文部省学習指導要領による「歴史総合」の内容である。

 

これをもとに作られた本が、世界と日本をむすぶ「歴史総合」の授業: / 歴史教育者協議会(歴教協) 編 / 2020年5月 / 大月書店 である。

 彼らは学習指導要領の各単元を以下のように展開している。

学習指導要領の内容を51時間に分けている。一週二時間だから、妥当な時間配分であろう。

問題はこの書の探求活動にある。題材が恐ろしい。

では、それを見ていこう。

1.歴史とは何か:

 生糸の探求とあるが、この時代を語るには「イギリス⇒アフリカ⇒アメリカ大陸⇒イギリスと廻る三角貿易しかない。

2.歴史の特質と資料

柳条湖事件(1931年9月18日)を描くが、日本側史料しかない。これで良いのか?

柳条湖事件(九一八事件)の狙いは、この燃えている北大営(中国軍の宿営地)への襲撃であった。

もし歌や演劇を使うのであれば、1935年の中国映画『風雲児女』の主題歌として作曲された「義勇軍行進曲」が妥当であろう。「肉弾三勇士」を用いるなんて、馬鹿げている。

 

2-1.18世紀のアジアと日本

 「鎖国」の日本はなかった。だが日本銅を扱っている。ここは、むしろアジア各地で独自の文化が開化していることを主張するべきである。オスマン、ムガル、清朝。なぜ日本なの?

琉球とアイヌの探究活動では、徳川家康がなぜ琉球を支配したかったか、が探究活動であろう。

 

2-2.独立と人権めざして

アメリカ独立革命、フランス革命、さらにメキシコ革命まで一時限に入れられるはずがない。

探求学習で「(個人の)『生命,自由,幸福追求』のアメリカ革命と『自由,平等,博愛』のフランス革命の違い」が分かれば、どちらにその普遍性があるか明らかである。その意味でハイチ革命が重要であろう。

トゥーサン・ルヴェルチュール

 

比較対照すべき拙著:アジアから見た日本の侵略:明治維新から東南アジア占領まで / 2020年2月 / 宮帯出版社 / \1,980円