Jackie Lomax
殆ど無名に近いが一部のビートルズ・ファンにはアップルからのデビューにより知られて
居るシンガーと言えます。リバプール出身で60年代の中期にリバプールで随一の人気
バンドだった彼の所属するジ・アンダーテイカーズとビートルズはキャヴァーン・クラブ
で活動をしていました。
そして、ジョン・レノンの勧めも有りアップル・レコードよりソロ・アルバムをリリース。
そこでプロデュースを勤めたのがジョージ・ハリスンで友人のエリック・クラプトンも参加
する事に♪ここでビートルズとエリック・クラプトンがホワイト・アルバム以前に、始めて
1969年リリースの、『IS THIS WHAT YOU WANT? 』邦題:驚異のスーパーセッション
では他にジョンを除くビートルズ・メンバーにニッキー・ホプキンス、LA録音ではハル・
ブレイン等の有名なセッション・プレイヤーが参加。
ジャッキーは、ジ・アンダーテイカーズでベースを弾きR&Bのテイストが溢れる曲を
得意としていた。このアルバムでもその特色を持つ曲を書いているが、ビートルズ
との共演曲では微妙に方向性のズレを感じる部分が有り、ジョージの個性とは上手く
溶け合わない部分を少しだが感じてしまう。
LA録音では、その部分が若干抑えられていて彼の魅力が素直に伝わるように
個人的には思う。ビートルズ的な綺麗に整うサウンドよりも、スワンプ的な味わい
の有るワイルドさの方が合いそうだ。
まずは、ジョージ・ハリスンが曲を提供し、エリック・クラプトンのギターも聞ける
シングル曲から☆
丁度、メリー・ホプキンのシングルやヘイ・ジュードとリリースが重なった不運も有り
売れなかった。今聞くと、彼の個性が少し埋もれた感も有るが、出来は悪くない
Sour Milk Sea - Beatles without Lennon within Clapton, feat. Jackie
間奏でエリックの特徴的なリード・ギターが聞ける。
後のデラニー&ボニーとの共演と重なりますw
Jackie Lomax "You've Got Me Thinking"
アメリカ南部の香りが漂うブルージーさが心地良いバラッドです。ブルース色の
強かった初期のボズ・スキャッグスとも重なります。ニッキー・ホプキンスのピアノ
が雰囲気を盛り上げていて胸がキュンとなるヴォーカルも素晴らしい♪
Jackie Lomax "Sunset"
ややモータウン的なポップさを感じる曲です。ワウワウのリードギターはジョージと
言うよりエリックでは無いでしょうか?派手さは無いものの良質さを感じる味わいの
深さが伝わって来ました。
このアルバムを取り上げたビートルズ・ファンの記事を見ると、たまたまでしょうが
個性の無い歌に曲も同じに聞こえたと言う感想で、一体どこが?と尋ねたく成りましたw
Jackie Lomax "Speak To Me"
全体的にソウルぽい曲にスワンプ的なコーラスが兼ねて有る曲が多く、イギリスよりも
アメリカを感じさせるのがアルバム全体の印象でしょうか。
余り注目されなかったシンガー・ソングライターですが素晴らしい才能を感じました。
残念な事にニュー・アルバムの発表を控えたいたのに、69歳の若さで長年患わって
居た病気でこの世を旅立ってしまいました。息子の結婚式に出席する為にイギリスに
戻った2013年9月15日の事だそうです。
冥福を祈りながら、最後の曲を。ジョージと重なる優しさが溢れた曲です
Jackie Lomax "Fall Inside Your Eyes"
この後、アップルを離れワーナーと契約をしてアメリカに渡ります。
そこで出された作品が素晴らしいので、またいつか。