▼舟を出せ。映画「ハッシュ・パピー バスタブ島の少女」
本作をもって、2012年度のオスカー作品賞候補の紹介が全て終わる。
「アルゴ」(ベン・アフレック、大化け。映画「アルゴ」)
「愛、アムール」(愛すればこそ。映画「愛、アムール」)
「ジャンゴ 繋がれざる者」(愛だろ、愛っ。映画「ジャンゴ 繋がれざる者」)
「レ・ミゼラブル」2012年の締めくくりに。映画「レ・ミゼラブル」)
「ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日」(最後の一滴。映画「ライフ・オブ・パイ」)
「リンカーン」(熱意と執念の人。映画「リンカーン」)
「世界にひとつのプレイブック」(カケラとカケラ。映画「世界にひとつのプレイブック」)
「ゼロ・ダーク・サーティ」(『聖戦』と『正義』。映画「ゼロ・ダーク・サーティ」)
作品賞候補は逃したものの、部門賞まで拡げれば「フライト」「ザ・マスター」
「声をかくす人」などが入ってくるのだから、バリエーションという点からすれば
2012年は例年になく多彩な作品が出揃った年だったように思う。
そんなオスカー作品のトリを飾るのは、「ハッシュ・パピー バスタブ島の少女」。
アメリカ・ルイジアナ州に浮かぶ小さな小さな島・バスタブ島で暮らす
ひと組の父娘を通して、沈みゆく街で暮らす者達の姿を描いた作品。
監督は、本作が実写初監督作品となるベン・ザイトリン。
以前はアニメーター&作曲家として活動していたらしく
本作でも音楽・脚本を兼任している。
主人公の少女ハッシュ・パピーを演じるのはクヮヴェンジャネ・ウォレス。
史上最年少でオスカーの主演女優賞にノミネートされたことでも大きな話題となった。
(撮影時は6歳、現在は9歳)
舞台となっているバスタブ島はルイジアナ南洋の小さな島で
周囲を土手に囲まれた低地、いわゆるゼロメートル地帯である。
ひとたび嵐がやってくれば、鉄砲水に呑み込まれてあっという間に家屋は流され
海水の流入によって家畜や魚まで死滅してしまう。
一年で最も祭りの日が多い地域として知られているらしいこの島は
地球温暖化による海面上昇が進めば、おそらく真っ先に沈んでしまうに違いない。
そびえ立つ堤防の向こうで暮らす人々からすれば
何をするにも不便な土地で原住民のような暮らしをするバスタブ島の人々は
何を好き好んでと思っていることだろう。
壊されては再生し、壊されては再生しを繰り返してきた島民達は
それでも島を離れようとはせず、とれたての魚介と酒で今日も宴に明け暮れる。
2005年8月にアメリカを襲ったハリケーン・カトリーナに着想を得て
本作が作られていることはほぼ間違いないが、この映画はドキュメンタリー方面には走らず
失意の底でも光を探し当て、何度でも這い上がろうとする人間の強さにスポットを当てる。
命とは何か、死とは何か、あらゆる生き物の心音を聞いて
その謎に迫ろうとする6歳の少女ハッシュ・パピーが
最も身近な存在である父の死に直面し、生きるとは何かを知ってゆく物語でもある。
大半は過酷な現実世界での話だが、先生が教えてくれたオーロックスや
別世界のように華やかなフローティング・バーといったキーアイテムが
ファンタジックな要素を盛り込み、逃れようのない劣悪な生活(現実)で生きるしかない
ハッシュ・パピーの成長物語を後押ししている。
アニメ出身の監督であることはオープニングからして明白で
ことジブリ作品には相当強い影響を受けているものと思われる。
分かり易く言えば本作は、「もののけ姫」+「風の谷のナウシカ」である。
ただし、単純にアイディアを拝借しただけでなく、
元ネタを消化&昇華させている部分も多く、初監督でここまで出来れば上出来。
インディペンデント系のためか、鍵となるオーロックスの造形が
あまりにも貧弱なことを除けば不満はほぼ無い。
生きることは死ぬことと隣り合わせ。
親の死を超えた先に、私たちの未来はあり、
私たちが死んだ先に、子どもの未来が広がっている。
哀しみを乗り越えた先には、必ず歓びが待っている。
映画「ハッシュ・パピー バスタブ島の少女」は現在公開中。
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
タイトル:ハッシュ・パピー バスタブ島の少女
配給:ファントム・フィルム
公開日:2013年4月20日
監督:ベン・ザイトリン
出演者:クヮヴェンジャネ・ウォレス、他
公式サイト:http://www.bathtub-movie.com/
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
発売中■DVD:「ビューティフル アイランズ 気候変動 沈む島の記憶」
本作を観て真っ先に思い出したのがこちら。
このまま気候変動が進めば、真っ先に沈んでしまうだろうと言われている
南太平洋のツバル、イタリアのベネチア、アラスカのシシマレフ島の
人々の暮らしを追ったドキュメンタリー。
監督は映像作家の海南友子。エグゼクティブプロデューサーは是枝裕和。
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世界観や演出法でなんとなく思い浮かんだのがこのあたり。
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