マジすか学園外伝・Sの遺恨 第百八話 | ガツキーブログ

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主にマジすか学園の二次創作を更新しています。48G・坂道Gが大好きで、よかったら気軽に読んでください。

 






翌日、熱も平熱になった絢音はマジ女への登校を再開する。






頭の重さも体のだるさも歩く時のふらつきもすっかりなくなり、思いのほかいつも以上に体が軽い感じがした。






絢音「……フウ、」






制服に着替え、一息入れる。時計を見るとまだいつも出発する時間まで多少あるので悠雅から送られたメールを読んだ。






内容は絢音が悠雅たちから離れていた間に起こったことについてで、あれから設楽はあの契約立体駐車場を利用しておらず、どうやら契約を解除し他の所へ移ったようだ。






それに関してはセンターとネズミが居場所を探すということなのだが、会社の近くで設楽を見張っていた時に、設楽は会社員を装った護衛をつけているらしく、会社から出た後の尾行は無理なようで、時間は掛かるとのことだった。






絢音「………」






絢音は自分の愚かさに怒りが込み上がる。自分があの時勝手な行動をしなければこんなことにはならなかった。と悔やむ。






だがその失敗を経て絢音は得た物があり、そしてまた戻って来れた。自分の弱さを自覚し、これからもっと強くなり、今度こそ目的を果たすと強く思い絢音は自室を出てマジ女へと向かった。






途中巡回する警察官、パトロールするパトカーを見かける。ヤンキーなどのワルが多いから当然なことだろうと思っていた。






きっと中心街にの方へ行けばもっといるだろうとも思いながらマジ女へ到着し、その校門を通り抜ける。






数日休んだマジ女はどこか懐かしくすら感じる。耳に嫌でも入る談笑や怒号、廊下に堂々と座り込んでいたり取っ組み合いをする生徒たちが目に映る。






絢音を見かけ、ざわついたりコソコソ話したりしているのも目に映る。






「おい、鈴木が来たぞ。」






「落ちぶれたって聞いたけど堀未央奈とタイマンで引き分けたらしいぜ?」






「それC組の奴から聞いた。堀が弱いから引き分けたのかと思ったけどボロボロなのに乱入してきた奴らをぶっ飛ばしたって。」






「気に入らねえがあいつが絡んできた奴を返り討ちにしてるの何回も見たことあるからなぁ…」






未央奈とのタイマンでさらに目立ってしまっている絢音。正直絢音自身は目立ってしまって気持ちが沈む。






廊下を歩いていると、絢音のこと以外の話が耳に入ってきた。






「おい聞いたか?」






「ああ、街で見かけないバイク集団が現れたらしいな。」






「前に暴走族が街で暴れたって聞いたけど、今回はそれ以上の数で暴れてるらしい。病院送りにされた奴らもたくさんいるって。」






「だからサツがうろついてんのか。ガンタ連合の襲撃もこれで静かになると思うけど、ニュースが絶えねぇな。」






街で起きたことについて話している生徒たちの横を絢音は通り過ぎる。






絢音(バイカー集団、ガンタ?…連合…)






どれもよく分からない内容だったが絢音は気にせず階段を上り始め、さらに上って行き屋上へとたどり着く。






ドアノブを捻り、そのまま開けると屋上に出る。屋上から見える空や外の景色がまた絢音の中で懐かしいという気持ちを湧かせる。






「あ、絢音だ。」






屋上にあるベンチに座る琴子が絢音を見つけるとそう声を掛ける。






絢音「おはよう琴子。」






屋上での二人のやり取り、琴子が先に声を掛け絢音がそれに応える。そんなお決まりのやり取りをすると絢音は琴子の隣に座る。






琴子「体調はどう?」






絢音「うん、もう大丈夫。」






琴子は絢音の具合を聞き、絢音は答える。






琴子「まぁあれだけ未央奈と殴り合ったんだから仕方ないよね。」






絢音「具合悪くなって数日休んだおかげでだいぶ回復できたよ。あんなボロボロで翌日登校なんて絡まれたら戦えなかったかもしれないし。」






琴子「未央奈はタイマンの翌日に登校したんだって。」






絢音「ウソ…元気だね堀は。」






未央奈が絢音とのタイマンの翌日にマジ女へ来たのを琴子から聞き絢音は一瞬耳を疑うが、引き笑いをしながらありえると思った。






琴子「で、その日にC組を制して未央奈は二年全組を制覇したってことになったんだ。」






絢音「へぇ、堀の奴ついにやったんだな。」






琴子「まぁでもC組の頭だった伊藤かりんがマジ女から転校して結局タイマンしてない事だったり、私と未央奈がタイマンしてない事、


あと絢音の引き分けの事を理由に納得してない生徒たちがたくさんいるから制覇はしたけど統率や仕切りってまでには至ってないかな。」






絢音「そうなんだ…。」






琴子からここ数日の二年の情勢を聞き、未央奈は二年を制覇したが完全に認められているわけではないと知る。






琴子「まぁ齋藤飛鳥を倒さない限り未央奈は認められないと思うな。二年ナンバーワンでラッパッパ四天王だし。」






絢音「その齋藤飛鳥にリベンジしなきゃダメってことか……。」






二年を制覇した未央奈の次にやるべきことは同じ二年でラッパッパ四天王である飛鳥を青すこと、果たして未央奈はリベンジを果たすことができるのか気になるが、琴子は話を変えた。






琴子「ラッパッパで思い出したんだけど、なんかラッパッパ四天王の一人が襲われたんだって。


で、それがガンタ連合っていうチームの人たちで、マジ女の他の生徒たちも襲われて入院してるんだって。」






絢音「へぇ、中も外も色々起きてるんだね。」






未央奈のことに関しては気にはなるが、ラッパッパに関してはあまり気にしていないようで、絢音は特に深くは聞かなかった。






琴子「街は見かけないバイカー集団が暴れて警察が巡回してるし、なんか急に騒がしくなったなぁ。」






絢音「………」






ラッパッパ四天王、ガンタ連合のことはあまり気にならないが、その街に現れたバイカー集団に関しては少し気になった。






絢音「物騒だね。」






琴子「そうだね。」






二人の独特の空間が屋上に漂う。友情を確かめた二人だが、それでも変わらない空間が当たり前のように出来上がっていた。











体調も回復し、マジ女に復帰した絢音。数日で変わったマジ女の内情などの話を琴子をから聞き、街に現れたバイカー集団のGOLD・SCORPIONの存在が少し気になるようであった。



次回の更新は金曜日です。