オブラート演出の破天荒。映画「ウルフ・オブ・ウォールストリート」、他 | 忍之閻魔帳

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ゲームと映画が好きなジジィの雑記帳(不定期)



▼今週発売の新作ダイジェスト


02月06日発売■3DS:「DQM 2 イルとルカの不思議なふしぎな鍵」
02月06日発売■3DS:「DQM 2 イルとルカの不思議なふしぎな鍵 スペシャルパック」
02月06日発売■3DS:「ぷよぷよテトリス」
02月06日発売■WiU:「ぷよぷよテトリス」
02月06日発売■PS3:「ぷよぷよテトリス
02月06日発売■PSV:「ぷよぷよテトリス」
02月06日発売■PSV:「テラリア」
02月06日発売■360:「Fable Anniversary 初回生産版」


02月05日発売■Blu-ray+DVD:「死霊館」
02月05日発売■Blu-ray:「エリジウム」
02月05日発売■Blu-ray:「エリジウム プレミアム・エディション」
02月05日発売■Blu-ray:「トランス」
02月05日発売■DVD:「廉価版 カポーティ」
02月05日発売■DVD:「廉価版 ラースと、その彼女」
02月07日発売■Blu-ray:「ウォーム・ボディーズ」



▼オブラート演出の破天荒。映画「ウルフ・オブ・ウォールストリート」

映画 ウルフ・オブ・ウォールストリート
(C)2013 Paramount Pictures. All Rights Reserved.

23歳の時に出演した「タイタニック」から途切れることなく主演作が続き、
ついに40代に突入したディカプリオの最新作が公開中。
80年代から90年代にかけて、その派手な振る舞いで
『ウォール街のウルフ』との異名をとっていた株式ブローカー、
ジョーダン・ベルフォートの半生を描いたドラマ。
監督は「アビエイター」「ギャング・オブ・ニューヨーク」
「ディパーテッド」「シャッター アイランド」とディカプリオとのタッグで
何本もの作品を発表してきたマーティン・スコセッシ。
共演はジョナ・ヒル、マーゴット・ロビー、マシュー・マコノヒー。
未だオスカー像を手にしたことのないレオ様だが
本作は放送映画批評家協会賞、ゴールデン・グローブで男優賞を獲得しており
今度こそと期待を寄せる声も多い。さて、映画はと言うと・・・。



結論から言うと、やはりスコセッシはディカプリオの魅力を
最大限引き出す監督ではないのかも知れない。
スコセッシ作品におけるディカプリオは
野心家であろうが狂人であろうがカリスマであろうが
常にどこかが似通ったイメージを持っていて、
最後の一枚が突き破れないもどかしかを感じる。

サム・メンデス監督の「レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで」、
スティーヴン・スピルバーグ監督の「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」、
クリント・イーストウッド監督の「J・エドガー」のような
新しい魅力を引き出してくれないのだ。

本作は紙切れ同然の株を舌先三寸で売り込んで会社を起ちあげ、
短期間に巨大会社にまで育て上げたジョーダン・ベルフォートが
出過ぎた杭の法則に則って「ふりだしに戻る」までの物語。
上映時間の約4割(私の感覚)はセックスをしているか
薬をやっているかのどちらかで、
蓄財とヤクの使用量が正比例して増えていく様子が179分もの長尺で描かれている。
虚像でも誇張でも先ずは自分を大きく見せて、
後からそのイメージに近づけていく荒っぽさは
「ソーシャル・ネットワーク」にも通じるが
サクセスストーリーとして上手くまとまっていた「ソーシャル」と違い、
こちらは2行で説明するならば
『ひとりのシャブ中が詐欺とセックスに明け暮れていただけの映画』とも言え、
なるほど確かにこの内容では「18禁+」も仕方ない。
例え短期間であっても、結果として財産を失ってしまったとしても
ジョーダン・ベルフォートがなぜカリスマとして支持を得たのかが
映画からそれほど伝わって来なかったのがこの映画の最大の欠点と言えよう。
「欠点も多いがそれを補って余りある魅力もある人物の映画」ではなく、
「あのレオ様があんなことやこんなことをしてる映画」で終わってしまっている。

過激さを前面に押し出した演出も実はきっちりオブラートに包まれており
御歳71歳のスコセッシの年齢が出てしまったか。
この手の人物を描くなら、もっと規格からはみ出すほどの熱量と
スピード感のある演出の方が楽しめたはず。
高級クラブのセクシーさよりも、ストリップ劇場のエロティシズムの方が
この映画には合っていたのでは。

長尺にも関わらず観ている間は全く退屈しなかったし
ディカプリオも頑張ってはいるが、これでオスカーを穫るのであれば
「J・エドガー」でも穫れていたはず。
良作には違いないが、どこか喰い足りなさの残る惜しい作品だ。

映画「ウルフ・オブ・ウォールストリート」は現在公開中。

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
  タイトル:ウルフ・オブ・ウォールストリート
    配給:パラマウント
   公開日:2014年1月31日
    監督:マーティン・スコセッシ
   出演者:レオナルド・ディカプリオ、他
 公式サイト:http://www.wolfofwallstreet.jp/
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

発売中■BOOK:「ウルフ・オブ・ウォールストリート 上」
発売中■BOOK:「ウルフ・オブ・ウォールストリート 下」




発売中■Blu-ray:「J・エドガー」
発売中■Blu-ray:「ジャンゴ 繋がれざる者」
発売中■Blu-ray:「華麗なるギャツビー」



▼坂本真綾、配信限定のライブアルバムが本日より配信開始

Roots of SSW 坂本真綾
配信中■iTMS:「LIVE TOUR 2013 “Roots of SSW” / 坂本真綾」
配信中■Amazon MP3:「LIVE TOUR 2013 “Roots of SSW” / 坂本真綾」

昨年春のツアー「Roots of SSW」の音源を配信限定でリリース。
全16トラックでiTMS、Amazon MP3ストアともに2,400円。



▼来週発売の新作ゲーム


02月13日発売■3DS:「A列車で行こう 3D オリジナルサントラCD付き」【9/8/8/8】

昨年の発売延期からこの日をずっと待ち続けていたファンも多いはずの
「A列車で行こう 3D」が私的な来週の目玉。
シリーズの中でも随一の完成度とまで言われた
DS「A列車で行こう」から約5年、ついにと思ったら発売延期で
やきもきしていたファンにとってはまさに待望の1本。
ディレクターは前作や「カルネージハート」シリーズなどを手掛ける飯塚正樹。

・新たに『時代』の概念を導入し、電車の高速化や建物の老朽化などを体験できる
・列車や建物に耐用年数を設け、老朽化すると維持費が高騰するなどの仕掛けあり
・防護壁、架線柱、街灯、ガードレール、勾配線路、立体交差する道路などパーツが大増量
・ユーザーからリクエストの多かった路面電車が登場
・コンストラクションモードがパワーアップ
・3Dカメラモードが立体視に対応

新幹線開通や消費税導入といった史実に基づいたイベントが発生したりと
まったりと遊べる「A列車に行こう」というソフト自体が
時代の概念を取り入れてさらなる進化を遂げていそうな予感。
覚えることが多い、タッチペン重視の操作性に難ありなどの指摘もあるが
シミュレーションとしてのクオリティには総じて好意的なので無問題。
最初のエンディングまでは50時間、やり込めば∞に遊べる。

先着特典のサウンドトラックCDの装着率は50%。
メーカー目標は5万本と控え目で、特典の生産数もそれほど多くは無さそう。
購入予定の方はそろそろ抑えておくべし。



02月13日発売■3DS:「マギ 新たなる世界 初回特典付」【8/7/7/8】
02月13日発売■PSP:「あかやあかしやあやかしの 限定版」【8/7/8/7】
02月13日発売■PSP:「あかやあかしやあやかしの 通常版」



Wii U ドンキーコング トロピカルフリーズ
02月13日発売■WiU:「ドンキーコング トロピカルフリーズ」【9/8/9/9】

これが発売されてしまうと、5月発売の「マリオカート」まで
リリーススケジュールがぽっかり空いてしまうWii Uの貴重な新作。
システム、グラフィック、演出、全てにおいて高評価を獲得している。

原点回帰を目指した「ドンキーコング・リターンズ」が好評だったので
こちらにも期待したいが、Wii版が97万本を販売した反面、
昨年6月に発売された3DS版は(移植ではあるが)25万本に止まっており
完全新作とはいえWii Uでの販売はなかなか厳しそう。
「ピクミン 3」の20万本に届けば大成功、無難に10万ぐらいか。



▼iOS「DQM スーパーライト」返金トラブル発生

ドラゴンクエストモンスターズ スーパーライト iOS
配信中■iOS:「ドラゴンクエストモンスターズ スーパーライト」(ユニバーサル)
配信中■iOS:「ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君」(ユニバーサル)

配信開始からわずか11日で200万DLを達成し、
ポスト「パズドラ」にもっとも近かった「モンスターストライク」に
あっさり並んでしまった「ドラゴンクエストモンスターズ スーパーライト」だが
先日の紹介記事でも触れた通り、やはり運営は相当に酷い設定をしているようで
課金者からクレームが続出、現在返金報告がネットのあちこちで上がっている。

以下、前回の記事より再掲する。



課金について、
レアガチャを引く必要性が「パズドラ」「モンスト」よりも高いにも関わらず、
ガチャに必要なジェムを獲得できる機会は前述の2作よりも少ない。
さらに、ノーマルガチャ、レアガチャともに
Cクラスより上のモンスターの出現度がかなり低く設定されている。
あくまでも私の感触ではあるが、ほぼ間違いない。
序盤から強いモンスターを引き連れて回るには課金は必須と見た。

さらにジェム(『パズドラ』で言うところの魔法石)の価格設定も微妙に高め。

「パズル&ドラゴンズ」魔法石の販売価格

<年齢制限>
16歳未満:月5,000円まで
16歳~19歳:月20,000円まで
20歳以上:制限なし

<魔法石の販売価格/レアガチャは1回あたり魔法石5個必要>
1個:100円
6個500円円(1回分)
12個900円(2回)
30個2000円(6回)
60個3800円(12回)
85個5000円(17回)

「DQMスーパーライト」ジェムの販売価格

<年齢制限>
16歳未満:月5,000円まで
16歳~19歳:月30,000円まで
20歳以上:制限なし

<ジェムの販売価格/レアガチャは1回あたりジェム500個必要>

100個:100円
630個:600円(1回)
1060個:1000円(2回)
2150個:2000円(4回)
4150個:3800円(8回)
5500個:4800円(11回)
10600個:8800円(21回)

分かり易い価格帯で比較すると
「パズドラ」に5,000円課金すると17回レアガチャを引けるが
「DQM」の場合は5,500円課金しても11回しか引けない。
しかもレアなモンスターの出現率は明らかに「パズドラ」より低め。
カスタマーレビューによると、2万円課金してもSランクはたったの1枚だったとか。

もうひとつ気になるのは、16歳から19歳の課金上限が
「パズドラ」よりもさらに高い3万円に設定されている点。
私は「パズドラ」の2万でも高いと思っているので
幅拾い年齢層から愛される「ドラクエ」であれば
最低限同じ2万にするか、欲を言えば1万ぐらいで止めておくべきだったように思う。
本音を言えば、未成年は月5,000円上限にして欲しい。

また、初めて課金する時にはプレーヤーに誕生日を入力するよう
指示が出るのだが、2回目以降はもう確認をして来なくなるため
親が子どもに端末を貸し与えた際にうっかり課金されかねない。
(低年齢の場合は意図的な課金ばかりとは限らない、単なる操作ミスもある)
一応ゲーム開始前にメッセージが出るとはいえ、これでは脇が甘い。
「パズドラ」は毎回年齢選択をし、課金前に確認をし、
決済時にパスワード入力を求めてくる。
課金に抵抗のない大人からすれば面倒かも知れないが
課金トラブル多発の今だからこそ、この手間を省略してはならない。


「パズドラ」や「モンスト」は、
無課金ユーザーがレア度の高いキャラを手に入れることは割と容易い。
特に200万を超えたばかりの「モンスト」は
トラブルも頻発しているが、その代わりにお詫びのオーブ(魔法石のようなもの)の
振る舞い方も初期の「パズドラ」のようで、短期間の利益よりも
長期運営による安定した利益を追求する方針が透けて見える。
しかし「ドラゴンクエストモンスターズ スーパーライト」に
そういった配慮は一切見当たらない。
コツコツ貯めたジェムでプレミアガチャを引いても
ランクCが精一杯、下手をするとDの場合も多々あるようでは
「パズドラ」に戻っていくユーザーも出て来るであろうし、
重課金ユーザーから批判を浴びるのも当然のこと。
「ドラクエ」の看板に胡座をかくのではなく
「ドラクエ」の看板を汚さない運営を心掛けるべきではないのか。

スクウェア側からリスースされた「GUNS N' SOULS」も
蓋を開けてみれば単に美麗グラフィック版の「テンプルラン」で
そこに課金を当て込んだカード収集要素を足しただけのお手軽な作品だった。
立ち上げ毎にロードはあるわ、しかも遅いわで速攻削除したが
こんなことばかりしていると「ワンダーフリック」で信頼度が地に落ちた
レベルファイブの二の舞にもなりかねんぞ。


02月06日発売■3DS:「DQM 2 イルとルカの不思議なふしぎな鍵」
02月06日発売■3DS:「DQM 2 イルとルカの不思議なふしぎな鍵 スペシャルパック」
02月08日発売■ETC:「DQM 2 イルとルカの不思議なふしぎな鍵 シールコレクション」
03月06日発売■BOOK:「DQM 2 イルとルカの不思議なふしぎな鍵 最強データ+ガイドブック」
04月25日発売■BOOK:「DQM 2 イルとルカの不思議なふしぎな鍵 究極対戦ガイドブック」

だから安心な3DS版を買ってね、という壮大なプロモーションだとしたら
仕掛けた人間は天才。多分違うだろうが。

それにしても、「仕事のふりしてワンフリ、勉強のフリしてワンフリ」の次は
「お金が大好き、お金が大好き」と、スマホゲーのCMは驚くほどに下衆。
キャッチーならば何でもいいのか。
ジョーダン・ベルフォートよりも性質が悪いな。
と、さりげなく今日紹介した映画に絡めて幕。