引退撤回で大正解。映画「マラヴィータ / THE FAMILY MALAVITA」 | 忍之閻魔帳

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▼今週発売の新作ダイジェスト


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11月14日発売■PSV:「GOD EATER 2 / ゴッドイーター2」
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11月14日発売■360:「コール オブ デューティ ゴースト 字幕版」
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▼引退撤回で大正解。映画「マラヴィータ」

2010年公開の「アデル ファラオと復活の秘薬」公開時のインタビューにて
引退宣言を撤回し、ファンを喜ばせたリュック・ベッソン。
近年はプロデュース業に傾いていたので
撤回と言ってもそれほど精力的に監督業はやらないだろうと
何となく思っていたところに出てきたのが、
昨年当BLOGでも紹介した「The Lady アウンサンスーチー ひき裂かれた愛」。
そして次に届けられたのが、この「マラヴィータ」である。

トニーノ・ブナキスタの人気小説の映画化で
製作総指揮はマーティン・スコセッシが担当。
主演は名優ロバート・デ・ニーロ。
マフィアのボスであり、キレ易い家族をまとめる長でもある主人公は、
強面から優しい父親まで幅広くこなすデ・ニーロにはうってつけ。
デ・ニーロの妻には「ダーク・シャドウ」のミッシェル・ファイファー、
長女役には「glee」のクイン役でお馴染みのダイアナ・アグロン、
デ・ニーロを監視するFBI捜査官には「リンカーン」のトミー・リー・ジョーンズ。



マフィアやギャングが登場する映画が総じて重厚で渋かったのは昔の話。
今年公開された「L.A.ギャングストーリー」は
ティーンにも楽しめるギャング映画として作られていたし
シュワルツネッガーの映画復帰作である「ラストスタンド」も
街を守る保安官が主人公のアクション映画だが
コメディ(悪ノリ)要素を強めた演出で新境地を開拓していた。
「マラヴィータ」にダイアナ・アグロンがキャスティングされているのも
おそらく若年層にもアピールするためだろう。
岩下志麻が「極妻」で「これからの極道は変わらなアカン」と言っていたのは
この日が来ることを予見していての発言に違いない。さすがは志麻姐さん。

本作は証人保護プログラムによってFBIの監視下に置かれている
マフィアのボスとその一家が、危険を避けて各地を転々とする流浪の物語である。
居所がバレれば即引っ越しという設定はシリーズ化に最適。
家族全員のキャラクターも立ちまくっているので
その気になれば何本でも続編が作れそうな枠組みが既に完成されている。

誰もが震え上がるマフィアのボスが
妻や子の前では一方的に言いくるめられて肩をすぼめる
「普通のお父さん」になってしまうあたり、まさにデ・ニーロにもってこい。
訪れるスーパーを次々に爆破してゆくミッシェルも
母親譲りの美貌と負けん気を駆使して、小馬鹿にする男を踏みつけ、
ターゲットにした男を必ず落とすダイアナ・アグロンもチャーミング。
フットワークの軽さを活かした情報収集であっという間に
学内でネットワークを構築する長男にもばっちり見せ場が用意されていて
マフィア版の「Mr.インクレディブル」と言ってもいいかも知れない。
居場所が暴かれ、襲撃される後半では全員が迅速に行動し、
見事な連携プレーを見せてくれる。
「親の背を見て子は育つ」を絵に描いたような展開はかなり爽快だった。

タイトルの「マラヴィータ」とは、一家が飼っている犬の名前。
定住する場所を持たない彼等にとって、名前とはかりそめのもの。
馴染んだ頃に捨て去り、また別の名を名乗らなければならない
マフィア一家の宿命から唯一逃れているのが、このマラヴィータ(犬)だけなのだ。
作中でのマラヴィータは特別活躍するわけではないが
家族の成り行きをFBI捜査官よりも近くで見守っている、言わば生き証人である。

引退を撤回してから肩の力が抜けたのか、ベッソンはこれで二打席連続のヒット。
「グラン・ブルー」や「フィフス・エレメント」の頃とはまた違う
壮年期後半ならではの落ち着きが作品に出てきて
これから向こう10年間ぐらいは名作を連発してくれそうな予感。
スコッセッシの監督作「グッドフェローズ」がさりげなく本編に使用されていたり
コンビネーションも抜群なので、是非とも同じ製作陣で続編が観たい。

映画「マラヴィータ」は11月15日より公開。



★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
  タイトル:マラヴィータ / THE FAMILY MALAVITA
    配給:ブロードメディア・スタジオ
   公開日:2013年11月15日
    監督:リュック・ベッソン
   出演者:ロバート・デ・ニーロ、ミッシェル・ファイファー、他
 公式サイト:http://www.malavita.jp/
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★



発売中■Blu-ray+DVD:「L.A.ギャングストーリー」

1940年代後半から50年代にかけてLAを牛耳っていた
巨大犯罪組織のボス、ミッキー・コーエンと
彼に煮え湯を飲まされ続けた市警との駆け引きを描いたサスペンス。
主演はジョシュ・ブローリン、共演にライアン・ゴズリング、エマ・ストーン。
ミッキー・コーエンを演じるのはショーン・ペン。
監督は「ゾンビランド」で話題を集めたルーベン・フライシャー。

本作の狙いは今までのマフィア映画のような『完全大人向け』から脱却して
もう少し若い世代にも楽しんでもらうことではないかと思う。
でなければ、監督に「ゾンビランド」のルーベン・フライシャーを起用するはずがない。
ショーン・ペン演じるミッキー・コーエンが
それほど悪逆非道なやつに見えないのも、荒廃したLAの街並よりも
LA市警直々の隠密組織がギャング団をこてんぱんに追い込んでゆく
活躍ぶりにスポットを当てているからだろう。
ヒリヒリするような緊張感の代わりに、「オーシャンズ11」のようなスタイリッシュさと
「七人のおたく」のような軽さを全面に押し出した快作。
これはお薦め。




11月20日発売■Blu-ray:「ラストスタンド」
11月20日発売■Blu-ray:「ラストスタンド Premium-Edition」

シュワちゃん10年振りの映画復帰はやはりアクション。
田舎町でひっそり暮らす老保安官が、街の住民と協力して
国外逃亡を企てている麻薬王をやっつける痛快なストーリー。
監督は本作がハリウッドデビューとなる
「グッド・バッド・ウィアード」「悪魔を見た」のキム・ジウン。
大スターを迎えても臆することなく
どぎつい笑いや残虐過ぎて逆にコミカルになる演出が冴え渡る。

タランティーノの撮るウエスタンが古き良き作品へのオマージュなら
こちらは「本物ではありません」と但し書きをつけながら
しっかりオリジナリティもある野心作。

昨年から今年にかけて、韓国映画界を代表する監督が次々とハリウッドに進出している。
先陣を切ったのは「オールド・ボーイ」「親切なクムジャさん」のパク・チャヌクで。
ニコール・キッドマンを主演に迎えた「イノセント・ガーデン」を発表。
続く二番手がキム・ジウンの「ラストスタンド」。
そして来年2月には「殺人の追憶」「母なる証明」のポン・ジュノが
監督・原案・脚本を手掛ける「Snowpie­rcer/スノーピアサー」が待機中。

●ポン・ジュノ監督最新作『スノーピアサー』来年2月公開決定!
クリス・エヴァンス、ソン・ガンホら名優が勢揃いの近未来SF超大作


原作はフランスのコミック「LE TRANSPERCENEIGE」。
舞台は、化学薬品によって地球温暖化を防ごうとした結果、
新たな氷河期に突入して17年、すべてが雪で覆われた2031年の地球。
生き残った人間はすべて一台の列車に乗って生活している、
現代版“ノアの方舟”のような設定だ。
映画は、先頭車両に乗って人々を支配する上流階級と、
奴隷のような扱いを受ける後方車両の乗客たちの壮絶な戦いを描く。

「キャプテン・アメリカ」のクリス・エヴァンス、
「少年は残酷な弓を射る」のティルダ・スウィントンの他にも
「ヘルプ 心がつなぐストーリー」でオスカーを受賞したオクタヴィア・スペンサー、
エド・ハリス、ジョン・ハートらの大御所に加え
韓国映画界のトップスターであるソン・ガンホも重要な役所で出演するらしく
今から公開が楽しみ。

日本映画界からはJホラーブームの波に乗って
清水崇や中田秀夫が進出して以降はあまり名前を聞かないのが寂しい。
お手軽なテレビ映画ばかり作ってきたツケだろう。
頑張れ日本映画。



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