「柳沢きみお/俺にもくれ」
全2巻 小学館 (愛蔵版はさくら出版)
中年男佐々木秀夫(ささき・ひでお)は、十年の期限でもう一度違う人生を送ろうと、全財産を妻子に残して二千万円だけ持って上京する。
組抜けした暴力団から餞別にもらった拳銃を持って上京した青年・安藤政雄(あんどう・まさお)と互いのカバンを取り違えたことで知り合い、意外な人生を歩んでいく・・・
この作品も中年男性が、満ち足りた人生に疑問を持ちこれでいいのだろうか?と自問自答する姿が描かれている。この手の作品では主人公がモテモテのハンサムの事が多いのだが、本作は芯の強い中年だがあまり格好の良い主人公ではない。
他の作品と違い、いきなり主人公が10年間の失踪(自分探し)から始まる。全2巻で1巻は普通だが2巻ではヤクザになり一家を構えるというなんともな展開となるが、途中で話の展開が大きく変わるのは柳沢漫画の特徴だと思う。なんだかんだで本作はちゃんと完結。
どちらかというとファン向けの作品。入手は微妙でさくら出版のほうの入手しやすい。