ゲーム依存は、ゲームが引き起こすんじゃない | 家庭を子どものBASEに 佐伯和也公式ブログ

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子どもが思う存分遊ぶ(ゲーム含む)ことで、知的好奇心が育ち、それが勉強にも繋がっていく

今日の記事は、子どものゲームに悩んでいる親にとって、めちゃくちゃ重要なことを書いています。

 

ここがすんなり理解できるかどうかは分からんけど、

 

「ゲームをしている子どもを認めよう」

 

っていうのは、今日ここに書いてあるようなことを

 

"腹落ちさせて"

 

理解することです。

 

 

 

 

 

ゲームする子どもの親が心配なことの1つは、

 

「ゲーム依存症」

 

だと思います。

 

 

 

「うちの子が、ゲーム依存症にならないだろうか」

 

「うちの子は、ゲーム依存症なんじゃないだろうか」

 

ってやつね。

 

 

 

ゲームには、たしかに

 

『依存症』

 

という状態があります。

 

 

 

スマホにもある。

 

動画にもある。

 

 

 

ただ、僕らが大きく勘違いしてしまうのは、

 

「その依存症は、ゲーム自体が引き起こすものだ」

 

っていうものです。

 

 

 

これが間違いだということは、ほんの少し考えたらすぐに分かります。

 

もしも、

 

「ゲーム自体に依存症を引き起こす要素がある」

 

としますよね。

 

 

 

もしそうなら、

 

「ゲームをしている人は、漏れなく中毒症状を示していないといけない」

 

ってことです。

 

 

 

例えば、お酒。

 

アルコールには、それ自体に酔いを引き起こす要素がありますよね。

 

だから、酔いに強い弱いっていうのはあるんだけど、お酒を多量に飲めば、確実に酔います。

 

 

 

でも、ゲームは、

 

「ゲームに対して、中毒症状を示す人」

 

もいれば、

 

「ゲームと上手く付き合っている人」

 

もいるわけですし、

 

「ゲームで遊んでみたけれど、あんまり楽しくなくてすぐにやめちゃった人」

 

ってのもいると思います。

 

 

 

「ゲーム自体が持っている中毒症状を引き起こす要素が弱いんだ」

 

っていう話は、

 

「ゲームしているのを母親に邪魔されて、母親を殺した人」

 

や、

 

「ゲームをし続けていたくて、トイレに行くのもめんどくさくなって、おしっこはペットボトルにする」(ボトラーって言うらしい)

 

や、

 

「ゲームをぶっ通しで72時間やって、死んだ人」

 

なんかもいます。

 

 

 

だから、中毒症状を引き起こすとなれば、ゲームでもかなり危険な状態になることもあるから、

 

「(もし、あるとすれば)ゲーム自体が持っている依存症の原因は、決して弱いものではない」

 

って言えると思います。

 

 

 

 

 

つまり、ゲーム自体に依存症の原因があるとしたら、それは決して

 

「その原因の作用が弱いから、上手く付き合える人と、そうでない人がいる」

 

ってわけではない、っていうことが分かります。

 

 

 

むしろ、それはかなり強い。

 

でも、ゲームと上手く付き合える人(=ゲーム以外の活動と両立できている)と、ゲームのやり過ぎて、人生や、社会生活が破綻していく人もいる。

 

 

 

じゃあ、

 

「ゲームが持っている依存症の原因に対して、抵抗が強い人と、弱い人がいる」

 

って考えることができると思います。

 

 

 

ゲーム自体は、誰がやろうとも、その姿や、内容が変わるわけではありません。

 

ゲームは誰に対しても公平で、同じ体験を提供します。

 

その体験をどう感じるかは、人によって大きく異なりますが。

 

 

 

なので、

 

「その依存症の原因を強く感じる人と、弱く感じる人がいるのではないか」

 

ってところに行き着くと思います。

 

 

 

「ゲーム自体に違いは無いなら、ゲームをする人間側に違いがあるのではないか」

 

って話になります。

 

 

 

じゃあ、

 

「その違いとは、一体なんだ?」

 

って話ですよ。

 

 

 

「ゲーム依存への抵抗が強い人と、弱い人がいる」

 

って考えたら、

 

強い人 ⇒ ゲームと出会ってから今まで、ずっと一定のゲーム付き合いの頻度を保っている

 

弱い人 ⇒ ゲームと出会ってから今まで、ずっとゲーム依存になっている

 

ってなっていないといけません。

 

 

 

お酒で言えば、お酒に強い人と、弱い人がいますよね。

 

お酒に強い人が、ある時からお酒に弱くなったり、

 

お酒に弱い人が、ある時からお酒に強くなったり、

 

はしません。

 

お酒の強さはどうも、年齢や、遺伝的な要素が大きいみたいで、飲み続けて慣れてくる部分はあるようですが、基本的なアルコール分解能力は先天的にある程度決まっているようです。

 

 

 

じゃあ、ゲームも同じように、

 

「ゲームへのハマり方は、基本的に同じなのか」

 

って言われると、ゲームには、

 

・ハマるゲームと、ハマらないゲーム

 

・ゲームにハマる時期と、ハマらない時期

 

があります。

 

 

 

そして、さっきも書いたように、

 

「ゲーム自体に、依存症の原因があるわけではなさそう」

 

っていう話です。

 

 

 

しかも、お酒とは違って、

 

「ゲーム依存への耐性のようなものは、流動的なものだ」

 

って言えると思います。

 

 

 

 

 

そうやって考えていった時にたどり着いた答えが、

 

「家族との関係」

 

「社会との繋がり」

 

でした。

 

 

 

つまり、

 

「家族との関係が良くない」

 

すなわち、

 

「親から否定的な態度で関わられる」

 

と、

 

「ゲーム依存になりやすい」

 

ってこと。

 

 

 

そして、子どもがゲームする時には、

 

「人や、社会との繋がりを求めている」

 

ってことです。

 

 

 

もっと言えば、子どもであっても、大人であっても、ゲームをしようとも、しなくても、

 

「家族や、身近な人からの共感的、肯定的な態度を求めている」

 

し、

 

「共感し合える人や、社会との繋がりを求めている」

 

っていうことです。

 

 

 

だから、これらが不足していくと、その繋がりの代用として、

 

「ゲーム」

 

を求めます。

 

 

 

ゲームなら、

 

「いつでも自分の都合で相手をしてくれる」

 

し、

 

「いつでも自分をノージャッジで受け容れてくれる」

 

ってことです。

 

 

 

そして、今の時代なら、オンラインに繋がっていることも多いので、

 

「人や、社会とも繋がれる」

 

んです。

 

 

 

つまり。

 

 

 

めちゃくちゃ簡単に言えば、

 

「親が、ゲームを否定すればするほど、子どもはゲーム依存症に近づいていく」

 

っていうことです。

 

 

 

言い方を変えれば、

 

「親が、ゲームを怖れれば怖れれうほど、その怖れが現実のものとなり、子どもがゲーム依存症に近づいていく」

 

っていうこと。

 

 

 

ほんで、

 

「子どもをゲーム依存症にさせない」

 

ためには、親自身が、

 

「ゲームは悪くないし、怖くない」

 

っていうのを

 

「知り、受け容れる勇気を持つ」

 

っていうことです。

 

 

 

そして、その勇気を持てた時、子どもが行き着くのは

 

「ゲームをしなくなる」

 

ではなくて、

 

「ゲームもするし、他のこともする」

 

っていう感じです。

 

 

 

僕の記事を読んで、

 

「子どもは、嫌なことがあるから、目を背けたいことがあるから、その逃げ場として、ゲームを使っているんだ!」

 

って思ったんだとしたら、それは大きな勘違いをしています。

 

 

 

子どもは、

 

自分の楽しみや、将来のために勉強をするように、

 

友達と楽しい時間を過ごし、大切な思い出をたくさん作って、友達との関係を深めていくように、

 

親からの愛を感じ、自分を信じて、強く生きていくように成長していくように、

 

そういう感じで、ゲームと付き合うようになるよ、ってことです。

 

 

 

「目を背けたいことがあるから、ゲームをする」

 

っていうような逃避的な理由ではなく、

 

「人と繋がれるから」

 

「楽しいから」

 

「友達と遊べるから」

 

「成長を実感できるから」

 

っていうような建設的な理由でゲームをするようになります。

 

もし、それほどゲームが好きではなく、逃避的にゲームをしているだけなら、ゲームをやめることもあります。

 

 

 

だから、親自身も、

 

「何とかしてゲームを排除しよう」

 

っていう取り組みよりも、

 

「子どもがゲームをしているなら、それも受け入れてみよう」

 

っていう取り組みをした方が建設てきかなぁ、って思います。

 

 

 

そして、そうやって親がゲームを認め、ゲームをしている子どもを認められたら、子どもは

 

「自分を破滅させるためにゲームをする」

 

のではなく、

 

「自分を楽しませ、心を豊かにさせるためにゲームをする」

 

っていう選択をします。

 

 

 

なぜなら、子どもが親から認められたことで、わざわざ自分を追い詰めて、

 

「お母さん(お父さん)!僕を(私を)見て!」

 

ってやらなくても良くなったからです。

 

 

 

子ども自身の中に、

 

「親との間に、たしかな繋がりがある」

 

って実感ができたからです。

 

 

 

この実感が弱まったり、感じられなくなった時、子どもはゲームに依存をし、自分を破滅させる方向にゲームを使い始めるわけですね。

 

だから、ゲームに依存していようが、ゲームで逃避していようが、ゲームのやり過ぎで自分を傷付けていようが、

 

「問題の原因は、ゲームではない」

 

っていうことです。

 

 

 

ここを取り違えたまま、親が熱心に関われば関わるほど、子どもはゲームにのめり込み、自分を破滅させていきます。

 

だから、この記事は、ぜひ何度も何度も繰り返し読んでほしいなぁ、って思います。

 

 

 

ゲームの記事は、こんなんもあるよ!

 

子どもがゲーム依存症になるのは、親からの無条件の承認の代用

 

『ゲーム=悪』という発想を変えると、子どもは変わっていく

 

『遊びの解放』の先にあるもの

 

親が、子どものスマホや、ゲームに制限をかけることは、それにハマらせるお膳立てになる

 

 

 

 

 

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