映画「リメンバー・ミー」忘れない限り、生き続ける | 忍之閻魔帳

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▼今週公開の新作映画

 

   

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3月30日公開■Ticket:トレイン・ミッション


▼映画「リメンバー・ミー」忘れない限り、生き続ける

 

3月14日発売■CD:リメンバー・ミー オリジナル・サウンドトラック

 

「トイ・ストーリー」「モンスターズ・インク」など

名作アニメの宝庫であるディズニー/ピクサーの新作であり、

本年度のオスカーで長編アニメーション賞を受賞した「リメンバー・ミー」が公開中。

世界中どこで暮らす人にも等しく訪れる「死」をテーマに、

ふとしたきっかけで死者の国に迷い込んだ少年の冒険を描く。

監督は「トイ・ストーリー3」のリー・アンクリッチと、

本作が監督デビューとなるエイドリアン・モリーナ。

主人公の少年ミゲルの声はアンソニー・ゴンザレス。

ヘクターにはメキシコのNo.1人気俳優ガエル・ガルシア・ベルナル。

ハリウッド進出する必要があったのだろうかとずっと思っていたガエルが

まさかのディズニー作品に出演するとは。

しかも絶妙にマッチした配役で、歌まで披露とサービス満点。

同時上映は「アナと雪の女王/家族の思い出」。

ピクサーの今後は、8月1日公開の「インクレディブル・ファミリー」、

2019年6月21日公開の「トイ・ストーリー4」が待機中。

 

人は死んだらどこに行くのだろう。

宗教や霊的な存在を信じる・信じないに関わらず、

そのことを考えない人はいないだろう。

いつもすぐ側にいると言う者もいるし、天国にいると教える者もいる。

ペットには虹の橋という概念もある。

今生の行いによっては地獄行きになるぞ、などと脅す者もいる。

死後の世界があるのか無いのかは誰にも分からない。

しかし命の灯が消えた瞬間に、全てが無かったことになるのは寂しい。

この「死んだらそれで全て終わりでは寂しい」と想う気持ちが

死後の世界を「あって欲しい場所」とし、

今を生きる私達の心の拠り所になっている。

賑やかに葬る国もあればしめやかに葬る国もあったりと、

国によって葬り出す方法は様々だが、

「安らかに眠って欲しい」「もう一度逢いたい」と願う気持ちは世界共通だ。

 

ディズニー・ピクサーの「リメンバー・ミー」は

誰もがおぼろげに抱いていた「死後の世界」を描いたファンタジーである。

メキシコのサンタ・セシリアを舞台にしているので

年に一度、家族や友人達が集まって故人の想い出を語らう「死者の日」が

物語のスタート地点になってはいるが、これは日本に置き換えればお盆であり、

ハロウィンにも通じる部分があるため宗教・文化の枠を超えて楽しめる。

墓参りや墓参の祈りが何故あるのか。

その日だけ帰ってくると言われる死者の日やお盆に

故人が本当に来ているのだろうか。

いや、来ていて欲しい。

そんな淡い期待を込めて写真に話しかけている私達にとって

この映画はこの上ない癒しであり、教えにもなる。

ちょうど先月、愛犬を虹の橋に送り出したばかりの我が家だが

ずっと落ち込んでいたお子が「●●ちゃんもあんな世界にいるのかな」と

帰宅するや写真立ての前に走っていって線香を焚いていたのを見て

エデュテイメントとは何かを改めて教えられた気がする。

 

人は二度死ぬと言われる。

一度は命の灯が消えた時、そしてもう一度は人々から完全に忘れ去られた時だと。

人づてや映画、ドラマで幾度となく聞いてきたこの言葉の意味が

これほど上手に、かつ満点の娯楽作品としてビジュアル化されるとは

ディズニーxピクサー恐るべし。

「ズートピア」「ファインディング・ドリー」「モアナと伝説の海」と

近年のディズニー作品はどれもクオリティが高いが

本作はその中でも極めつけの1本と言えるだろう。

エンドロールに出てくる一文と大量の写真に思わず涙が溢れた。

この精神で作っているから、ディズニー作品はいつでも素晴らしいのだ。

 

映画「リメンバー・ミー」は現在公開中。

 

余談。

同時上映の「アナと雪の女王/家族の思い出」は短編というには長過ぎるし、

歌を詰めるだけ詰め込んだような即席仕上がりで私的には不満。

「リメンバー・ミー」をもう一度観たくても

22分もこれを観るのかと思うと二の足を踏むレベルである。

Blu-rayは絶対に買うので、そちらでリピート鑑賞するか。

 

  

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