2013年の映画を振り返る(1月・2月・3月編)、他 | 忍之閻魔帳

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ゲームと映画が好きなジジィの雑記帳(不定期)



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PS4の予約が復活中。
年内の予約分は発売日渡しが確約されるとのことなので
残り4日以内の予約ならば発売日の入手が可能なはず。
迷っている方は数日内にご決断を。



▼2013年の映画を振り返る(1月・2月・3月編)

クリスマスも終われば世の中は一気に年越しムード。
百貨店もスーパーも一夜にして正月の準備に模様替えされ
実家の薄かった年末感が一気に押し寄せる今日この頃。

と言うわけで、昨年も行った映画の振り返りを今年もやってみたい。
まずは1月~3月にかけて公開された鑑賞作品から。



<2012年公開の2013年鑑賞作品>


・「桃(タオ)さんのしあわせ」

アンディ・ラウ主演のヒューマンドラマ。
母親代わりに育ててくれた家政婦の老後を面倒見続けた
映画プロデューサーの実体験が元になっている。
抑えの利いたアンディの芝居も素晴らしいが、桃さんを演じたディニー・イップが出色。


・「声をかくす人」

リンカーン大統領暗殺の犯人として、アメリカ史上初の女性死刑囚となった
メアリー・サラットの真実に迫った社会派のドラマ。
名優ロバート・レッドフォードがアメリカの闇にメスを入れた傑作。
私的には今年公開されたスピルバーグ監督の「リンカーン」よりずっと好み。

・「砂漠でサーモン・フィッシング」

砂漠のイエメンで釣りをしたいと荒唐無稽なことを夢見る大富豪の希望を受けて
ひとりの水産学者が奮闘するコメディタッチのドラマ。
出演作選びに定評のあるユアン・マクレガーにやはり外れなし。

・「ルビー・スパークス」

「リトル・ミス・サンシャイン」のスタッフによる、ちょっと不思議なラブストーリー。
スランプ中の小説家が、彼が理想とする女性を主人公にした物語を書き始める。
するとある日、彼の目の前に小説の表現そのままの女性が現れた。
オタク好みしそうなテーマをハリウッドらしい洗練された演出で昇華させた良作。



<2013年1月公開作品>

・「LOOPER/ルーパー」

「50/50 フィフティ・フィフティ」のジョセフ・ゴードン=レヴィットと
ブルース・ウィリス、エミリー・ブラントによるSFサスペンス。
2074年と2044年の2つの時代を行き来しながら展開する脚本は
それなりに練られているが、法律や犯罪といった大局にだけ気を配り
そこで息づく人々の生活について描き足らないため物語があと一歩盛り上がらない。
結局、若干5歳の天才子役ピアース・ガニォンに全てを持っていかれて幕。


・「テッド」

毒舌なクマのぬいぐるみが活躍するブラックコメディ。
ギャグの質からして日本では当たり辛いジャンルだが
有吉やローラを起用したプロモが功を奏し見事にヒットした。
「宇宙人ポール」や「ゾンビランド」がお好きなら間違いなし。

・「フラッシュバック・メモリーズ 3D」

2009年に交通事故に遭い、軽度の外傷性脳損傷と高次脳機能障害を宣告された
木管楽器奏者・GOMA氏の活動を追ったドキュメンタリー。
アボリジニが使っていた世界最古の楽器と呼ばれるディジュリドゥの音色が
全編に渡って鳴り響く。劇場では記憶の錯綜を3Dで表現していたが、
セルはノーマルDVD、しかも2D本編のみ。3D版でもう一度観たい。


・「ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日」

オスカー監督のアン・リーが最先端の映像技術を駆使して作り上げた
壮大なサバイバル・アドベンチャー。
映像主体で中身が薄い作品かと思いきや、実は見た目こそが添え物で
実は多大な教訓を含んだ物語。メッセージ性の強さが映像を上回った良作。


・「みなさん、さようなら」

中村義洋監督&濱田岳の名コンビによる青春ドラマ。
団地の中だけで一生生きてゆくと決めた男性が
様々なトラブルにぶつかって成長する姿を描いている。
引きこもりでもニートでもない、大真面目に狭い世界で生きようとする
男性の姿に感動を覚える隠れた良作。


・「つやのよる ある愛に関わった、女たちの物語」

群衆劇の達人・行定勲監督が愛憎入り交じる複雑な人間ドラマを描いた作品。
小泉今日子、野波麻帆、風吹ジュン、真木よう子、忽那汐里、大竹しのぶら
達者な女優陣を相手に阿部寛が奮闘している。
興行的には大失敗だが、私はかなり好みだった。

・「ストロベリーナイト」

人気ドラマの拡大版。
映画らしい大きな仕掛けがあるでもなく、SPドラマのよう。

・「東京家族」

小津安二郎の「東京物語」を現代風にアレンジした家族ドラマ。
物質的な豊かさと引き換えに家族の繋がりが希薄になってゆくのではとの想いを描いた
60年前の作品が、2013年の日本と驚くほどマッチする。
山田洋次監督らしい丁寧な演出が光るが、オリジナルには一歩及ばず。


・「さよなら、ドビュッシー」

ちょっと懐かしい、1980年代の角川映画のような雰囲気が漂う学園ドラマ。
火事から生き延びた少女の物語だが、後半にどんでん返しあり。
仕掛けそのものは少女が病院で目覚める時点でもう読めてしまうので
謎解きの楽しさはないが、古めかしい学園モノのテイストに
橋本愛が上手くマッチしていて、これは意外な掘り出し物。



<2013年2月公開作品>

・「アウトロー」

トム・クルーズが元米軍憲兵隊捜査官のジャック・リーチャーを演じた
サスペンス・アクション。派手さよりも謎解きメインで進むため
「ミッション・インポッシブル」シリーズよりもこれからのトムには似合いそう。

・「R-18文学賞vol.1 自縄自縛の私」

ストレスフルな生活からの逃避手段として『自縛』に辿り着いた女性の姿を描く
「女による女のためのR-18文学賞」受賞作品の映画化。
竹中直人が3年振りに監督復帰したことでも話題になった。
監督の善人ぶりが邪魔をしたか、せっかくの『自縛』という題材から
消化不良のまま逃げてしまったような感あり。もったいない。

・「脳男」

生田斗真主演のサスペンス。
天才的な頭脳を持った美青年と猟奇的な殺人鬼の顔を併せ持った
怪物を上手く演じているが、脚本が有り得ないほどの稚拙さで萎える。
二階堂ふみなど、将来の邦画界を担う若手の奮闘は見物。


・「命をつなぐバイオリン」

「戦場のピアニスト」「バティニョールおじさん」「善き人のためのソナタ」
「縞模様のパジャマの少年」「愛を読むひと」「サラの鍵」など
ナチズムの台頭により虐げられていた人々が愛情や友情を育む
ヒューマンドラマから、今年は子供達を主人公に据えた友情モノが公開。
この手の作品にしては珍しく、ナチスの悪逆非道ぶりを描かずに
反戦を訴える上質な演出が光る良作。

・「グレイヴ・エンカウンターズ 2」

大ヒットしたフェイク・ドキュメンタリーの第2弾。
前作の生存者も上手く再登場させて、意外とちゃんと繋がっている。



・「ゼロ・ダーク・サーティ」

「ハート・ロッカー」のキャスリン・ビグロー監督が
オサマ・ビンラディン暗殺までの舞台裏を描いた社会派のドラマ。
捜査の中心的な役割を担っていたCIAの女性分析官が
いかにしてビンラディンを追い詰めていったのか、その手法がどうであったのか、
功と罪の両面から描き出している。ビリビリの緊張感でスクリーンに釘付けになる。


・「王になった男」

ハリウッドと韓国を行き来しながら徐々に知名度を世界レベルに
押し上げているイ・ビョンホン主演の歴史ドラマ。
暴君と恐れられた朝鮮王朝15代目の王・光海君と
その影武者に抜擢された男をイ・ビョンホンが二役で熱演。
ウダイ・フセインを描いた「デビルズ・ダブル」と被るところはあるが
歴史モノには定評のある韓国らしく、非常に見応えのある作品。
韓国映画だから、イ・ビョンホンだからで敬遠するのは損。

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・「世界にひとつのプレイブック」

大切なモノが欠けてしまった一組みの男女が
互いの傷を認め支え合いながら新たな一歩を踏み出すラブストーリー。
ブラッドリー・クーパーもジェニファー・ローレンスもいいが
二人を見守るデ・ニーロやジャッキー・ウィーヴァーがまた素晴らしい。


・「横道世之介」

「南極料理人」の沖田修一監督が吉田修一の原作を映画化した青春ドラマ。
若くして亡くなってしまったひとりの青年がどう生きたのか、
80年代の風景と共に明るいタッチで振り返りながら、大切な人に先立たれた人々が
哀しみをどう癒し、笑顔を取り戻してゆくのかを描いている秀作。
主演の高良健吾を始め吉高由里子、池松壮亮、伊藤歩、綾野剛らキャストもハマっている。

・「草原の椅子」

宮本輝の同名ベストセラーを「八日目の蝉」の成島出監督が映画化した感動作。
三谷幸喜との出会いで人間味のある芝居が際立ってきた佐藤浩市が
不器用な愛情を注ぐ主人公を好演するも、ドラマの延長線といった趣は消せず。
主題歌のGLAYは明らかにミスマッチ。



<2013年3月公開作品>


・「ジャンゴ 繋がれざる者」

クエンティン・タランティーノ監督が描く、マカロニ・ウエスタンの快作。
虐げられる者の悲劇を容赦ない描写で描きながら
最後の最後で3倍返しにするいつも通りの痛快な展開はもはやタランティーノ節。
ウィル・スミスが降板してジェイミー・フォックスになったらしいが
私的にはむしろウィルよりも良かったのではと思う。
クリストフ・ヴァルツの怪演も見物。

・「フライト」

ロバート・ゼメキスが12年振りに実写作品の監督に復帰した
デンゼル・ワシントン主演のサスペンス。
序盤の墜落シーンで観客を惹き付けたまではいいのだが
主人公の最低男ぶりが度を超していて、素直に感情移入できなかったのは残念。
御都合主義をもう少し抑えてくれれば傑作になったであろう惜しい作品。

・「すーちゃん まいちゃん さわ子さん」

益田ミリの人気コミック「すーちゃん」シリーズの実写化だが
原作の熱烈なファンである私から言わせてもらえば
主人公のすーちゃん=柴咲コウという時点でナメてるのかというほどのミスキャスト。
特に美人でもなく、華やかさとは無縁の地味な生活を送るすーちゃんは
「どこにでもいそうな普通のOL」でなければならないはず。
真木よう子と二人で鍋をつつきながら愚痴ったところで、嫌みにしかならん。

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・「キャビン」

おバカな若者達が人里離れた山小屋で戦慄の一夜を過ごすホラー。
粗筋だけ聞くといつも通りのベタなB級ホラーかと勘違いしそうだが
実は古今東西のホラー映画からオイシいところを寄せ集めた
欲張りかつウルトラ級にバカな娯楽作品。
後半のしっちゃかめっちゃかぶりには大口を開けて笑った。

・「千年の愉楽」

女を惹き付けて止まない美貌を授かる一方で
必ず悲劇に見舞われる運命を持った哀しい一族の物語。
高良健吾の刺すような眼光も、だらしなさを魅力にしてしまう高岡蒼佑も、
最後に控える染谷将太も皆それぞれに色気を放っていて素晴らしい。
女を弄び、邪見に扱うことでいずれやってくる非業の死から
逃れようとしているかのような儚さが、女達を狂わせるのだろうと納得させられる。
製作費の関係か、美術や小物で明らかにおかしい箇所は散見されるものの
敬愛する若松孝二監督の遺作ということで不問としたい。


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・「愛、アムール」

「白いリボン」のミヒャエル・ハネケが、
世界的に社会問題化している老老介護問題に迫った作品。
何不自由ない生活を送っていた老夫婦の妻がある日突然倒れて寝たきりになり
妻を介護し続ける夫が徐々に疲弊してゆく姿を捉えている。
重苦しい作品ではあるが、命ある者が避けて通ることのできない
「人生の最期」について深く考えさせられる。


・「クラウド アトラス」

「マトリックス」のウォシャウスキーブラザーズが練り上げた壮大な歴史ドラマ。
複雑に絡み合うストーリーには宗教観が色濃く盛り込まれ
単なるSF映画として片付けるにはもったいない。
ペ・ドゥナの可憐さとベン・ウィショーの繊細な生き様が強烈な印象を残す。

・「ひまわりと子犬の7日間」

実話をもとにした書籍「奇跡の母子犬」を山田洋次監督作品で脚本を手掛けてきた
平松恵美子が堺雅人や中谷美紀らを迎えて映画化したもの。
保健所に収容された子連れの母犬と職員との心温まる交流を描いている。
お手軽に涙を搾り取ろうとする動物映画の乱発に一石を投じる良作。
オードリーの若林正恭がなにげに好演。


・「ジャックと天空の巨人」

定番の童話を「X-MEN」のブライアン・シンガーが映画化したファンタジーアクション。
ターセム監督の「インモータルズ 神々の戦い」も真っ青な肉弾バトルや
「三銃士」的コミカル演出を随所に挿入したリズミカルな脚本によって
「塔の上のラプンツェル」的な大団円で幕を閉じるまで
中だるみもなく観客を引っ張ってゆく。
ニコラス・ホルトは「ウォーム・ボディーズ」でも主演し今年はアタリ年。

・「チキン・オブ・ザ・デッド/悪魔の毒々バリューセット」

「悪魔の毒々モンスター」のロイド・カウフマンが久々に大復活を遂げるも
やっぱりお下劣一直線だった安定のウルトラB級ホラー。
笑えるほどのグロと食欲の失せる汚さが同居するノリは井口昇あたりにも通じる。

映画 ポスター チラシ シュガーマン
・「シュガーマン 奇跡に愛された男」

いつ叶うともわからぬ夢を抱きながら生きる全ての人々に
希望を与えてくれる音楽ドキュメンタリー。
本国ではセールス不振から既に表舞台を去っているひとりのミュージシャンの歌が
世界の反対側で熱狂的な支持を集め、国民的なスターになっていた。
事実は小説よりも奇なりを地でいく作品。今後名作として語り継がれるはず。


・「ザ・マスター」

お飾りの教祖と、戦時中に心に負った傷がいつまでも癒えない男。
どうしようもない寂しさを抱えた二人の男が
共依存のように互いを必要とする人間ドラマ。
トム・クルーズやジェニファー・ロペスなど、多くのスターを信者に持つ
宗教団体サイエントロジーの問題を描いている。
エイミー・アダムス演じる教祖の妻が心底怖い。

・「だいじょうぶ3組」

例の入店拒否事件で世間のイメージを一変させてしまった乙武洋匡の自伝を
乙武自身の主演で映画化した感動ドラマ。
一応実体験のはずだが、どう見ても都合良く改竄されているし
助けてくれた周りへの感謝よりも「頑張った僕偉い」に終始することに嫌悪感。
事件後に公開されていたら劇場が炎上していたな。


・「シュガー・ラッシュ」

「ザ・シンプソンズ」などを手掛けてきた
リッチ・ムーアの脚本・監督によるディズニー新作アニメ。
閉店後のゲームセンターを舞台に
人気の廃れてしまったゲームの主人公が輝きを取り戻そうと奮闘する物語。
オタク大歓喜の作品かと思いきや、ゲーム業界へのこだわりよりも
低年齢層(女児)が喜びそうなスウィーツ&カワイイが山盛りの作品。
「マリオカート」大好きキッズは後半大興奮間違いなし。
ジジィゲーマーは、膨らみきった期待を半分ぐらいまで萎めておくと吉。

・「ボクたちの交換日記」

売れない芸人コンビが「笑い」に人生をかける青春ドラマ。
監督を務めたのは、ウッチャンナンチャンの内村光良。
主演のお笑いコンビには伊藤淳史と小出恵介。
作中で描かれる「若手芸人の苦悩」がリアルであればあるほど
「笑いだけ」を提供してくれればいいこちら側の人間は戸惑う。
作品としてのクオリティが低いのではなく、
この作品を発表するメリットを見出せない。



▼湘南WINTER MEETING Vol.13 吉田美奈子 × 森俊之 DUO

吉田美奈子 湘南WINTER MEETING 歐林洞 鎌倉 森俊之

鎌倉の小町通りを抜け、ゆるやかな坂道を上がっていくと歐林洞が見えてくる。
一階は喫茶と洋菓子の販売、二階はギャラリーサロンのこの洋館で
毎年一日だけ、私がもっとも敬愛する吉田美奈子がライブを行う。
「湘南WINTER MEETING Vol.13 吉田美奈子 × 森俊之 ~DUO~」
ナンバリングは13となっているが、ライブ中のMCによると今年で14年目らしい。
ピアノ(オルガン)と歌だけのデュオというシンプルな形式は変わることなく
これまで塩谷哲、倉田信雄、武部聡、河合代介ら
そうそうたるメンバーがパートナーを務めてきた。
今年のピアノは、角松敏生、椎名林檎、スガシカオらのサポートで知られる森俊之

開場は16時半、開演は17時。
彼女の経歴(今年で40周年、ご自身は還暦を迎えられた)からして
ファンの年齢層は当然高く、師走の平日に16時半に来場するのはかなり難しい。
それでも、毎年チケットは即完売しプレミア化しているのだから
音楽ファンの間での注目度の高さ、熱狂ぶりが分かろうというもの。
ライブは二部構成で、一部終了後の休憩時間には
一階にて紅茶やケーキ、ワインなどが振る舞われる。
バラード中心のセットリストは、通常のライブでは決して味わえない贅沢な3時間だ。

開場時間になり、階上に案内されると
いつものようにスタンドマイクと、その前にiPad miniが設置されていている。
あと数十分もすれば彼女がそこに登場するのだという興奮で早くも胸が高鳴る。

2013年のセットリストは以下の通り。

01. Thanks To You
02. 声を聞かせて
03. もみの木
04. Ghost
05. 12月のillumination
06. 月明かりの中庭
07. 30秒の奇蹟
08. 春よ来い

09. Moon Drops
10. 雨
11. Frame
12. Lung-Ta
13. 凪
14. 音楽の言葉
15. 幸せの境界線
16. The Life

17. Smile
18. 星の海

アンコールも含めると全18曲。
一部楽曲はYouTubeへのリンクも用意したが
はっきり言って吉田美奈子の歌はCDやDVDにパッケージされたものと
生(ライブ)とでは、臨場感・メッセージ性・神々しさにおいて
天と地ほどの開きがあることを強調しておきたい。

今年で古希(70歳)を迎えたジョニ・ミッチェルや
来春に来日が予定されている、72歳になってもまだまだ精力的な
ボブ・ディランの今を紹介しながら、自分もそうなりたいと語る彼女の言葉に
説得力があるのは、年齢と共に変化してゆくボーカルといかに付き合っていくか、
還暦を過ぎてもたゆまぬ努力で新たな可能性を追求し続けるストイックさが
全て今の歌に表れているからに他ならない。

「ジョニ・ミッチェルもボブ・ディランも
 別人のように声が変わってしまったけれど、どちらもカッコいい。
 年齢と共に変わってゆく声も引き受けて
 その上で今の自分を投影してゆくことが歌い手としての正しい姿だと思う。」


最新アルバムにも収録されている「The Life」は
寂しさも哀しみも受け入れて、誰かの幸せを祈りつつ人生を歩もうとする歌で
今の彼女のライブのスタンスともシンクロする名曲である。
ピアノの森俊之氏も、この曲を弾きながら泣いていた。

「とにかく皆様が健康で幸せでありますように。
 それだけを想って、吉田は歌っております。」


来場者ひとりひとりの一年分悲喜交々を全て引き受ける大らかな声に包まれて
多くの者が涙を流し、終演後はまるで憑き物が落ちたかのように
晴れやかな顔で会場を後にする。
日本に住んでいて、幸運にも同じ時代に生を受けていながら
吉田美奈子のライブを経験しないのは人生の損である。

残念ながら、吉田美奈子がネットで取り上げられる際には、
未だに「山下達郎と共同制作をしていた頃が最高」とする紹介や、
多くの議論を巻き起こしたCCCD問題の戦犯のように書かれていることが多い。
百の言葉で取り繕うより、音楽家らしく一曲の歌で語ろうとする彼女の姿を
ずっと追い続けてきた私としては、(取り上げられないよりマシとはいえ)
まるで懐メロ歌手のような文脈で語られることも
断片的な情報に尾ひれがついて拡散し、未だにネットのあちこちで
誤解の解けぬまま燻り続けていることも悔しい。

40周年の節目にも派手なことはせず、粛々と音楽と向き合う吉田美奈子こそ
日本の音楽シーンの至宝である。
たった一度でいい、彼女の生に触れてみていただきたい。

来年も三人編成のツアーが予定されている。
ハモンドオルガンの河合代介氏は続投し、
ドラムは沼澤尚氏から村上"PONTA"秀一にバトンタッチするとか。
ポンタとの編成でツアーとはこれまた贅沢。
少人数体制でこそ真価を発揮する、吉田美奈子の魅力に触れるにはうってつけのツアー。
近日中にライブの詳細(日程など)が発表されるはずなので
お近くで開催されるようなら是非足をお運びいただきたい。

【関連記事】鎌倉「歐林洞」湘南WINTER MEETING VOL.12



デビュー目前の1970年に、学習教材用として
宮沢賢治作「ほしめぐりのうた」を製作した当時の貴重な音源。
この後ショーボートと契約し、キャラメル・ママを迎え「扉の冬」でデビューを果たす。
先日のライブでも、友人である松任谷由実の「春よ、来い」をカバーしていたが
ポップスやファンクやジャズを自由に渡り歩いてきた彼女の音楽的なスタンスは
この頃から変わっていないのだということが良く分かる。
1970年の「星めぐりの歌」から2013年の「春よ、来い」までが一本の線で繋がっている。



●SPANGLES / 吉田美奈子(Light Mellow on the web)
音楽ライター・金澤寿和氏による12月初旬に行われたライブレポ。

●吉田美奈子・森俊之 DUO 12/25 2013@鎌倉・歐林洞(Me & Mr. Eric Benet)
内容からしてどの方かピンと来た。
確かに熱烈なファンと思しき方が座っていたが
入場してすぐにマイク側まで駆け寄り、
足下に置かれたセットリストの紙をばしゃばしゃと撮影していたような。
あれはマナー的にどうかと思う。