予期せぬことが起こって,びっくりして「頭が真っ白!」になってしまう・・・これをはじめて経験したのは米国留学のときである.
自分の留学先は,胸を張って自慢できるような大学とか研究所ではなく,ほんとに寂れた大学であった.
そんな所だったが,だいたい7時過ぎ頃に研究室に着いて,夕の6時頃まではしっかり働くようなまじめな研究生活を送っていた.
一般に米国では,ハードワークするならばどちらかと言えば朝型のヒトが多いので,7時過ぎと言ってもそんなに早い出勤ではない.
しかし,この寂れた大学では,7時出勤はかなり早い方であった.
ある朝のこと.
いつものように研究室へは一番乗りで,研究室のドアの鍵を開けようとすると・・・・・
ドアの窓が直径15㎝ほど割られていた.
割られたドア窓から,まだ暗い研究室内が覗き見える.
「あれっ・・・?」
・・・・・頭,まっしろ・・・・・
・・・ガラスが割れてる・・・
・・・なぜだろう?・・・
・?・?・?・?・?・?・?・
・・・割れたガラスには血がついてる・・・
・・・なんじゃこりゃ?・・・
・?・?・?・?・?・?・?・
割れたドア窓を前にして,頭が真っ白のまま立ち尽くしていた.
・・・これって,ひょっとしてどろぼう?・・・
・・・今アメリカにいるんだっけ?・・・
・・・だとすれば,どろぼうはピストル持ってるかも・・・
・・・ひょっとして,ピストルを持ったどろぼうがまだ室内にいるかも・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・
「ぐわぁ~」と言ってすぐに逃げ出した・・・つもりだったが,どう考えてもドア前に30秒くらいはボケーっと突っ立っていたと思われる.
結局は研究室内の共有PCが盗まれており,物盗りの仕業であった.
犯人はドアのガラスをパンチでぶち割って,中から鍵をこじ開け,PCを持ち去った模様.
割れたガラスに付いた血痕が,この犯行の荒々しさを物語る.
血痕はしっかり固まっており,少なくとも数時間前(真夜中?)の犯行と思われた.
犯人はあまり頭がよさそうに思えない(手が痛かったろうに・・・)が,明らかに自分たちの部屋のPCを狙っての犯行であり,内部事情に通じたものが絡んでるし・・・,物盗りがいるかもしれない部屋の前にボケーっと突っ立っているし・・・
今から思い返しても,ホントに背筋が凍る思いがする.