「トロント最高の医師が教える世界最新の太らないカラダ」第5章「過食のパラドックス―『食べ過ぎると太る』も大嘘?」の要約を行います。この章では、「過食が太る直接の原因ではない」という考え方が述べられ、体重に関する一般的な誤解が科学的なデータによって説明されています。

第5章:過食のパラドックス―「食べ過ぎると太る」も大嘘?

「過食実験」はなぜ成功しないのか

過去に行われた過食実験では、参加者が意図的に大量の食事を摂取したにもかかわらず、予想されるほど体重が増えないケースが多くありました。これにより、単純に「食べ過ぎが体重増加の原因である」とは言えないという事実が強調されています。体は、過剰な食事を摂っても、エネルギーを適切に消費しようとするメカニズムを持っているため、過食だけでは体重増加につながらないことが説明されています。

「たっぷりの食事」を拒んだ刑務所の囚人たち

著者は、過去に行われた刑務所での実験を紹介しています。囚人に多量の食事を与えたところ、食べた量以上に体重が増えることはなく、逆に囚人たちは大量の食事を拒むようになりました。このエピソードは、過食しても体が自然にバランスを取る仕組みを持っていることを示しています。

あなたの体重は「勝手に調整」される

著者は、体重は体内のホルモンや代謝の調整によってある程度自然に維持されるものであり、必ずしも食事量に依存しないと主張します。人間の体は「設定された体重」に向かって自動的にバランスを取る傾向があり、過食しても太りすぎることなく、少食にしても極端にやせることはないのです。

「ハンバーガー」を食べても体はやせようとする

高カロリーの食事(例としてハンバーガー)が太る原因であるという考え方に対し、著者はそれが単純な因果関係ではないことを指摘します。体は、食べ物に関係なく、過剰なエネルギーを消費しようとする機能を持っており、一時的に高カロリーの食事を摂取しても、体重が著しく増えるわけではないと説明しています。

太るのは「体重の設定値」が高いから

太りやすい人は、体重の「設定値」(セットポイント)が高いことが原因であると述べています。体は、この設定値を維持しようとするため、設定値が高い人は食事制限をしても減量が困難になります。この体重の設定値は、ホルモンバランスや代謝によって決定されます。

少食に変えても「体の抵抗」にあうだけ

少食にしても、体がそれに対抗して代謝を下げ、エネルギー消費を抑えるため、減量は難しいと述べられています。体が飢餓状態だと認識すると、少ないエネルギーで生存するためのメカニズムが働くため、思ったように体重が減らないのです。

リバウンドとは「設定された体重」に戻ろうとすること

リバウンドは、意志の問題ではなく、体が元の設定された体重に戻ろうとする生理的な現象であると説明されています。ダイエットをして一時的に体重を減らしても、体が設定された体重に戻ろうとするため、リバウンドが起こります。

「体内の仕組み」を存分に利用すること

著者は、体の自然な調整機能を利用することが、健康的にやせるための鍵であると強調します。無理なカロリー制限や過度な運動ではなく、体が自然に設定された体重を調整する仕組みを活用することが重要です。

やせたい人が真っ先に「やるべきこと」

このセクションでは、やせたい人がまず行うべきこととして、ホルモンバランスを整え、体重の設定値を下げることが強調されています。具体的には、インスリンの管理や、食事の質を改善することが重要だと述べられています。

 

※第5章では、「食べ過ぎが肥満の主な原因である」という一般的な考え方が否定され、体重は体内のホルモンバランスや代謝によって自然に調整されるものであることが説明されています。減量には、カロリー制限ではなく、体の設定された体重を調整するアプローチが効果的であると強調されています。