キャラメルボックス『スロウハイツの神様』を観てきた。
辻村深月さん原作の舞台化。

ストーリー
10年前、福島県で集団自殺事件が発生し、15人が死亡。
首謀者の部屋には、小説家チヨダ・コーキの書籍と関連グッズが溢れていた。
コーキはインタビューで「責任を感じますか?」と聞かれ、
「僕が書いたものが、そこまでその人に影響を与えたことを、ある意味では光栄に思います」
と答えてしまう……。
10年後、脚本家の赤羽環は、知り合いの老人から元・旅館の建物を譲り受け、アパートに改造。
「スロウハイツ」と名付けて、友人たち5人と暮らし始める。
その中には、チヨダ・コーキの姿もあった。
そこへ新たな住人として、小説家志望の加々美莉々亜がやってくる。
莉々亜はコーキの大ファンで、彼の部屋に入り浸り始める……。
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今回は再演。
私は初演(2017年7月)を観ていないから、今回が初見。
原作も未読。
どうやら上下巻の長いストーリーらしい。
なので、2時間に詰め込んだ舞台では
原作読まないとワケがわからない部分がところどころあった。
「なんで急にその話出た?!」
「え?その人だれ?」
「なんで同じ出版社の同じ編集者が、担当作家の作品を盗作させる?」
ストーリー展開が早すぎて付いていけなーい。
この辺の“置いていかれ感”は原作を読めば解決しそうだけれど。
特徴的だったのが、割と序盤で周りの観客がすごいすすり泣きをしていたこと。
1人じゃなくて、複数名。
「なぜ今泣く?このシーン泣くところじゃないのに??」
と思っていたけれど、最後の回想シーンで一気に解決。
私もガン泣きした。
泣いていた人達は初演を観たのね。
だから序盤のシーンであんなに泣いていたんだね。
こういう展開大好き。
キャラメルボックスらしい。
原作があるけれど、成井さんが『これは私の物語だ』って言ったのも分かる気がする。
ちょっと辻村深月さんに失礼すぎるけどね笑
THEキャラメルボックス!な王道ストーリーだった。
BOY MEETS GIRL最高。
影からこっそり見守るBOY最高。大好き。
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観に行った日は、たまたま上演後にアフタートークイベントがあって
原作の辻村深月さんも登壇。
ん?!
この人知ってる!ゴロウ・デラックスで観た!!
同僚にめちゃめちゃ似ていて
「あれ?あの子いつの間に小説家になったんだ?」ってわざわざ調べた人だ!
もちろん、別人だったけど 
顔を見てやっと名前と人物が一致。
あの人が辻村深月さんかぁ……。
高校生の頃からキャラメルボックスのファンだったとかで
舞台化をとっても喜んでいらっしゃった。
「さすが作家だな」と、思わず感心するほど
話す言葉がなだらかで分かりやすくてスッと入ってくる。
とにかく話が上手い。
これこそ“作家”だよね。
他傷行為を繰り返す繊細チンピラの“自称作家”とはレベルが違いすぎ。表現が下手で人を傷付けてばかりの“自称作家”は作家の風上にも置けない。アメブロのレコメンドに出さないで欲しい。
辻村深月さん、ドラえもんの最新映画の脚本も担当しているらしい。
きっとそれも素敵なストーリーなんだろうな。
そしてそして!
『クロノス・ジョウンターの伝説』が映画化!!

『映画史上最も切ないハッピーエンド』
って書いてあったけれど、あれはハッピーエンドなの?
ハッピーどころじゃないよぉ…… 
あんな悲しい話はないよ。
キャラメルボックスの舞台『クロノス』を初演、再演含めて何回も観た。
同じ舞台を何度も観たのはこれが初めて。
何度でも観たくなるストーリー。
何度観たって結末は変わらないのに、毎回吹原を全力で応援してしまう。
映画は、どうしようかな。
キャラメルボックス(菅野Ver.)の舞台を超えられるのかな。




