近代戯曲研修セミナーとは日本演出者協会が主催する
「近代の劇作家を読み解くセミナー」である。
本セミナーは、非常に有意義なセミナーで、前回私は三好十郎の「女体」の演出を務めさせて頂いた。
今回は、菊田一夫の「花咲く港」の演出助手である。
つい最近なのだ。菊田一夫や三好十郎や長谷川伸が生きていた時代は。
なのに何故、ここまで「隔離」を感じるのだろう。今の演劇界の流れと・・・。
「花咲く港」を菊田一夫が執筆したのは35歳の頃だった。
今の私と丁度同じ年齢の頃である。
菊田一夫が古川緑波の「笑いの王国」の座付作家から東宝の重役プロデューサーまで登りつめる歴史は、演劇人にとって夢のような成功の形。
近代戯曲劇作家を見つめ直す度に、今の私には何ができ、何を成し得る事ができるのか?そればかり考えてしまう。
今、恐らく、演劇界において若手ホープなりうるのは松森 望宏君だろう。
彼は今、恐らく、若手演劇界において現代演劇の『潮目』を見れる場所にいる。
今の演劇の「潮目」、どこに大漁の魚がいるのか?
彼が今、一番この業界を俯瞰で見れる位置におり、かつ虎視眈々と狙っているのが見える。
菊田一夫の「花咲く港」は菊田一夫が己に込めた”予言書”であると私は、読み取った。
「花咲く港」には下記のような記述がされている。
船を作ること、苔に小さな花が咲く事、ペテン師になる事、会社を立ち上げる事。
仕事に邁進し、仕事を成功させる事。たくさん詰まっている。様々な菊田一夫の予言が。
菊田一夫、菊谷榮 両方に共通している事は、「奉公」したという事だ。
「奉公」しきった人間にしか見えない「潮目」。
私は、残念ながら、演劇界において、誰かに「奉公」した歴史はない。
「奉公」した人間は強いのだ。なので恐らく、松森 望宏君は相当強い。
今、20代の演劇人をチェックするとしたら、松森 望宏君だろう。
恐らく、ここ2、3年で一気に浮上する。是非、大物になって頂きたい。
そういう「潮目」を今、僕は感じている。