運転手さんのモチベーション | メンタルを変え行動に導く。苫米地式コーチング

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過去に「おまえはダメだ」という評価を人から与え続けられてしまったために、自信喪失に陥ってしまい、本来できるはずなのに「私にはできない」と自分に自分の限界を与えてしまい、能力を発揮できず負のスパイラルから抜け出させずにいる人を助ける。
マンツーマンコーチング

運転手さんのモチベーション

小田急線の新宿駅のホームの先頭に立つ20代半ばの運転手さんがいました。
滑り込んでくる次に来る電車の運転手さんでした。

少し電車が来るまでに時間がありそうなので声をかけてみました。

「運転手さんは一日に何時間ぐらい運転しているのですか?」

すると、丁寧にカバンの横から今日の運行予定表を見せてくれたのです。

そこには、述べ運転時間が8時間となっており、翌日は朝から5時間勤務。
夜間は宿泊所で仮眠をとるとのことでした。

そこで、聞きました「寝坊することなどないのですか?」

運転手さんは「寝坊したことはないですよ」
おお、スゴイですね。

「もし、寝坊したらどうするのですか?」

「そのようなことの無いように、労務担当の人が起こしに来てくれるようになっています」
ちゃんとリスク管理ができているシステムだ。

しかし、人間であれば風邪をひいたり、体調不良の時はあるはず。

「翌日起きた時、体調が悪かったらどうするのですか」
「その時は、前に運転していた人がそのまま引き継ぐことにないっています」
なるほど。

「なので電車が運休することがないのです」

突発的な場合も、対応できるようになっているから電車が止まることがないそうです。

では、日中、運転中にトイレに行きたくなったらどうするのか?

「その時はガマンしています」
ガマン。生理的なものでも気合で乗り切るってことか。

でも、ガマンできないことだってあるはず。
「そんなときはどうするのですか?」

「どうしようない時は無線で知らせて交代するようになっています」
「眼鏡が壊れたとか、体調が悪くなったときはそのようになっています」

私と話した運転手さんは、今までこのようなことはなかったとのこと。
やはり、人の命を預かるからこそ体調管理をしっかりしているようだ。

こんな話をしていると、ホームに電車が入ってきた。


では、運転手さんの、そのモチベーションはどこからきているのか。
コーチング理論でいえば、Want to「やりたいこと」であるからこそ
自然と体調管理もしていて、寝坊もしていないのではないかと私は考えました。

そこで、どストレートに聞いてみました。

「運転手はやりたかった仕事ですか?」

すると、私の目をまっすぐ見て、そして力強く笑顔で

「はい!」

と答えてくれました。

その言葉には、誇らしさと責任感を感じました。
Want toでやっているということは、自分のためだけでなく
他人を安全に送り届ける意味でも大切なことに繋がっているのです。

もしも、やりたくないでやっている運転手であったなら、乗る方は不安でたまりません。
誇りと自信と責任を持っているからこそ、電車は遅れることなく安全に毎日運行しているのです。

常に「Yes,I'm good」であれば、Want toであれば
自分にも、他人にも最高の状態をつくり続けることができるのですね。

ゴールにクライアントを送り届けるコーチとして
自己の体調管理も含めて最高のコーチング届けたいと考えることとまったく同じ。

運転手さんとは、つかぬ間の会話でしたが、送り届ける者として嬉しいかぎりでした。

運転手さん、ご安全に。
そして、ありがとうございました。