でも、これは私だけの話ではありません。
テニス選手に「おもいっきりへっぴり腰でへなへななスイング」を一定時間素振りしてもらった後に、「意識的」を抜いて体に任せてもらうと、それこそ1スイングごとに「おおお見事」と素人目に見てもわかるよりハイレベルなスイングが出てくるのです。
世界ランキング入りしたようなプロボクサーに、下手なパンチを打ってもらった後に体に任せると、しびれるような切れのいいパンチが出てくるのです。それは事前に見せてもらった「今のベストのパンチ」よりどうみてもいい動きなのです。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20160826/22/sinkataisou/db/34/p/o0200017713733055382.png?caw=800)
この現象をビジネスや日常生活に応用できないでしょうか。
但し、設問の仕方を少し工夫する必要があります。この方法を使って「ビジネスで成功するには」と考察するのには少し抵抗があります。今の世の中「そのとき儲けていたら成功」という短絡的な見方も幅を利かせつつあります。
これは時間軸を短く切ったときにあらわれるもので、一時の成功を目指すと本質を見誤ります。質の悪い仕事は少し時間軸を長くとると、じきに消えてしまいますから。
なので、「質のいい仕事をするために使えないか」という具合に設定して実行してみました。
本業の整体や体操の講習に、誰も来なくなるにはどうしたらいいか、ということをシミュレーションしてみました。
すると「底の浅い、あるいは間違った技術技法を、自己陶酔して好きなように講習し、来場された方々の希望目的を無視し、或いはその方の症状に無理をかけてかえって体調を悪くさせる」という様な「作戦」が思いうかびました。
逆にすると何が見えてきたかというと
「自分のストックしている技術技法の中で、そこそこ効果を上げ間違いのないものを、来場されている方々の希望目的に添って使えるように講習するが、なにより来られた方が無理をして故障しないように万全に備える」
というようなものでした。これは自分がそれまで取っていた立ち位置とは、微妙に異なるものでした。それまでは「他でも習えることならば、わざわざ俺がやることないやんけ」というスタンスだったのです。
間違って故障しないようにという態勢も甘い。来場される方々の希望目的の把握も甘い。ごくごく基本的な要素もムラがあって、甘い自分のありようが浮き出てきました。
「成功したい」という見方からは「特別な方法」というのを追い求めますが、「質の悪い仕事」をひっくりかえしてみると、基本的なことをもらさずやるという当たり前の地味な景色が目の前に浮かびます。
成功するためのベストの方法というのは、成功した後にならないとわからないのです。そしてその成功というのも、一過性のものかもしれない。
だから、凡人が取り組めるのは質の悪い仕事から距離をとっていくことなのだと気づきました。そして、質の悪い仕事を意識的にシミュレーションすると、そのうちのいくつかは、自分がやってしまっていることだったりするのです。
そうすると
「一回でバケツの大きさ以上の水を入れようとするよりは、そのバケツに空いている大きな穴をふさがんかい!」
ということが見えてくるのです。
まだまだ緒についたばかりですが、メールを書く時は「相手が私に愛想をつかす文面をちらっと考え、道場に赴くときには一日誰も来ないための工夫を考え、嫁さんが私に三下り半をたたきつけるにはどうしたらいいかを考え、休日にはその日の夜に「なんて無駄な時間を過ごしたんだ」とため息をつくにはどうしたらいいのかを考える、そんなことをやり始めています。
こういうのが「敵を知り、己を知れば百戦危うからず」というのかな、などと思っています。
☆☆☆☆☆☆☆
【ちょっとお知らせ】
10月から「とろける整体をものにする五カ月講座」
「動きの質を劇的に改善する進化体操講座(指導者を
目指す人もどうぞ)」を開講します。
もちろんこの「意識的に下手を練習することで、そのあと
劇的に上達する」という方法は、重点練習項目として取り
入れています。
![キラキラ](https://stat.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/123.gif)
http://goo.gl/IvhVJc
最新情報メルマガ
とろける整体をものにするための
様々な解説をお伝えしていくメールマガジンです。
(定期発行/無料)
お申込みはこちらから
↓
![ハチ](https://stat.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/059.gif)
![ハチ](https://stat.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/059.gif)