映画「リズと青い鳥」過剰な百合要素がメッセージを濁らせる | 忍之閻魔帳

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▼今週公開の新作映画

  

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▼映画「リズと青い鳥」過剰な百合要素がメッセージを濁らせる

 

 

当BLOGでも紹介した映画「聲の形」の山田尚子監督と

京都アニメーションのチームによる新作「リズと青い鳥」が今週末より公開。

タイトルがすっかり変わっていて関連性を敢えて伏せているが

原作は武田綾乃の小説「響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、波乱の第二楽章」。

高校の吹奏楽部を舞台にした青春ドラマである。

 

   

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高校3年生の鎧塚みぞれと傘木希美。

中学時代からの親友である二人は

北宇治高校吹奏楽部でオーボエとフルートを担当していた。

二人にとって最後のコンクールで自由曲に選ばれたのは

オーボエとフルートによる掛け合いがある「リズと青い鳥」。

内向的で友達もいないみぞれに明るく声をかけてくれた日から

希美が生活の全てであったみぞれは、

ひとりぼっちの少女がようやく出会った友達との物語を描いた

「リズと青い鳥」に自分の姿を重ね合わせながら練習に励んでいた。

 

TVアニメ版の「響け!ユーフォニアム」は齧った程度でほぼ未見だったのだが

関連性を匂わせないタイトルの通りに全く問題なかった。

ベースになっているのは、「3月のライオン」や「ちはやふる」と同じ

文科系の青春を描いたドラマで、

実写で言えば「櫻の園」や「幕が上がる」と雰囲気が似ている。

 

楽しかった学生時代にもそろそろ終わりが見えてきた時に、

誰もがぶつかるのが進路問題。

「やる気さえあれば何歳からでも始められる」とCMや識者は言うけれど

高校卒業が人生を決める上で大きな分岐点であることは事実。

数年後に道を選び直すことになったとしても

「自分には何があるか」と自問し、取り敢えずの回答を出さなければならない。

仲良しの友達がどこに行くかを聞いて真似てみたり、

教師の推薦を信じてみたり、選択の参考になるものは人により様々だろうが

みぞれにとっては自分の才能の限界を追及するよりも

希美と居ることの方が大切だった。

 

学校内では、社交性に富み下級生からの信頼も厚い希美がスターでも

専門的なセンスと技術を兼ね備えているのは誰かとなると、

途端にみぞれとの立場は逆転する。

才能を見抜き伸ばしてやりたい教師と、なんとなく同調する親友の力関係は

いつしか二人の校内の立場すら揺るがし始める。

あなただけが世界の全てだと言いながら、みぞれの背景には無限の可能性が広がり、

学生生活を謳歌していながら、振り返れば誇れるものを持っていないことに気付く希美。

果たして、「二人だけの世界」という名の甘い鳥籠に閉じ込めておきたいのは

みぞれと希美のどちらなのか。

 

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終盤になって二人の関係が変化する流れは

当BLOGでも取り上げた傑作「桐島、部活やめるってよ」を彷彿するし、

思春期に抱く同性への恋心は「櫻の園」を、

女子高生達が部活に打ち込む姿は「幕が上がる」をと、

様々な名作のエッセンスを感じさせるストーリーは良く練られているし

アニメーションと歩幅を合わせるように寄り添う

牛尾憲輔(agraph)の美しいスコアも素晴らしい。

 

ただ、思春期特有の心の揺れを上手く表現していながら

この映画は「所詮アニメの中の出来事」と興醒めしてしまう要素が多い。

例えば女生徒ばかりの吹奏楽部がひと欠片の悪意や嫉妬もなく成立するはずがないし

男子不在がもたらす女同士特有のあけすけな言動が全くないのは違和感がある。

ホグワーツ魔法魔術学校ですらもう少し生々しい部分があるというぐらいに

北宇治高校吹奏楽部は、(おそらくメイン支持層の望む形の)夢の国と化している。

要するに、サービス過剰なのだ。

みぞれと希美との関係も「ほのかな恋心」を遥か飛び越えて

百合アニメの域に近づいており、テーマとストーリーだけならば

上記の青春映画と肩を並べるクオリティでありながら、

一部設定や演出によって一般層を遠ざけてしまっている。

もう少し節度のある作品に仕上げられていれば

手放してお薦めできただけに本当に惜しい。

 

映画「リズと青い鳥」は4月21日より公開。


   

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