映画「アナベル 死霊博物館」紹介+「死霊館」シリーズの時系列おさらいも | 忍之閻魔帳

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▼映画「アナベル 死霊博物館」愛娘のデビュー戦

 

公開中■映画:アナベル 死霊博物館

 

近年のホラーシリーズとして一番好きな死霊館ユニバースの最新作は

スピンオフの中で唯一続編も制作されている呪い人形アナベルの第3弾。

今作ではアナベルが保管されている超常現象研究家ウォーレン夫妻の

自宅を舞台にしているので、スピンオフといいながら

「死霊館」シリーズとの繋がりも密接で

MCUで言うところの「シビル・ウォー」のような位置付け。

 

配信中■Amazonビデオ:アナベル 関連作品一覧

配信中■Amazonビデオ:死霊館 関連作品一覧

 

主演は「gifted/ギフテッド」のマッケナ・グレイス。

共演にマディソン・アイズマン、ケイティ・サリフ、

そしてお馴染みパトリック・ウィルソンとヴェラ・ファーミガ。

「アナベル」の前2作、「IT/イット」の脚本を手がけたゲイリー・ドーベルマンが

本作で監督デビューを飾っている。

 

  

1952年「死霊館のシスター」

1957年「アナベル 死霊人形の誕生」
1967年「アナベル 死霊館の人形」
1971年「死霊館」

1972年「アナベル 死霊博物館」

1973年「ラ・ヨローナ 泣く女」
1977年「死霊館 エンフィールド事件」

 

本作の舞台は1972年。

夫妻のもとに持ち込まれたアナベルが呪いの力を封印され

ガラスケースに入れらてから5年が経過している。

虎視眈々と脱出の機会を狙っていたアナベルは

ターゲットを夫妻の娘ジュディ・ウォーレンへと移す。


【関連記事】映画「チャイルド・プレイ」子供にこそ見せたい情操教育ホラーより。

 

同じ製作陣が関わっているからなのか、

今回は友情劇の側面もあり力を合わせて事件解決をするのが「IT」っぽくなっていて

リブート版としてはまずまずの出来と言っていいだろう。

 

7月に紹介した「チャイルド・プレイ」もそうだったのだが、

「IT」がヒットしてから後のホラー映画は

ここ10年ほど続いていたオカルトへの回帰から

ジュブナイル系へと主流が移行しているように感じる。

本作もウォーレン夫妻は出てくるものの早々に物語の舞台からは退場し

物語を牽引しているのは、夫妻の愛娘であるジュディと

留守中のシッターを頼まれたメアリー、その友人のダニエラの3人。

全員が学校生活を楽しむティーンエイジャーであり、

ほんのりとメアリーの恋模様も描かれるなど

「キャリー」を思わせる学園モノっぽさも持っていて懐かしい雰囲気。

 

これまでの「死霊館」シリーズは、

ほとんどの作品において父性や母性が窮地を救ってくれていた。

本作もダニエラの父に物語の鍵を持たせることもできたはずだが

敢えてそれをしなかったことで、また新しい魅力を開拓したと言える。

大人の助けを借りず、子供たちの力だけで事件を解決せんと

奮闘する姿にグッと感情移入するし、

ほぼ無力なボーイフレンドの献身的なヘルプも

物語の緊張感を適度に緩めてくれていい効果を生んでいる。

 

地下室に閉じ込められていたアナベルは

5年の間に地下室のリーダー格になっていたようで、

ダニエラの父への思慕の念を利用してまんまんと”脱出”に成功、

蓄積された怨念のパワーを爆発させる。

アナベルに号令をかけられたように

眠っていた呪いのアイテムが次々と目を覚まし襲いかかる展開は

なんでもぶちこんでいた「キャビン」のようでもあり、サム・ライミ的な楽しさ。

ワーナーの広告は「ホラー版のナイトミュージアムだ」と書かれていたが

これは「ホラー版のホームアローン」と言った方が近いような気がする。

 

血まみれのウェディングドレスの女、駄賃を要求するフェリーマン、

怨念をまとった鎧武者、地獄の番犬など

今後スピンオフがいくらでも作れそうなサブキャラクターが惜しげもなく登場し

「死霊館」ユニバースも「アベンジャーズ」に倣ってフェーズ2に入りますよと

宣言しているかのような贅沢さ。

 

 

霊力は女系に遺伝するとの定説通り

ヴェラ・ファーミガ演じるロレイン・ウォーレンの能力もまた

娘のジュディが受け継いでいる(ことになっている)。

夫妻に助けられた人々は世界中にいるはずだが、

劇中には活動を訝しむメディアの記事や

ジュディが学校でいじめられるシーンが登場する。

日本も含めて、心霊研究家を名乗った者は

そういった世間からの冷たい視線や言葉は避けられない。

そこは仕方ない。誰も証明できないのだから。

 

実在のロレイン・ウォーレンは今年4月に92歳で亡くなった。

映画の中でロレインがこんな台詞を言っている。

 

ダニエラ「なんでこんな恐ろしいものばかり集めてるの?」

ロレイン「悪いことばかりじゃないの。恐ろしいものがあるからこそ、

そこから守ってくれる存在を確かめられることもあるのよ」

 

世界中の負の遺産を地下室に保管しながら

大往生と言える年齢まで生き抜いてこの世を去ったロレインの人生を想う時、

やはり守ってくれる存在はいると私は思う。

謹んでご冥福をお祈りいたします。

 

映画「アナベル 死霊博物館」は現在公開中。


▼「アナベル」シリーズ2作を簡単に振り返る

 

配信中■Amazonビデオ:アナベル死霊人形の誕生 字幕版

 

 

「死霊館」シリーズに登場したウォーレン夫妻の家で眠る

呪い人形・アナベルにスポットをあてたもので、
2014年に公開された「アナベル 死霊館の人形」に続く第2弾。
製作は「ソウ」「死霊館」「インシディアス」のジェームズ・ワン。
監督はYouTubeで発表していた短編がジェームズ・ワンの目に留まり
長編ホラー「ライト/オフ」でデビューしたデヴィッド・F・サンドバーグ。
シリーズを未見の方は本作を最初の1本にして
「アナベル 死霊館の人形」「死霊館」「死霊館 エンフィールド事件」の
順番でご覧いただくとより世界観が楽しめるはず。

 

本作では人形作家のサミュエルとその妻エッシャーが

愛するひとり娘を不慮の事故で失ってしまうところ(1945年)から始まる。

娘を失った哀しみから立ち直ることの出来ない夫妻は

『戻って来てくれるなら何にでもすがる』と

ホラーあるあるに則って悪魔と契約してしまう。

その日から娘らしき姿を家の中で見掛けるようになり、

束の間喜んだものの、その実態は娘とはかけ離れた邪悪な存在。

そのことに気付いた夫妻は神父を頼りクローゼットへと封印する。

12年後の1957年、夫妻の家は孤児院となっていた。。。


配信中■Amazonビデオ:アナベル 死霊館の人形 字幕版

 

人形の登場するホラーを撮らせれば世界一(*私調べ)なジェームズ・ワン製作。

「死霊館」に少しだけ登場した呪いの人形にまつわるエピソードを

映画化したものだが、心霊研究家のウォーレン夫妻は登場しない。

 

「死霊館」のスピンオフと言いつつ、映画の枠組みは

ロマン・ポランスキーの名作中の名作「ローズマリーの赤ちゃん」を踏襲している。

「ローズマリー」を想起させるヒント(シャロン・テート事件、

主人公夫婦の名前など)をこれ見よがしに散りばめて

「どこまでが『ローズマリー』と同じなのか』をホラー好きに予想させる作りだ。

同じく人形がキーワードの「デッド・サイレンス」で見られた

クラシックホラーへのオマージュを強化して

「死霊館」や「インシディアス」の自己犠牲の精神もしっかり織り込むあたり、

全編にジェームズ・ワンらしさが引き継がれている。

 

「死霊館」ほど物語に厚みはなく、サイドメニュー的な軽さは残るものの

スピンオフなのでお約束の嵐を素直に楽しみたい。