絵具の定石 | 『しのゼミ』

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日常で出会った「気付き・笑い・学び」を綴っています

長男いっ君(中一)の宿題が終わらない。

残った宿題は,技術・美術・読書感想文・理科・・・・・要はイヤなもんはやってない。

今日は美術の火の用心の啓発ポスター書き。

ポスター・ネタをどこからか手に入れてきたいっ君。

デザインを簡単に言えば,画用紙左側が森の一軒家で,右半分にはそれらが燃えた後・・・という構図。

色使いは,向かって左(森の一軒家)は緑と薄茶が基調なのに対して,右(燃えた後)は黒と赤が基調。

っで最後に,真ん中に横書きで「火の恐ろしさ」と大書して終わり。

絶対どっかで見たことあるよなぁ・・っていうか,誰かの写してるよなぁ・・・っていうか・・・・・まぁこの手のポスターでよくあるデザインだ。



「はぁ~メンドクセーなー,もう」

とにかくやる気がないいっ君。

簡単に鉛筆でデッサンしてある状態では,そんなに悪くはないポスター。

じゃあ・・・ということで,水性絵具で色塗りの段階になると,こりゃもう見ちゃおれん。

無計画に簡単なものから塗っていくので,右側の枯れ木をまず黒に塗り終える。

次に右側の赤い背景・・・と,ドギツイ色から塗っていく。

次にようやく薄茶や緑のやさしい色で,左側の家や木の幹やらを塗っていく。

そうすると賢明なる諸氏なら容易に想像できるんだろうが,左右の境界部分に問題が発生する。

本来はやさしい薄茶色が,境界部ではヘンに黒っぽくなっている。

黒との境界を薄い色で塗ったので,黒が染みている。

黒はすべての色に勝る。

なので黒や赤のドギツイ色塗りは,なるべく後にする。

・・・それは水性絵具の定石だ。



背景を何とか塗り終え,最後に黄色で「火の恐ろしさ」と書く。

ここで重大な間違いに気づくいっ君。

最初のデッサンの段階で送り仮名を間違えて,なんと「恐しさ」になっている。

「アッチャー,どうしよう・・・」と困るいっ君。

「う~~~ん・・・」と言われて気づく父 (ナサケナ)

二人一緒にしばし悩む。

「こわさ」にしたらと思いつくが,残念ながら「恐さ」となって今度は「し」が邪魔だ。

しょうがない・・・・・

無理やり「恐しさ」の「恐」と「し」の間に「ろ」を黄色でねじ込んでみる。

字と字の間隔がヘンになるが,間違っているよりまだマシか。

しかし,ここでもまた黒が邪魔をする。

運が悪いことに,「ろ」を書き入れた当にその場所に,すでに黒色がふんだんに塗ってある。

なので黄色で上塗りしても黒くボケる。

強く塗ったら塗ったで,下の黒が染みてくる。

黒はすべての色に勝る。

なので黒の上に薄い色を上塗りすることは難しい。

・・・それも水性絵具の定石だ。



  火 の 恐し さ

こんなふうに間抜けに書かれ,しかも「ろ」が黒染みて読みにくいポスターが出来上がる。

「まぁ~これでええわ・・・」と,いちおう出来に不満そうないっ君。

「こんなんじゃ・・・努力賞ももらえんことは確実やなぁ」とあきれる父。

「そんでもええねん・・・・・アレ?黒色の絵具がもう無いやん」

見れば,黒の絵具の減りだけが極端に早い。

クレヨンでも当てはまるが,こういう手合いは絵心がない。

・・・これも水性絵具の定石か?