ますます魅力を増したクレイグ・ボンド最新作。映画「007 慰めの報酬」 | 忍之閻魔帳

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■BD :「007 / 慰めの報酬」
■DVD:「007 / 慰めの報酬 2枚組特別編 初回生産限定」

「カジノ・ロワイヤル」のスチールが公開された頃は
私の周りでも非難囂々であったはずのクレイグ・ボンド。
公開直後、不安は大歓声に変わり、たった1作で多くのファンを獲得、
2作目にあたる本作では「007」シリーズ中最高の初動記録を叩き出すなど、
今や世界中を熱狂させるシリーズに成長した。
今回は、日本でもいよいよ今週末より公開される
シリーズ最新作「007 慰めの報酬」を紹介しよう。

何者かの手によって恋人のヴェスパーを殺されたボンドは、
彼女にスパイ行為を指示していたミスター・ホワイトを捉えて尋問を開始。
彼の背後に存在しているのは、環境保護を掲げる慈善団体「グリーン・プラネット」。
そこで代表を務めるドミニク・グリーンは、温厚そうな表情とは裏腹に
天然資源の独占を目論む野心家の男だった。
直属の上司であるMからは、私情を挟むことなく任務を全うせよとの
指示が出ていたが、愛する家族をグリーンに殺されたという謎の女性、
カミーユと出会ったことで、ボンドの目的はグリーンへの復讐へと傾いていく

主人公ジェームズ・ボンドにはダニエル・クレイグ。
ボンドと行動を共にするカミーユには「ヒットマン」のオルガ・キュリレンコ。
敵役グリーンには「潜水服は蝶の夢を見る」のマチュー・アマルリック。
Mはイギリスを代表する大女優ジュディ・デンチ。
監督は、「チョコレート」「ネバーランド」「君のためなら千回でも」など
ヒューマンドラマの傑作を多数手掛けるマーク・フォースター。



■YouTube:「007 慰めの報酬 予告編」

シリーズ22作目となる本作は、前作「カジノ・ロワイヤル」の
エンディングの1時間後から物語がスタートするという、
「007」シリーズ初の完全な続編。シリーズ中最長であった
「カジノ・ロワイヤル」の145分とは逆に、本作は106分とシリーズ中最短。
スピード感を重視してか、完全な続き物であるにも関わらず、
前作の復習などは一切用意されていない。
観客は何もかも承知の上との前提でストーリーが展開するため、
「カジノ・ロワイヤル」を観ていないと訳が分からないという方も多いと思う。
「キル・ビル」の「Vol.1」を観ずに「Vol.2」を観るようなものなので、
前作を未見の方は必ずDVDで予習、公開当時に観たきりという方も
念のため復習してから観に行くことを強くお勧めしておく。

ただ、新規ファンへの救済措置をばっさり切った分だけ
「カジノ・ロワイヤル」に熱狂したファン(私含む)には
全編これ見所というほどに面白い。
恋人を失った男性の復習劇という点がマット・デイモン主演の
「ジェイソン・ボーン」のシリーズと被らないでもないが、
最後までクールに決めるジェイソン・ボーンより
時折少年のようなやんちゃぶりや弱さを見せるクレイグ・ボンドの方が
遥かに魅力的な人物として描かれている。
ヒューマンドラマを撮らせれば天下一品のマーク・フォスターを
監督に起用したことが、ボンドの人物像をより深みのあるものにしているのだ。
憎まれ口をきいてばかりのボンドとデンチ演じるMとの関係も
実は仲の良い母親とどら息子のようで微笑ましい。

歴史あるシリーズだけに、初期のファンには色々と言いたいこともあろうし、
実際に私も「これはボンドでなくても…」と思ったりもした。
しかし、本作はあくまでも「ジェームズ・ボンドが誕生する瞬間」を描いた
エピソードなので、クレイグ・ボンドがボンドらしくなっていくのは
今後のお楽しみとして取っておくことにした。

最後にひとつだけ豆知識を。
本作にはマーク・フォスターと友人である「パンズ・ラビリンス」「ヘルボーイ」の
ギレルモ・デル・トロや、「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」
「トゥモロー・ワールド」のアルフォンソ・キュアロンなどがカメオ出演している。


■BD:「007 カジノ・ロワイヤル スペシャル・エディション」
■DVD:「007 カジノ・ロワイヤル スペシャル・エディション」

事実上2作セットの本作の「Vol.1」的な位置付けとなる「カジノ・ロワイヤル」。
昨年末にBD、ノーマルDVDの両方で特典映像を追加した
新バージョンがリリースされている。
私はBD版を追加購入済み。


■Xbox360:「007 慰めの報酬」
■PS3:「007 慰めの報酬」
■PS2:「007 慰めの報酬」
■Wii:「007 慰めの報酬」

「カジノ・ロワイヤル」と「慰めの報酬」の
2つのエピソードをゲームで再現した、ゲーム版「007」。
2009年3月26日発売。

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  タイトル:007 慰めの報酬
    配給:ソニー・ピクチャーズ
   公開日:2008年1月24日
 公式サイト:http://flash.sonypictures.com/intl/jp/movies/quantumofsolace/site/
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