映画「ブラックパンサー」真の力とは何か

▼今週発売の新作ダイジェスト

311を目前に控えてのメッセージソングにも聴こえる「ここにいないあなたへ」や

こんなにも泣ける曲だったのかと魅力再発見の「ドラえもんのうた」など

星野源のニューマキシはいつにも増してカップリングが素晴らしい。

▼Amazonタイムセール祭り開催中

3月2日23:59まで★Amazon タイムセール祭り

夏のプライムデイ、冬のサイバーマンデーに並ぶ

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▼映画「ブラックパンサー」真の力とは何か

マーベル作品では初となる黒人ヒーロー・ブラックパンサーが

本日より日本でも公開。

先行公開されている北米では「アベンジャーズ」に次ぐ歴代2位となる

1億9202万ドル（約204億円）の超ヒットスタートを飾り、

続く2週目も1億0804万ドル（約115億円）と圧倒的な強さを維持したまま

MCU史上最速で4億ドルを突破している。

外の世界から遮断された空間で密かに超文明国家を築き上げている

アフリカ・ワカンダを舞台に、亡き父の後を継いで国王となった

ブラックパンサーの活躍を描く。

主演は当BLOGでも紹介した「42 ～世界を変えた男～」や

「ジェームス・ブラウン～最高の魂を持つ男～」で

徐々に頭角を現してきたチャドウィック・ボーズマン。

共演はマイケル・Ｂ・ジョーダン、ルピタ・ニョンゴ、フォレスト・ウィテカー、

マーティン・フリーマン、アンディ・サーキスなど実力派の名がずらり。

監督は「フルートベール駅で」のライアン・クーグラー。

デビュー作の「フルートベール駅で」を支援していたフォレスト・ウィテカーを

重鎮役で起用しているあたりが微笑ましい。

マーベルヒーローの多くは過去や生い立ちに

何かしらの傷を抱えたマイノリティであるが、

本作はマイノリティの苦悩を作品の根幹に据えながら

娯楽大作としての醍醐味も存分に味わえる傑作である。

単純な対立軸を描いて白人による無理解や黒人差別を主張するのではなく、

問題を隠蔽してきた前国王の行いを反省し、

積年の怨みによって良心を失ったエリック・キルモンガーに対して説得を試みるなど、

外の世界に向けて主張するよりも、仲間をひとつにすることを優先するのが

新しい国王ティ・チャラ（ブラックパンサー）の判断。

そしてこの考えこそ、差別に対してしばしば過剰防衛とも取れる行動をとってしまう

同胞に対する呼び掛けなのだろう。

怒りをエネルギー源とする武力行使では何も変えられない。

遺恨を残せばそれが新たな火種になり、

永遠に終わらない憎しみの連鎖を生んでしまうことを歴史から学び、

相互理解と協力で世界を平和に導こうと主張している。

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史上初の黒人メジャーリーガーとして様々な差別と闘った

ジャッキー・ロビンソンを演じたチャドウィック・ボーズマンと、

白人警官による射殺事件を描いた「フルートベール駅で」で

主演を務めたマイケル・Ｂ・ジョーダン、

ライアン・クーグラー監督の心がひとつとなって本作を傑作へと押し上げている。

ちなみに、冒頭のシーンの舞台（子供達がバスケットをしている街）は

フルートベール駅のあるカリフォルニア州・オークランドである。

善き王として成長する物語は「マイティ・ソー」、

近しい人物と敵対関係にあるのは同じく「マイティ・ソー」のロキ、

もしくは「キャプテン・アメリカ」のバッキー（ウィンター・ソルジャー）か。

世界から隔離された場所で文明を築き上げたワカンダは

DCの「ワンダー・ウーマン」のようでもあり、

特撮は後方支援程度にとどめ、生身を重視したアクションは「300」のようでもある。

マーベルに限らずアメコミ全般の旨味を美味しいトコ取りしているのだから

面白くないわけがないのだ。

DNAに直接訴えかけてくる音楽も最高ならば、

可憐なナキア（ルピタ・ニョンゴ）、

しっかり者のシュリ（レティーシャ・ライト）、

主人公すら喰うほど惚れ惚れするカッコ良さのオコエ（ダナイ・グリラ）など

過去のどのMCU作品でも観られないほど女性陣が活躍するのも最高。

強いて言えば中盤に若干ストーリーが停滞してしまうが、

後半の怒濤の展開で充分チャラにできる。

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「アベンジャーズ」と切り離した

単独のアクション映画としても文句なしの出来映え。

絶対に劇場で観るべし。

映画「ブラックパンサー」は本日公開。

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アメコミ映画でサントラが欲しくなったのは初めてかも知れない。

発売中■DVD：フルートベール駅で

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「それでも夜は明ける」や「大統領執事の涙」など
黒人差別問題を扱った作品がオスカーを席巻する中で
ひっそりと公開されたのが「フルートベール駅で」。
2009年1月1日、新年を迎えて沸き返るオークランドのフルートベール駅で発生した
白人警官による黒人青年の射殺事件を描いたドラマ。
現場に居合わせた乗客達が携帯で動画撮影し、
完全な無抵抗状態だったことからアメリカ全土に衝撃が走った事件である。
主人公の青年オスカーを演じたのは「クロニクル」の友人役で注目を集めた
マイケル・Ｂ・ジョーダン。彼の演技がまた素晴らしい。

映画ではオスカーが射殺されるまでの最後の1日を
再現ドラマスタイルで描いている。
22歳にして妻子持ちのオスカーが大晦日からニューイヤーまでに
どう過ごしていたのか。しかし特別なことは何も起こらない。
どこにでもいる青年の、どこにでもある日常を丁寧に切り取ることで
一発の銃弾によって突如人生を断たれてしまった悲劇を浮き彫りにする。

「大統領の執事の涙」で好演したフォレスト・ウィテカーが製作に参加し
「ヘルプ心がつなぐストーリー」でオスカーを受賞した
オクタヴィア・スペンサーが出演しているのは
黒人差別を扱った作品で名を馳せた二人ならでは。
史実に名を残す事件でもないし、有名人の訃報でもない。
でも、現代のアメリカでは日常的にまだこんなことが起きているんだよと、
この作品は静かに語りかけている。