Yさんの就職活動その3 | 『しのゼミ』

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日常で出会った「気付き・笑い・学び」を綴っています

外勤でお世話になっている市中病院へ伺った際に,

検査技師長さんを捕まえて,

今年度の技師さんの人員配置・補充計画などについて聞き取り調査を行ってみた.

技師長さんの空いた時間を見計らって,

「・・・っというワケで技師長さん,ヒト探してませんかね?」と聞いたところ,

「探してます.うちはこの春に2人が産休で抜けるので,誰かおらんかと思ってました」

・・・・・これはいけそうか?・・・・・

「条件としては,やっぱパートですかね?」

「そうなります・・・パートでよければすぐに来て欲しいですけどね・・・」

「常勤はどうですか?」

「シノ先生,すぐに常勤は無理です.今時常勤枠を増やすような病院はこの界隈にはないですね・・・」

「仕事の内容は?」

「最初は心電図あたりから始めてもらって,本人のやる気次第で心エコーや・・・」

・・・・・はぁ~やっぱり・・・・・



若手技師で職探し中のYさんであるが,

その就職活動状況は氷河期と形容してもよく,

未だ内定には程遠い状況である.

氷河期って表現するのは少し言いすぎなんだけども・・・・・

正確に言えば,仕事内容が「病理」と限定すると,

なかなか就職先は見えてこないという状況.



別に仕事内容にこだわらなければ,常勤への道もないではない.

たとえば「生理検査」を担当してくれる女性技師さんを望む病院は少なくない.

しかしとうの本人のYさんが,「生理はいやで病理」ときている.

とりあえず最初は生理でやってみてそれから病理に・・・・という懐柔案にも決して首をタテに振らない.

Yさん本人もなかなかというか相当頑固である.



そんなYさんは年度が替わって現在は大学の実験助手となった.

最初は,実験的雑用的な瑣末なことの手伝いが仕事となる.

いろいろややこしいことが起こるので,病理部のルーチーンからは完全に外れている.

気心知れたYさんなので,こちらもいろいろ気楽に頼むことができて,午後3時ころまではあれやこれやの雑用をこなす.

午後3時以降は,細胞診標本を見たり勝手に薄切や染色をしたり好きなことをしたりで,夜の8時過ぎまで居残っている.

傍で見ていると随分と楽しそうである.



こちらもYさんがいてくれてありがたいし,Yさん本人も楽しそうなので,薄給で不安定な非常勤なんだけどしばらくはこんなんでもいいのかなぁ・・・・・とふと思ってしまう.

これまでは,絶対に常勤職をあてがってあげなきゃいけないし,それが本人のためだと信じてきた.

非常勤なんて薄給で不安定なポジションは,短期的には楽しいかもしれないが,長続きはしまい・・・・・・・・

しかし,たとえ非常勤であっても肝心の「働き甲斐」を感じることができる職場の方がいいという考えもあろう.

今現在の働く環境が充実しそれに満足していれば,しばらくはこれでもいいのかもしれない.

「常勤=安定=正しい」という図式は,なんだか昔ながらの古い価値観をYさんに押し付けているようにも思えてくる.

ヒトの価値観・人生観・幸福感なんて千差万別であり,もう少しYさんの価値観に基づいた意向などを汲んであげる必要があろうか・・・.



ってな感じで,斡旋者(=シノ)の方針は揺らぎぐらついているが,

とうの本人は将来は不安だけども楽しければこのまま非常勤でもいいじゃん・・・というなんとなく軽い発想(もっと真剣に重~く考えてくれよなー)であり,

なんだか混沌としてきたYさんの就職戦線.

いったいどうなることやら.