欠けを埋めてから動き出そう

前回（詳しくはこちら→★）こういう文言を書きました。

整体の基本である気の手当て法＝愉氣法（ゆきほう）では背骨に順に手を当てて、自然に引かれて手の止まるところに集注します。吸い付くという表現をする人もあります。

どういうところに手が自然に止まるのかというと、愉気を受けている人の体が、一つにまとまるところです。

前回は、そこに手を当ててもらって（気を集めて）歩くといいと言うことに触れました。

そうすると歩くのが速くなる、軽くなる、足が自然に出る足音が減る、床を蹴らずに滑るように進むようになります。歩くのが変わるだけではありません。

その歩き方が出た時は、首を回しても肩を回してもぐにゃぐにゃに緊張が抜けています。ところが、西洋風に胸を張って腕を振って、床を蹴って歩くと途端に首は張り、肩はこわばります。

そこに手を置いてもらうと、セラピストの手は忽ちレベルアップし、ボクシングのパンチは強くなり、整体の気は通り、視野は広がり本を読むのは速くなります。

あらゆることで確かめてみて、整体で自然に手が吸い付く所というのは、車輪が欠けた所だと解釈しました。電車の車輪が、ギザギザに欠けていたら、揺れるし、うるさいしスピードが出ません。あるいは、無理やりのスピードを出さないと車輪が回らない。

人の心身というのは、そういうアンバランスがあり、その欠けたところに手を当てると、欠けたところが一時的に埋まり、車輪がスムーズに動きだすのです。そしてその滑らかな車輪に戻って、その滑らかさに乗って動くうちにバランスのとれた動きの方に、補正されていきます。

手を当てるだけで、あらゆることがスムーズになるのを調べてみて、普段どれだけロスをしているかということが恐ろしくなりました。

頑張る前にやることがあります。

まずは、欠けたりゆがんだりしている車輪を補修する事です。欠けたままで考えない、頑張らない、悩まない。

整体を始めて20年です。整体のもっとも初歩の方法が、実はものすごい奥義だったということを実感しています。少し練習はいりますが、何十時間もいりません。手を当てる部位を探すことは、一度の講習で基礎は身に付きます。

空気の抜けたタイヤで走るのはやめましょう。欠けた車輪で走るのはやめましょう。穴のあいた桶で水を汲むのはやめましょう。

進化体操・とろける整体のすべての講習で、この

「欠けたところを探して手を当てる整体の基礎」

を学べるようにしています。

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