帰省してうどんを食べたくなった。
父が元気なころは
家族でうどんを打って食べていた。
自宅で打ったうどんを腹いっぱい食べるのは
子供のころからの習いだ。
うどんを打つのは得意だ。
自宅の大きな釜で
打ち上げたうどんを上げて
大皿にもって
家族で食べる。
これが私の実家の周辺では
習いになていた。
うどんが打てないと
一人前ではないのだ。
父が亡くなって母も
施設に入って
一人ではなかなかそういうことを
する気にならないものだ。
そこでうどん屋で
田舎風のうどんを食わせる店を
探すことになるのだ。
手打ちうどんそば「深山」
加須市の騎西
122号線沿いにある老舗だ。
二人で入ったので一思いに
大盛を食べてみたくなった。
5人前大名か
4人前深山か迷う。
子供の頃のようにはいかないだろうと
4人前にする。
深山1850円
実家のときのように大皿で
でてくるかと思いきや
ざるに乗った盛りうどん
4人前の割には
それほどでもない。
早くもがっかりした気分になった。
田舎汁と
うどん汁で食べ分けることにする。
とはいえ懐かしい大盛りは
充分な手打ち感があって
少し感心する。
そしてついつい子供の頃のことを思い出して
一気に掻き込んでしまった。
不味いこの盛を秒殺してしまう。
「私は3箸しか食べていなかった」
抗議を受けて我に返る。
大人げなかったなあ…