第1部、第1章:ダイエットの黒歴史―人類は「やせない知識」で減量に挑んでいる

 

助言を下す「医者」が太っている

このセクションでは、減量や健康に関するアドバイスを行う医師や専門家自身が肥満であることが多いという皮肉な現実が取り上げられています。これは、従来のダイエット法がいかに効果がないかを示しており、医療界が提供する情報の信頼性に疑問を投げかけています。

「本当の原因」だけに対処する

著者は、多くのダイエット法が表面的な問題にしか対処しておらず、肥満の「本当の原因」を見逃していると指摘します。これにより、短期的な成功に終わるか、リバウンドを招く可能性が高くなると述べています。

成人の6割が「体脂肪」を誤解している

ここでは、多くの人々が体脂肪について根本的に誤解していることが指摘されています。脂肪は単にエネルギーの蓄積であり、体にとって有害なものという誤解が広がっていますが、著者は脂肪がホルモンバランスやエネルギー代謝において重要な役割を果たしていると強調します。

何百万ドルもかけて導かれた「誤った結論」

多額の費用をかけた研究が、肥満の真の原因を解明できず、誤った結論を広めたことが批判されています。これらの研究は、しばしば食品業界や製薬業界の利益と結びついており、科学的な正確さよりも商業的な利益が優先されてきたと述べられています。

糖質制限は「科学上、最新の理論」とは違う

糖質制限ダイエットが一時的には効果を上げるものの、最新の科学理論とは異なるアプローチであることが指摘されています。糖質制限がすべての人に適しているわけではなく、長期的な健康や体重管理には別の方法が必要だとされています。

信じているのは「100年前の説」

多くの人々が依然として信じているダイエット理論が、100年以上前に提唱されたものであることが批判されています。特に、カロリー制限や低脂肪ダイエットといった方法がいまだに主流であることが問題視されています。

「低脂肪」は心臓にも減量にも効果がない

低脂肪ダイエットが心臓病の予防や体重減少に効果がないことが証明されています。これまで健康的とされてきた低脂肪食が、実際には健康や体重管理に対してほとんど効果がないことが述べられています。

低脂肪食は「高糖質食」と内容は一緒

低脂肪食が実質的に高糖質食になっている現実が指摘されます。脂肪を減らす代わりに、糖質を増やすことで味を補っている食品が多く、これが肥満や代謝障害の原因となっています。

「炭酸飲料を飲みなさい」という国家キャンペーン

過去には、炭酸飲料が健康に良いとするキャンペーンが行われたことがありました。これは食品業界の利益を優先した結果であり、後にその危険性が明らかになりました。こうしたキャンペーンが、誤った情報を広める一因となったと述べられています。

誰が言うかで「正解」が二転三転する

情報の信頼性が、発信者によって左右されることが指摘されています。特定の権威ある人物や団体が提唱する理論が、必ずしも正しいとは限らず、科学的根拠に基づいた情報が重要であると強調されています。

「バター」避けた途端、人類は太り始めた

ここでは、バターを避ける低脂肪ダイエットが普及した結果、肥満が増加したことが指摘されています。脂肪の摂取を制限する代わりに、加工食品や糖質の摂取が増加し、これが肥満や健康問題の増加につながったとされています。

 

※この章は、従来のダイエット方法が誤った前提に基づいており、多くの人々が効果的な減量法を見つけられなかった理由を明らかにしています。著者は、科学的根拠に基づいた新しいアプローチが必要であると強調し、今後の章でその解決策を提示していきます。