頑張れ若隆景 | 塵芥想

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大相撲夏場所が始まっている。

大横綱白鵬引退。

長く土俵を支配した大横綱が

引退した後は土俵が落ち着かないものだ。

次の時代に君臨する強い力士になるために

新しい力が鎬を削る。

 

次の世代が生まれるまでの雌伏の期間がやってくる。

大横綱の後にはそれを引き継ぐ横綱が必ず生まれる。

これが大相撲の歴史だ。

強さを争う競技の歴史はいつもそうなっている。

 

大鵬の後の北の湖、

千代の富士の後の

貴乃花、

朝青竜の後の白鵬

大横綱の晩年に

タケノコが頭を出すように現れ

どんどん成長していく。

 

強さというのはそういうものなのかもしれない。

今の大相撲の若手力士にはそういう息吹を感じる。

先場所初優勝の若隆景は

そんな雰囲気を感じさせる活躍だった。

今場所はその波にうまく乗れていない。

 

若隆景は荒汐部屋

荒潮親方って誰だっけ?

蒼国来が引退後に部屋を引き継いでいたようだ。

「蒼国来」

蒼い国から来た

いい名を付けた力士だと思った。

中国内モンゴルからの外人力士。

この人とても苦労した人なんだ。

 

元アマレスの選手で

なれない異国のプロ競技に入門して

苦労した。

アマレスは重量競技なので

体重制限をする。

肥れない体質になっていて

身体が大きくなれない。

どうにか関取になったけれど

それ以上の伸びが利かない。

 

そんなはずではなかったともがいているところで

八百長問題に連座させられて

解雇になってしまった。

 

力士は勝負師なので

事態を受け止めるものばかりだったが

蒼国来は違った。

このままでは本当に何しに来たのかわからない。

八百長なんてやってない。

本気で日本の相撲になじもうとしているのに

八百長もくそもあるもんかとばかりに

解雇無効を訴えた。

 

そして裁判で争って勝った。

そして土俵に戻ってきた。

その間2年。

幕ノ内の土俵に戻ってきた。

この長いブランクでは普通は勝てないものだ。

しかし、頑張って成績を維持した。

裁判で争っていた時期も稽古に励んでいたようだ。

結局大成はできなかったけれど

相撲に対しての強い気持ちは通じた。

 

出場停止中の2年の給与ももらえて

幕ノ内在位期間に加算。

引退後の補償につながる配慮そしてもらって

協会に残った。

 

その蒼国来が育てた弟子だ。

師匠の気持ちを引き継いでほしい。