「もう年はとれない」読了 | 篠原正明のブログ

篠原正明のブログ

ブログの説明を入力します。

ダニエル・フリードマン「もう年はとれない」
ゲーム、メタルギアソリッドの小島監督が読んで面白かったと言っていたのでミーハーにも書店で購入。面白かった。

最初は馴れない文体と主人公の皮肉たっぷりな独白に戸惑いつつもスイスイ読み進めてしまいました。
過去の栄光と挫折と被害、人生の総決算のような物語。

主人公は引退して35年になる元刑事。かつての戦友のいまわの際に聞かされたのは、自分達を虐待したナチの将校は生きていて、大量の金塊を持っている(はず)というもの。
加齢とアルツハイマーへの恐怖を引きずってよっこらよっこら冒険に乗り出す。というあらまし。

孫が使うGoogleもTwitterもFacebookもわからないけど刑事のカンを駆使して推理を進める様は老齢のかつてのヒーロー。今だとシュワルツェネガーとか、メタルギアソリッド4のときのスネークみたいで頼りになる。それでも転倒とアザに気を付けて!

誰にでも訪れる老いに対しての悩みや絶望がリアル。誰だって施設暮らしは嫌だもの。それとユダヤ人にも詳しくなる一冊。

先程「人生の総決算のような」と書いたように主人公の人生が伏線として働くのも見事。経験って人生のことだもの。
それでいてサラッと読めてしまうからありがたい。映画になるのかな。なりそう。

なんと続編があるらしい。じいさんの活躍を見守りたい。