他人と比較をしない、といいますが、対象物があるから人間として成長したり向上したりするものです。「比較」というものを否定するのではなく、「比較」を上手に使って自分の人生を向上させるのが良いのではないでしょうか。

 

AさんとBさんのお話しです。

 

「痩せたい」という欲求に対してです。

Aさんという女性は高校生の時に憧れの先輩が自分よりも細い人でした。少しでも近づきたいAさんは人生で初めてのダイエットに挑戦。そこから憧れの先輩に近づくためのダイエットが手段ではなく目的となるほど、ダイエットそのものにはまってしまいました。最終的にには、骨が見えるほど嬉しいという極端なダイエットに走り体重が20キロ台になり入院。現在は30キロ台で拒食と過食を繰り返し、当たり前の日常生活が送れない状況です。

 

「奇麗になりたい」という欲求に対してです。

Bさんは推しの芸能人に少しでも近づきたいと常々思っていました。社会人にもなりお金がある程度自由になることも手伝って、「整形」ということも考えるようになりました。ローンも組めることもあり、実際に「整形」するまでにそう時間はかかりませんでした。目元から始めました。次第にエスカレートをして顔全体を「整形」することになり。「整形が失敗」とか「顔が崩壊した」とかではありません。

しかし、Bさんは多重債務に陥り自己破産の憂き目に。

 

上の話は極端な例ですが、手段が目的に変化してしまった例です。

 

Cさん、Dさんのお話しです。

 

Cさんはぽっちゃりタイプの女性です。「痩せたい願望」はありますが、美味しいものも大好きです。憧れの同性もいますが、それはそれ、と考えています。好きなタイプの男性は体型よりも話が合うかどうかという感性タイプです。Cさんの最大の特徴は良く笑い頼れる感じの女性です。傍から見ていると「きっとステキな結婚をするのだろうな」と思わせる女性です。その後、幸せな家庭を築き、今現在も幸せです。

 

DさんはAさん同様にダイエットにはまってしまった女性です。しかしAさんとの違いは痩せる喜びもさることながら、美味しいものを食べることへの喜びも強かったことです。ダイエットして痩せる→ご褒美で食べる(元に戻る)→ダイエットして痩せる→ご褒美で食べる(元に戻る)をループしていました。結局、たくさんのダイエットを経験して分かったことは、急激に痩せると戻るのも早いという教訓でした。それと、目新しい方法ではなく、昔からある、しっかりと運動してきちんと食事管理、という王道が一番確かな方法だと気づいたそうです。憧れの芸能人のダイエット法を真似したりもしたのですが、年齢や骨格の違いもあり上手くいかなかったそうです。

 

 

50代の女性が20代の女性になれるように努力するのは無理があることです。

50代の女性が肌の張りを20代の女性に、も無理があります。

50代の女性が20代の女性のファッションを、も無理があります。

これを「比較」すると不幸の始まりです。

 

手段が目的になってしまったり、そもそも無理がある対象と比較してしまったりするのはいけないことだと思います。比較をするにもバランス良くやるのが良いことかと思います。

 

くれぐれもモリモリSNSや合成にダマされて、それに近づきたい、などと思わないようにしたいものです。体型や外見だけでなく、バランスは人生も左右します。