日本最後の夜 | 片思いという名の試練

日本最後の夜

日本に一時帰国していて数日。

火曜日にはまた海外に戻る。


この一時帰国中に彼に会うのを逃したら、

留学する彼と行き違いになって、1年会えなくなる。


一時帰国で帰ってくるとき、

今までの日記を見直していた。

ああ、時間軸上に、走馬灯のように思い出される。


何気に一時帰国中予定が詰まり始めて、

自分も彼に会う時間を見つけるのが難しい。



でも自分から「会おう」と言わないと、このまま会えないままだ。

彼から「会いましょう」って言ってくれることはない。

焦り始めたのは月曜日。

自分が行動しなかったら、何も変わらない。

会えるとしたら今日木曜か一時帰国最後の夜の月曜。


彼がたまたまいなかったサークルにも1時間顔だした。

後輩の指導のために。

もし自分がこのサークルに顔を出せなくなったことを考えて。

最後に顔を出すつもりで。


都心からの帰り道の間、メールで誘う文面を考えていた。

いざ、彼に告白するためにメールで呼び出すとなると、

メール作成画面に行く気になれない。


少しづつ、時間をかけて、数行のメールを打って送った。

何回か、メールを保存して。

結局落ち着いたのは「軽く一杯どうだい?」。

宛先に彼のアドレスを入れたのは文章が書けてから。

それでもしばらくは保存箱に入れておいた。

送信する勇気がすぐには持てず。


しばらくして彼から返事が来て、

両日とも空いているとのこと。

さすがに今日の夜は心の準備ができていない。

自分がずっとイメージしてたのは、一時帰国の最後のほうだ。

今日の夜も提案しておいたのは、彼の選択肢のため。


そして、月曜8時に会えることになった。

最後の夜。


自分がこんな目的で誘っていること、本人が知ったら困惑するだろう。

幻滅すらするだろう。

先輩として慕ってくれていたのに。

彼を騙していたのかもしれない。

裏切ったのかもしれない。


自分のエゴで好きになって、近づいて、呼び出して、

一方的に告白しようとしているのだから。


来てくれて、ありがとう。

そしてこんなこと言うの、ごめん。悪い。


この数日、夜な夜な考えたこと。

最後に自分ができることは、

本人には申し訳ないけど、素直になることだ。

素直になること。

自分が素直になることが、彼を困惑させるとしても。

自分が素直になることが、彼にとってはまったくいらないことでも。

自分が素直になることは、全然素敵じゃないだろう。


何度もイメージトレーニングをしてきた。

痛いな、痛いな、という痛みの準備も。


用事を片付けつつ、最後の夜に向けて心の準備をする。