私、深寅芥は下記の日程で、青井陽治さんの演出助手を勤めさせていただきます。で、ほそぼそと、演出助手の記録を「ネタバレ一切なし」で記録させて頂く。
日程:2012/9/6~9/17 青山円形劇場(東京)
演出・翻訳:青井陽治
原作:テレンス・マクナリー「Corpus Christi」
出演:渡部豪太/窪塚俊介/今奈良孝行/北川能功/鷲尾昇/永山たかし/米原幸佑/近江陽一郎/赤澤燈/藤井泰造/永嶋柊吾/安西慎太郎/松田洋治
http://www.moon-light.ne.jp/news/2012/06/corpus-christi.html
まずはね、本当に「一切ネタバレなし」と宣言しないと厄介でございます。
特に、プロの方が出演する舞台においては、肖像権の問題もあるので気をつけなければなりません。
数年前、私はかなり芸能人の方が出演するお芝居の演出をしておりました。
その際、本当に大変でした・・・。
特に私、男性ですからね。当時まだ30歳弱です。
なので、彼女達のファンの方々に失礼のないように十二分に注意して、情報発信しておりました。
たまに、「俺、演出だけど、○○ちゃんと仲良いんだぜ!」みたいな様子や文章をブログに掲載されて同業者がおりますが、「ヲイヲイ、大丈夫か・・・?」なんて他人の事なのに心配しておりました。
まぁ、寛容なファンの方には、「ふーん、楽しそうな稽古風景だな。面白そうじゃん」なんて思っている方もいるのでしょうが。
そうでないタイプのファンの方々に失礼のないようにと常々、考えておりました。
何故なら、私たちは「お友達」になる為に、お仕事を一緒にさせて頂いているわけではないからです。
ま、私は根が真面目なんですよ。それだけです(笑)
私の仕事は、そのタレントさんの経歴にとってプラスに働く作品を作り上げる事が仕事です。
「へぇー。これが彼女の初舞台だったんだ。初舞台どういう芝居してたんだ?DVDで見てみよう。」
とか
「DVD見てみたら、こんな難しそうな事を、デビュー前にやっていたんだな。ほうほう。」など、
そうやって将来、後を振り返って感じて頂けるような、作品作りをしておりました。
なので、多分、彼女達にとって、稽古場の私は怖かった事でしょう。
気難しい、演出家だったに違いありません。
どうしたら、「彼女達の演技が人並み以上に早く上達するのか?」
それしか求めていませんでしたから。
「怖かった」といっても、怒ったり、怒鳴ったりはしませんでしたよ。
だって悪い事なんて一つもしていないんですから。
ただ、「褒めて褒めて甘やかして育てる。」それだけはしませんでした。
なぜなら、最終的に成人になる前に、大人を見下すからです。
「あ、コイツ、胡麻すって、私から仕事もらいたいんだな。へへーん。」って
幼い思考で考えつくからでございます。
彼女達にとって、デビューした後一番大切な事は、
一緒に仕事をする方をリスペクトして良い作品を作り上げる事なのです。
結果、世の中に認められる自分自身の代表作を作り上げる事なのです。
そうしなければ、プロになった段階で、甘えます。
デビューした後は、立ち振る舞い、行動自体が仕事・責任となるわけですから、
甘えは絶対に許されません。
ですから、私は、幼き彼女達にたくさん、専門用語を使い、大人と同じ様に接しました。大人と同じように稽古を進めました。
今でも私のWSは同じです。未成年もおりますが、同年齢と同じように接してます。
きっとそれが数年後、何も知らない彼女達にとって、プロになった段階で「恥」を書かなくてすむからです。
「あ、こいつ、タレントの卵だから何も知らないんだな。」
そういう風にデビューした後、思われないようにするのが、
その当時からの私の仕事でした。
そのおかげでしょうか?皆、デビューしてからみっともないような立ち振る舞いを一切しておりません。常にどの現場でもプロ意識を持って、様々な場所で活躍してくださっております。
「子どもに厳しく接する」とは、事、芸能の世界においては、大人と同じように接するという事だと、私は考えております。
遊びざかりでございましょう。大人たちの稽古をただただ見ているのも暇を持て余していた事でしょう。子ども達にとって同世代の子の遊びや恋愛が気がかりです。
しかし、子ども達にとっての30分は大人の3時間です。
ですから、その1分、1分を大切にし、”本物の芸”に接して上げる時間を作って上げる事が大切です。
大人が手を抜いて、チャラチャラしながら、向かう稽古風景を見せる事は彼女達の将来にとって良い影響を残さないと思います。
大人が(彼女達にとって親の世代が)真剣に泣き、真剣に怒り、真剣に笑い、真剣に悩む姿。
親が普段、決して見せない人間の感情の発露を、”演技”を通じてみせていく。
きっとその光景は怖かったに違いありません。家庭でも学校でも見れない環境ですから。
今の彼女達は、キラキラとした青春の1ページを描いてます。
今はたくさん弾けて、夢だった芸能の世界を謳歌している事でしょう。
しかし、いずれ、個人として活動する事となったら、
プロの芸を存分に披露し、世界に羽ばたくアーティストになって頂きたいと
思っています。
たとえ、年齢が下であったとしても妥協せずに伝えていく。
それがプロの演出家の仕事であると、私は考えてます。
あらー。書こうとしたネタがずいぶん、道に反れた。ま、いいか。