では12回目の授業

2-10. 19世紀後半のアメリカ大陸

19世紀のアメリカ大陸と言うが。(1)南北戦争,(2)西部開拓、(3)アメリカ=スペイン戦争で、肝心の「再建の時代(reconstruction」がない。

アメリカ独立宣言は、「生命,自由,幸福追求(Life, Liberty and the pursuit of Happiness)」の権利があるという。しかし、黒人奴隷,原住民にこれらの権利はない。

ハイチはフランスから独立するのだが、1794年ジャコバン派国民公会に議員を送ることができ、フランス全領土での奴隷廃止が決定された。

 

(1) 南北戦争-戦争の性格を変えた奴隷解放宣言

 

1861~65年のCivil War(南北戦争)の時、リンカーンは奴隷解放したというのはまやかしで、あくまでこの戦争は連邦主義(北部)と州権主義(南部)の対立であった。リンカーンは内外世論の支持を得るため、ホーム ステッド法と奴隷解放宣言を出したのである。だから南部で黒人の地位は変わらない。

 

 

まず、先住民の強制移住は何ら変わっていない。

1883年の公民権裁判の最高裁判決は、「私人による差別には当てはまらない」と人種差別を認めた。

そこで、解消されない差別に対し1950年代から1960年代にかけて公民権運動が起こされた。しかし、人種差別は解消されない。

(キング牧師)

 

(4) アメリカの植民地になったハワイ-ハワイ王国転覆(1893年)

この単元はアメリカ=スペイン戦争の前に1890年代のアメリカの太平洋侵略の一環として考えられるべき問題である。

(地図は現行「世界史B」教科書(東京書籍版/330頁)

この帰結が、結果としてアメリカ=スペイン戦争でのフィリピン領有となる。なぜならアメリカ=スペイン戦争は、カリブ海を巡る戦争だったのだから。

 

(3) アメリカ=スペイン戦争--植民地帝国アメリカの始まり。

アメリカ=スペイン戦争はフィリピンで始まった訳でない中南アメリカへのアメリカの帝国主義的侵略が第一の本質である。今やアメリカは帝国主義国になった。

そのおまけで東アジア侵略をする。ジョン ヘイが1899~1900年に門戸開放,機会均等,領土保全を言ったのは、清朝の帝国主義国による侵略を一時的に停滞させた意味をもつ。

(八国联军侵略时期照片集144頁)

 

ともかく、この単元の編成のミスは19世紀後半のアメリカというが、「再建の時代」の分析がない。当然探究活動は再建の時代における奴隷制の復活しかない。