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▼2020年3月3週公開の新作映画
新型コロナウィルスが劇場を直撃している。
北米での先週末の興行成績は、日本で公開延期になってしまった
「2分の1の魔法」が2週連続で1位を獲得するも、
興収は僅か1053万ドル（約11億円）に止まり
高評価を得ているにも関わらず先週比で約70%もの大幅下落となっている。
BoxOffice全体の興収もここ25年で最低記録を更新するなど
ダメージは深刻で、この状況がいつまで続くのも不透明なまま。
密閉空間に大勢の人間が2時間一緒にいる映画館を避けてしまう心理は
無類の映画好きである私ですら理解できる。
日本の劇場もかなりの動員減が続いている。
春休み興行をあてこんだ対策が軒並み公開延期になってしまったため
本来ならばとうに小スクリーンに移動、もしくは公開終了していたはずの作品が
続映されるケースが相次いでおり、新鮮味に欠ける劇場は当然客足も遠のいてしまう。
タナボタ的に大スクリーンを割り当てられている
「ミッドサマー」ですら24日間で4億7234万5680円と5億にも届いておらず
「ジュディ 虹の彼方に」に至っては10日間で興収1億153万7000円と惨憺たる成績。
オスカーの発表後を狙って公開したことでコロナの直撃を受けることになってしまった。
さて、そんな状況でも今週も新作は公開される。
まずはこちらから。
03月20日公開■映画：ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 Birds of Prey
DCコミックスのヴィランだけが登場する
「スーサイド・スクワッド」でジョーカーの恋人としてデビューを果たした
ハーレイ・クインの単独主演作品が公開。
ジョーカーと別れたハーレイ・クインが女性ヒーローチームを結成し
ゴッサムシティを跋扈する男達に戦いを挑む。
主演はもちろんマーゴット・ロビー。
共演にユアン・マクレガー。
アメコミもマーゴット・ロビーも大好きなのでこれは観たい。
03月20日公開■映画：ハーレイ・クインの華麗なる覚醒Birds of Prey（ムビチケ）
03月20日公開■映画：CURED キュアード
ゾンビウィルスが蔓延した世の中が終息した後の世界を描く
ちょっと変わった視点のゾンビ映画。
治療法が確立され、もとの人間としての生活を取り戻した者（キュアード）が
一般市民の間で差別され、孤立していく様を描く社会派ドラマの側面が強い。
出演はサム・キーリー、エレン・ペイジ、トム・ヴォーン＝ローラー。
監督は本作が長編デビューとなるアイルランド出身のデヴィッド・フレイン。
ゾンビを前科者と置き換えればどこにでも起こり得る話で、なかなか面白そう。
エレン・ペイジは相変わらず作品選びが渋い。
03月20日公開■映画：人間の時間
退役した軍艦に乗りクルーズ旅行を楽しんでいた一行が突然異次元へと迷い込み、
極限空間の中で徐々に人間の本性を顕にしてゆく様を描いた異色のファンタジー。
キム・ギドクらしくないディストピアな世界観で
キム・ギドクらしい人間ドラマが展開するなかなか野心的な作品。
出演は藤井美菜、オダギリジョー、チャン・グンソク、アン・ソンギ 、イ・ソンジェ。
いつものギドク作品かと思って予告編を見ていたら
空に船が浮かんでいるシーンで強烈に興味が湧いた。これは是非観たい。
03月20日公開■映画：弥生、三月 -君を愛した30年-
「家政婦のミタ」「過保護のカホコ」とオリジナル脚本にこだわる
遊川和彦が「恋妻家宮本」に続いて撮った監督第2作。
互いに惹かれ合いながら結ばれることのなかった人組の男女の30年間を
毎年の3月だけピックアップして描くラブストーリー。
主演は映画ドラマに引っ張りだこの成田凌と波瑠。
共演に杉咲花、岡田健史、小澤征悦、黒木瞳。
オリジナル脚本にこだわってきたという遊川監督だが
今作は粗筋を読んでも予告編を見ても、どう考えても「ワン ・デイ」から
ヒントを得たようにしか見えない
23年が30年になっていたり、それぞれの年の1日が1ヶ月になっていたり、
微妙にアレンジはしているし、震災を盛り込んだ日本らしいエピソードも
紡がれているが、やはりこれはパクりではないか。うーむ。
以下に2012年の過去記事より「ワン・デイ」の紹介を一部抜粋して再掲する。
配信中■Amazonビデオ：ワン・デイ 23年のラブストーリー
【紹介記事】時の魔法。映画「ワン・デイ 23年のラブストーリー」より抜粋。
毎年7月15日に会う約束をした二人の23年間に渡る交流を描いた恋愛ドラマ。
主演はアン・ハサウェイ、ジム・スタージェス。
これは面白い。
恋愛映画としても、ヒューマンドラマとしてもアタリである。
エマ（アン・ハサウェイ）とデクスター（ジム・スタージェス）は
いつでも連絡できる距離を保ちながら23年を過ごし
その関係もゆるやかに変化してゆく。
初めて二人が体の関係を持った夜のことを、エマはこう言った。
「あなたはあの日、誰かの肩で泣きたかっただけなのよ。
だから私は、肩になってあげたの」
プレイボーイのデクスターにとって
「この人だけは絶対に自分を見捨てない」と思える人間が居ることが
どれほどの助けになったか。
遊び人に振り回された経験を持つ女性ならば
「エマが可哀想」としか思えないかも知れないが
ジム・スタージェスの「最低だけど憎めない男」っぷりはほぼ完璧で
奔放さや身勝手さまでを魅力に変えてしまった芝居はお見事と言うしかない。
23年間を100分に収めているので、展開は非常にスピーディ。
喜びも悲しみも、時の流れにどんどん飲み込まれ
泣いた翌年には笑い、笑った翌年には泣いている。
ぎゅうぎゅうにエピソードを詰め込んでも、不思議なことに物語は淡白にならず
むしろ、飛び上がりたいほどの幸せも、死にたいほどの絶望も、
全て時の魔法によってなだらかな一本の線になってゆく様が見えてくる。
時間はいつも、誰にでも、とてつもなく優しいのだ。
03月20日公開■映画：一度死んでみた
若手女優陣の中でも抜きん出た演技力を持つ広瀬すず主演のコメディ。
製薬会社で働く大嫌いな父親が、ただの仮死状態にも関わらず
ライバル会社の陰謀で火葬されそうになり、
秘書と共に生き返らせるべく奮闘する姿を描く。
共演はこちらも若手きっての演技派である吉沢亮。
父親役にはシリアスからコメディまでお手の物の堤真一。
脚本はソフトバンクの「白戸家」シリーズを手がける澤本嘉光。
監督は本作が初の長編監督となる浜崎慎治。
CMディレクターとしての代表作は「au三太郎」シリーズなので
ソフトバンクとauの合体技とも言える作品。
03月20日公開■映画：三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実
1969年5月13日。
東大全共闘の若者1,000人以上と真正面から向き合い
白熱した討論を繰り広げた三島由紀夫の思想と生き様を、
当時、唯一取材を許可されていたTBSの社内に残されていた映像資料と、
芥正彦、平野啓一郎、内田樹ら識者の解説を織り交ぜて編集したドキュメンタリー。
ナレーターは東出昌大。
予告編からも圧倒的な両者の熱量が伝わってくる。
03月20日公開■映画：春を告げる町
東京オリンピック聖火リレーのスタート地点になっている
福島県双葉郡広野町に住む人々の生活に密着したドキュメンタリー。
「風の電話」や「監察医・朝顔」、そして「Fukushima50」と
震災から9年が経過した今年は様々な方面から「311」を描く作品が登場しているが
ドキュメンタリーだけあってもっとも身近に感じる。
そして東京オリンピックはどうなるのだろう。
このタイミングでの公開はなかなか考えさせられることが多い。
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