街角で
不規則でラフなつくりの石段を下り、海側のメインストリートへと歩く。通り沿いはこれでもかとペンギングッズが並び、ためしに品揃えの良さそうな店入るとマネキンならぬペンギンがこれまたペンギンのTシャツやトレーナーを着ている。棚をみればそこにも、本棚から絵葉書まで。
ここまでペンギン尽くしだとそれ以外の物を選びたくなるけれど、家族や友人たちが喜びそうな絵ハガキを選び、あわせてパタゴニアと南極半島の自然に関する内容がスペイン語と英語で書かれた本を買った。
実は私は痛恨のミスをしていた。今回の旅は本を忘れてきてしまった。活字中毒と言うか、枕元にかばんに本がないと落ち着かない自分なのに。活字禁断症状はこのときピークに達し、この際なのでスペイン語だろうが英語だろうが、本の体裁ならなんでもいいと買うことにした次第。ちなみにこの本はカラー写真が豊富で拾い読みならなんとか読める。水がかかるとページがくっ付いてしまうのがたまにキズだけど、今でも何かを調べたりするときに重宝している。
郵便局で他のツーリストに混じってせっせと手紙を書き、その足で街をぶらつく。探しているうまそうなパン屋はどこにも見当たらず、町外れの刑務所近くに小さなサンドイッチ屋があるくらい。もう一本海沿いへ道をずらすと、洒落たレストランがあり、窓越しに見えるパンがとてもうまそうなので、そこに入ることにした。
チーズとパンとハムの盛り合わせを注文して、ノートにこれまでの旅の前半を振り返りながら、いつものように思いついたことをつらつらと書き留め始めた。
◆チリからの南極観光船が沈没。幸いにも死者なし。
◆時々すっかり忘れていたロシア語をひょいと思い出す
◆プンタ・アレーナスのホテルの部屋には、「何か」が居た。
◆おいしいジャムを食べたい
◆5大陸で南極へ最前線へ来た。あと1,000km
◆ここのパン、美味しい。