たちの周りでのK子評は割れていた気がする。
自分はどちらかと言えば「K子ってまあまあやん」派だったが,確かに「K子なんて最低」派が少なくとも二人いた。
その少数派が当時主張したことには,「機器も使いっぱなしやりっぱなしで後片付けしーひんし」とか「相談なく勝手に判断してやりよるし,注意しても聞く耳持ってへんし」とか「誰かがガツーンって言い聞かせなアカンわ,あの子」とか。
転勤間際に,最も辛辣だった強硬派が「今後もK子と一緒に働けって言われたら,とっとと自分が辞めるわ」とつぶやいたこともある。
もうちょっと仲良くできんのか,血気盛んやのー・・・と当時は思ったもんだが,それが今や多数派を占めるということは,彼らの言い分にも一理あったと言うべきか,隠れてたK子の本性が花開いたと言うべきか,それとも転勤先の雰囲気がK子に合わないだけなのか?
総合すると,きっとどれも少しずつ正しいのだろう,多分。
ヒトの見た目って難しい。
特にこんなことがあると,「ヒトを見る目」に自信が無くなってくる。
しかし考えてみれば,そこには多数意見はあるが,正解は無い。
それにハッキリとした王道はなく,無意識に左右されがちだ。
こんなヒトとお近づきになりたいな~って思って近づいていくとガブリと噛まれたり,こいつだけはイヤ!と思ってた輩と数年来の親密な付き合いをすることになったり,見た目スゴイと思ってたヒトが意外にたいしたことなかったり,こりゃダメだと思ってた奴が途端に生まれ変わったりするのは,よくある話じゃなかろうか?
だったらば,意識して少し甘くしてあげるのがコツなんだろう。
「見る目ないやん」と言われるくらいが丁度いいのかもしれん。