副交感神経:心身をリラックスさせる「ブレーキ神経」の役割と、活性化する方法

副交感神経は、自律神経系の一つであり、「休息・消化」と呼ばれる、心身をリラックス状態に導く働きをします。「ブレーキ神経」とも呼ばれ、活動を終えた際に優位に働き、心拍数や血圧の低下、呼吸の緩慢化、筋肉の弛緩などを引き起こします。

副交感神経の主な役割

  • 心拍数・血圧の低下: 興奮が収まった際に、心拍数と血圧を低下させ、心身を安静状態に戻します。
  • 瞳孔収縮: 瞳孔を縮小し、まぶしい光を避けます。
  • 唾液分泌の促進: 消化活動を促進するために、唾液の分泌を促進します。
  • 気管支収縮: 呼吸をゆっくりと深くし、リラックス状態を維持します。
  • 筋肉の弛緩: 筋肉を弛緩させ、疲労を回復します。
  • 血糖値の低下: 戦闘や逃走に必要なエネルギーを使い終わった後、血糖値を低下させます。
  • 免疫機能の活性化: 戦闘や逃走後の体力を回復するために、免疫機能を活性化します。

交感神経と副交感神経のバランス

副交感神経と「アクセル神経」と呼ばれる交感神経は、常にシーソーのようにバランスを保ちながら働いています。副交感神経が優位になる「rest and digest」状態と、交感神経が優位になる「fight or flight」状態を、状況に応じて適切に切り替えることで、心身の健康が維持されます。

 

副交感神経のバランスが乱れると起こる症状

  • 不眠: 副交感神経が十分に働いていないと、寝つきが悪くなったり、夜中に目が覚めたりすることがあります。
  • 倦怠感: 疲労物質が蓄積され、常に疲れているような感覚になります。
  • 便秘: 腸の動きが鈍くなり、便秘になりやすくなります。
  • 冷え性: 血行が悪くなり、手足や体が冷えやすくなります。
  • 頭痛: 脳の血流が滞り、頭痛が起こることがあります。
  • イライラ: ストレスを感じやすく、ちょっとしたことでイライラしてしまうことがあります。
  • 集中力低下: 脳の活性化が低下し、集中力が低下することがあります。

副交感神経を活性化する方法

  • 規則正しい生活: 睡眠不足や夜勤などの不規則な生活は、副交感神経の働きを弱めるため、規則正しい生活を心がけましょう。
  • 質の高い睡眠: 十分な睡眠は、副交感神経を優位にし、心身をリラックスさせる効果があります。毎日6~8時間程度の睡眠時間を確保しましょう。
  • リラックスできる時間を作る: 趣味に没頭したり、音楽を聴いたり、友人と会話をしたりするなど、自分なりのリラックスできる時間を作ることが大切です。
  • ぬるめのお風呂に入る: ぬるめのお風呂に入ることは、副交感神経を活性化し、心身をリラックスさせる効果があります。
  • 腹式呼吸: 腹式呼吸は、副交感神経を優位にし、心身をリラックスさせる効果があります。ゆっくりと息を吸い込み、お腹を膨らませ、ゆっくりと息を吐き出すようにしましょう。
  • ヨガや瞑想: ヨガや瞑想は、心身をリラックスさせ、副交感神経を活性化させる効果があります。
  • マッサージやもみほぐし:緊張し、凝り固まった筋肉をほぐすことで副交感神経が優位になります。マッサージを受けると眠くなるのは副交感神経が優位になるからです。
  • アロマ(ディフューザーなど):ラベンダー等の睡眠優位に導くアロマを焚くことでリラックス効果が高まり質の高い睡眠へと導きます。

 

※副交感神経は、心身をリラックスさせ、疲労を回復する重要な役割を担っています。副交感神経のバランスが乱れると、心身に様々な悪影響を及ぼします。規則正しい生活、質の高い睡眠、リラックスできる時間を作る、ぬるめのお風呂に入る、腹式呼吸、ヨガや瞑想など、生活習慣を見直すことで、副交感神経を活性化し、心身の健康を維持することができます