救急車要請時、電話口で指示を受けました


「患者さんに両手をグーグーパーパーしてもらってみてください」


義母にやってもらうと

左手は普通にグーパー出来ますが、右手はその半分くらいにグーパーしていました。

動かないと聞いていた右手ですが、少し動く!びっくり


「左手は普通に動きますが、右手はその半分くらいしか動きません!」


「はい。わかりました。

次に膝を立ててもらって、膝がキープ出来るかやってみてください。


え?動かないのでは?

と思いましたが


義母の膝を立たせてみると、右膝は左右にガクガクとブレました。


えーーー

ストンと力が抜けるのかと思ったら、違うんだびっくり


そしてその状況を電話口の消防の方に伝えました。


ドキドキしつつも脳梗塞って、こんな風に確認するんだ、と感心。


そんなこんなで

救急車到着救急車


奥の寝室に寝ていた義母を担架に乗せる為、スペースがない寝室から義母を布団にくるんだまま、

居間に広げた担架にに乗せ替えようと考えた救急隊


「ご主人、コタツを端に寄せて担架を広げたいんですが、移動していただいてもよろしいでしょうか?」


まったくパンチ!

救急隊が来てもコタツから動かないジジイむかっむかっ

言われて、やっと邪魔にならないところに移動しました。


義母を担架に乗せた救急隊員、

先程私に指示した方法で手足の動きを再度確認


結果は同じ


全然動かないわけじゃないんだなぁ


そして

救急隊員の問いかけに間を置かずペラペラと返答する義母


あれ?

さっきより喋りがスムーズになって来たかな?


救急隊も少し首を傾げています


「娘さん(長男の嫁と言ったのに娘さんと呼ばれる。まー、いっか。)

お母さんの話し方、普段と違いますか?」


「はい、いつもより呂律が回っていない感じがあります。

でも、先ほどよりは話せるようになって来ているような‥」


後ほど救急隊が無線で報告しているのが聞こえまして


「(話し方に)我々には違和感は感じないんですが、ご本人とご家族はいつもと違うとおっしゃっています」


それを聞いてだんだん不安になって来た私

症状が軽くて救急車を呼ぶほどでもなかったのか???


恐る恐る救急隊の方に


「あの〜汗

(この状態で)お呼びして良かったんでしょうか?」


「あー!全然!

呼んでいただいて大丈夫ですっ!」


それは良かった汗汗汗汗汗


救急車呼ぶ判断って難しいですよね。


そして、しばらく搬送先を探し

私も一緒に救急車に乗って行くことに。

  

「お義父さん‼︎

後で連絡するからね‼︎(夫が)」


でも、義母が癌で入院していた病院は満床で断られ(残念ショボーン

他の少し遠い病院が受け入れてくださいました。

私は初乗車救急車です。


病院到着後、義母は病院内に運ばれ検査待ちとのこと。


少しして看護師さんが

「義母さんのご家族様、義母さんがお呼びですので中にお入りください」


なんだろガーン


「私、靴を持って来ないちゃったの。

帰りの靴がないからどうしようと思って。」


何か重大な話かと思ったら、靴が心配だったんだーと、思わずコケそうになりました。

前回と同じで今日帰れると思ってるんだ


「大丈夫、大丈夫、持って来てもらうから。

お義母さん、夕べ寝られなかったんでしょ?

私ここに居てもいいって言われたから、ここにいるから少し寝たら?

検査の順番待ちで少し時間かかるんだって。」


義母の右手を握るととても冷たかったです。


「華さんの手、あったかいねーニコニコ


「お義母さんの手、冷たいわーニコニコ


なんて話をしていたら、

しばらくして義母はスースー寝始めました。


その後も看護師さんが点滴の様子を見に来ると


「私ねぇ、入院は嫌なの〜」


と、話しかけていました。

よっぽど入院嫌なんだなぁ


大したことないといいなぁ‥


少し経つと検査で呼ばれて義母は運ばれて行きました


結果


「やはり、脳梗塞です。

発症から時間が経っていますので、麻痺は残ってしまうでしょう。治療が必要ですが、癌の治療で入院されていた病院に連絡を取りましたら、受け入れ可能という返答を頂いております。

転院されますか?」


あー、やっぱり脳梗塞かショボーン

しばらく入院だー


でも?

さっきは満床と断られた病院が、今度は受け入れ可能に!!

癌の術後と脳梗塞同時に診てもらえるのは、本当に助かる!


「はい!お願いします‼️」


それからまた手続きしたり、介護タクシーを手配していただいたりと、時間がかかり


救急車救急車に同乗してきたため、足のない私は介護タクシーにも同乗させていただき、転院病院


ストレッチャーに横たわったまま介護タクシーに乗せられた義母


具合悪そうな感じではないのですが不安そう


不安を和らげようと、義母の冷たい手をさすりながら


「少し入院になると思うけど、治療して早く治るといいね。手足が動かないと困るもんね!」


‥‥


義母は少し考えて、介護タクシーの天井を見つめながら


「じいちゃんはね、


病人が嫌いなんだよ‥」


と、ポツリと呟きました。


私は返す言葉が見つかりませんでした。


この時の言葉となんとも言えない表情はずっと私の脳裏に焼き付いて離れません